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August 30, 2012

ヨーロッパファッションストア見聞録~その1 パリ① 百貨店とファストファッションの共存

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 8月16日~25日の10日間、ヨーロッパの主要都市、パリ~バルセロナ~ロンドンの都心部を駆け足で周ったファッションストア視察の様子をこれから何回かに分けてご報告します。

 パリ初日は宿泊ホテルからほど近いパリの中心部、オペラ地区&オスマン通り界隈からのスタートです。

 パリのメジャー百貨店と言えば・・・

 「ギャラリー・ラファイエット」、「プランタン」、「ボン・マルシェ」の3つでしょうか。

 ギャラリー・ラファイエット日本語ウェブサイト
 プランタンウェブサイト こちらは英語、中国語はありますが、日本語はありません。
 ボン・マルシェウェブサイト こちらはフランス語のみ

 それぞれの立地ですが、

 「ギャラリー・ラファイエット」と「プランタン」はパリの中心部にあたるオペラ、オスマン通り界隈にあり隣合わせ

 「ボン・マルシェ」はセーヌ川の南側、サン・ジェルマン地区にあります。

 私が感じた3つ百貨店の印象の違いを簡単に申し上げますと、いずれもラグジュアリーブランドの展開を核にした百貨店になりますが、

 「ギャラリー・ラファイエット」と「プランタン」は立地的に観光客も加わって混雑している百貨店で、後者がインターナショナルブランド中心の品ぞろえなのに対し、前者は買いやすい価格帯のPBブランドも揃え、食品館なども併設する間口の広い百貨店です。

Imag0046 一方、ボン・マルシェは繁華街から少し離れているせいか、観光客は少なく、1ブランドごとの箱も大きく、通路も広く、現地の方々がゆっくりお買いものを楽しめる百貨店というところでしょうか。

 この3つの中では、やはりボン・マルシェの空間、上層階にある書籍、文具コーナーや手芸用品売り場が素敵で居心地がよく、何時間いても飽きない、また行ってみたい場所でありました。


 さてさて、オペラ、オスマン通り地区に軒を並べるパリのメジャー百貨店「ギャラリー・ラファイエット」と「プランタン」。

 このあたりを歩いていてすぐに気が付くことは、これら観光客も含めた集客力のある2つの百貨店に寄生するかのようにファストファッションストアが乱立していることです。

 一番びっくりするのはギャラリー・ラファイエットを取り囲むように同店の西側、東側、北側にH&Mが3店舗もあることですね。

 また、ZARAはプランタンとギャラリー・ラファイエットのオスマン通りを挟んで真向いに1店舗を構えていますが、

 ギャラリー・ラファイエットの本館の2階(実際には3階)にはZARAのウィメンズラインが入居しています。

 日本でも、ZARAやH&Mが百貨店の目と鼻の先に出店するのは常套手段ですが・・・ここまで来ると、ちょいと影響力というか相関関係が違いますよね。

 少しネットで調べたり、建物の構造を考えてみると、ギャラリー・ラファイエット本館の西側と東側に同百貨店を挟んで出店するH&Mの2店舗に関しては、どうやら、かつてはギャラリー・ラファイエットの売場の一部だったようですね。

 つまり、百貨店側もファストファッションとの棲み分け、相乗効果を考え、「共存」を選択したのではないか?と

 これ、いつごろから、どういういきさつでそうなったのか?とても興味があります。

 なぜなら、日本でも、銀座松坂屋にフォーエバー21が、名古屋の松坂屋にH&Mが、立川伊勢丹の中にZARAが入居している現象は、パリでは以前から起こっている、時代の流れ、なのではないかと。

 今回の視察では、百貨店に入居しているか、直営路面店か、は別にして・・・ラグジュアリーブランドと、こなれた価格のトレンドファッション=ファストファッションのファッションマーケットの中での「二極化」そして「共存」を、ヨーロッパ都心部のいたるところで目の当たりにすることになります。

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August 27, 2012

バルセロナおよびロンドンのヨーロッパファッションストア見聞録、ブログのフェイスブックページにアップしています。

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 ヨーロッパ8月19日から21日のバルセロナ、22日から25日のロンドンでのファッションチェーン視察の様子をフェイスブックページに画像つきでアップしていますので、もしよろしかったら、以下のリンク先の

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 ファッション流通ブログde業界関心事 フェイスブックページ

 昨日10日間のヨーロッパ視察から帰国しました。各都市の感想、トピックは、順次ブログにもアップして行きます。

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August 19, 2012

パリの見聞録、速報ベースで当ブログのフェイスブックページにアップしています。

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 8月17日からヨーロッパにファッションチェーン視察に来ています。

 視察の様子は、インタネット環境にもよりますが、デイリーにフェイスブックページに画像つきでアップしていますので、よろしかったら、以下のリンク先の

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 本日からはバルセロナに移動、ZARAのホームグラウンドを視察しています。こちらの様子も順次アップして行きますのでよろしくお願いします。

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August 16, 2012

【お知らせ】9月14日(金)「SPA(アパレル製造小売業)のための商品チェックの基礎知識」勉強会@東京青山

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 来る9月14日(金)、東京青山で弊社主催のアパレル業界勉強会を開催します。

 今回は、SPA(アパレル製造小売業)のための自社企画商品チェックの基礎知識、サンプルや本番商品の検品の基本、ツボを学びます。

タイトル: 「SPAのための商品チェックの基礎知識 レディースシャツ・ブラウス編」

日時  : 2012年9月14日(金) 19:00~20:30

場所  : 南青山クラブハウス会議室
        東京都港区南青山2-2-8 DFビル5F
        (東京メトロ 青山一丁目駅 徒歩3分)

講師  : 只野景秋(ケイ タダノ) 氏 
      モデリスト、日本繊維輸入組合の海外テクニカルアドバイザー、
      弊社提携品質向上アドバイザー

      コムデギャルソン、エンポリオアルマーニ、ユニクロなど
      業界経歴30年のベテランモデリスト&品質向上アドバイザーです

定員  : 25名(定員になり次第締め切り)

参加費 : 5000円(税込み;当日徴収)
  

 業界では、商社やメーカーのOEM、ODM機能を活用したSPA(アパレル製造小売業)化が進んでいますが・・・

 商社さんやメーカーさんのおかげで商品の形はできても、

 企業やブランドとして、出来上がったサンプルや本番商品をうまく確認できなかったり、感覚で良し悪しを通しているところも少なくないのではないでしょうか?

 今回の勉強会では、レディースのシャツ、ブラウスを題材に、講師実演でサンプルや量産商品の目の付けどころ、「検品」の基本を学びます。

 社内に品質基準、検品基準が確立されておらず、属人的になっているSPA企業様、

 これを機会に社内業務を統一しませんか?

 また、これまで我流でされていて、商品検品基本を確認されたい、やり方を変えたいOEM、ODM商社、メーカーのマネージャー、ご担当者の方の参加もお待ちしております。

 参加された方には講師監修、業界の標準的な検品チェックシートを差し上げます。

 尚、商品はレディースシャツ、ブラウスを取り上げますが、商品チェックの基本は、レディース、メンズ、キッズ、取扱いアイテムに限らず、一緒です。レディースブラウスに関与されていない方でも、テーマに関する問題意識を抱えている方でいらっしゃれば、十分吸収するものはある内容に仕上げたいと思いますので奮って参加ください。

 ご対象は、

 商品に携わる職務の方、全般です。商品企画担当者様、生産担当者様、品質管理担当者様、バイヤー様、デザイナー様、パタンナー様、店舗販売員様、および上記スタッフ育成担当者様まで。

 講師経歴:バンタンデザイン研究所卒業後、コムデギャルソン、ジュンヤ
      ワタナベ、エンポリオアルマーニなど、ハイブランドのパタンナー
      を経て、ファーストリテイリング入社。
      在籍中の6年間、ユニクロのパタンナーとして、商品のパターン、
      サイズ、品質改革に取り組み、2010年退職。 
      モデリスト、パタンナー育成、アパレル品質向上アドバイザーとして独立し、
      現在、日本繊維輸入組合の海外テクニカルアドバイザーとして
      新興国の技術向上のための工場指導、
      弊社パートナーコンサルタントとして、成長中SPA企業の
      品質向上のために活動中。
 
※ご質問、お申込みは・・・ こちらのメールアドレルまで>>>otoiawase@dwks.jp
①お名前、②差し支えなければ勤務先、職務内容、③連絡先お電話番号、④勉強会に興味を持たれた理由、⑤勉強会へのご質問、ご要望などをご記入の上、メールをお願いいたします。

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August 14, 2012

パリ、バルセロナ、ロンドンに視察に行って参ります

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 今週の木曜日から約10日間、パリ、バルセロナ、ロンドンのマーケットリサーチ、ファッションチェーンウォッチに出かけて参ります。

 各都市2泊3日と・・・出張はいつものように強行軍ですが(笑)

 3つの都市を選んだ理由と視点は次の通りです。

 フランス パリ 

 世界のファストファッション元年は1998年、H&Mのパリ進出から始まったと見ています。その後、英文メディアで ZARAやH&Mなどを称して"Fast Fashion" の文字が数多く登場することになります。

 H&Mが北欧や近隣するドイツから世界に向けて踏み出したちょうど10年後の2008年、H&Mは満を持して極東の日本に上陸し、翌年上陸するフォーエバー21(米)、進出済みのZARA(西)とともに日本でファストファッションブームを起こします。

 今のご時世、日本がヨーロッパの10年遅れとは思えませんが、今のパリに東京マーケットの近未来を示唆する何かがあるはず。それを感じ取って来たいと思います。

 スペイン バルセロナ 

 ご存じ、ZARAを擁するインディテックスグループの本拠地。

 同社8業態がすべて集中的に観ることができる都市です。世界のファッション流通の最先端を行く彼らが、今、何を考えているのか、しっかり目に焼き付けて来ます。

 イギリス ロンドン

 ファッション小売チェーン勤務時代2004年までロンドンは毎年2回、定点ウォッチしていた都市です。

 今の銀座はあの時のオックスフォードストリートのようになっているような気がしてなりません。

 まだ見ぬ強豪、プライマーク(世界売上ランクTOP10)他、グローバルファストファッション=ハイストリートファッション激戦区ロンドンを8年ぶりに体感します。

 あのころはブルーウォーターSCも毎回観ていましたが、ウエストフィールドという都市型SCが出来たということで、こちらを視察するのも楽しみです。

 パリ、ロンドンでは、ユニクロが世界の強豪たちに対してどれくらいの実力なのか?支持を得ているのか?も楽しみに観て参ります。

 ファストファッションと共存するアパレル企業の棲み分け方、ファッション雑貨、欧州古着はきっと今後の日本のファッション企業のヒントになると問題意識をもって観察してきます。

 今回のヨーロッパ視察の様子は、

 現地からブログも極力アップするようにしますが、

 主に 「ファッション流通ブログde業界関心事」 の (facebook page) フェイスブックページを中心に発信します。

 現在、「ファッション流通ブログde業界関心事」 のフェイスブックページでは、

 ブログの更新通知やファッション流通関連の新聞記事、ニュース、日々の気づきをつぶやいたツイッターの内容を発信しています。

 今後、ブログでアップしきれない、マーケットリサーチの速報、裏話なども上げて行きますので、フェイスブックをご利用の方は、よろしかったら

 ファッション流通ブログde業界関心事 フェイスブックページ

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August 13, 2012

【お知らせ】9月6日(木)ファッションストアの在庫コントロールセミナー@大阪

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 来る9月6日(木)、東芝テック関西支社さん主催で開催されるファッションビジネスセミナーで基調講演の講師を務めますのでお知らせします。

 日時 2012年9月6日(木) 14:00~


 場所 東芝テック株式会社関西支社 6F会議室
     住所:大阪市淀川区宮原4-1-6 アクロス新大阪 
     TEL:06-4807-6500

 タイトル 「ファッション商品を売り切るしくみ」

      サブタイトル 勝ち組SPAに学ぶ在庫コントロールの秘訣 

 参加費 無料
 
 定員 30名様 (定員になり次第締め切ります)
 

 ファッションストアの多店舗化の過程において、人海戦術の限界が30店舗あるいは年商30億円あたりにあると言われています。

 そんなステージに差しかかった、あるいは真っただ中のファッションチェーン様が商品をどう仕入れ、どう販売するか、そして、シーズン末までにいかに売り切るか?

 MD計画、在庫コントロールに関する本部と店舗の具体的連動を、体系的に、業界の好調企業の事例を交えて解説するものです。

 講師である私自身が、ファッション専門チェーンに勤務していた際に、実際に「在庫コントロール部」を立ち上げ、しくみづくりから、人材育成、システム活用を行った約3年間の体験談をベースに、

 独立後、コンサルタントとして、ここ数年間に数多くの新興企業様の成長を支援する中で効果のあった考え方、また、国内外の勝ち組SPAの事例を交えて、判り易くお話しします。

 多店化の過程において、これから在庫コントロールに取り組もうとする企業の皆様、現在、在庫過多にお悩みの企業の皆様に最適な内容です。是非、奮ってご応募の程お願い申し上げます。

 セミナーのDM(PDF)ダウンロードは>>>こちら


 関西地区の方で、ご興味ある方は、

 東芝テック株式会社  関西支社 営業推進部 
      事務局:小林氏宛TEL06-4807-6500 

 までお電話でお申込みください。

 よろしくお願いいたします。

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August 10, 2012

世界の都心部では好立地物件奪取は常識?H&Mの香港旗艦店1号店(セントラル)が来年以降移転、跡地にはZARAが入居

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 WWDジャパン8月6日号に、H&Mが家賃急騰を理由に、2014年末までに香港セントラル(中環)に出店している旗艦店である1号店を移転せざるを得なくなったことに関する記事が掲載されていました。

 ネット上に関連ニュースがあったので併せてご紹介しておきます。

 NNA.ASIA: H&Mのセントラル旗艦店、来秋撤退決まる

 実際の移転はWWD情報の2014年か、このネットニュースの2013年かわかりませんが、

 同店舗は、H&Mが2007年に香港に初出店を果たした約850坪級フルラインを展開する旗艦店。

 ニュースによれば、その後のスペースに入るのは、なんとグローバルSPAのライバルであるZARAとのこと。

 ZARAは、H&Mが支払っていた月坪当たり約6万6千円の家賃の倍にあたる約13万円で物件オーナーと合意した模様。

 これ実際に、ZARAがけしかけたのか、契約更新にあたってオーナーが天秤にかけたのかわかりませんが・・・

 ZARAがH&Mを退かせた恰好に見えますね。

 この2社の家賃、両社のグローバルな家賃比率から考えると、H&Mの6.6万円はこの立地で何とか採算の範囲内だったのかもしれませんが、ZARAの13万円は採算度外視と言えそうです。

 これによりZARAはセントラル地区にファイナンシャルストリートに続く2店舗目を開店することになり、H&Mは新たにこのエリアで物件を物色せざるを得ない状況にあるようです。

 WWDの記事によれば、狭い土地に商業密集度の高い香港では、家賃高騰を理由に、ファッションストア間で店舗が入れ替わるケースが多いようで、最近の事例でも
 
 シャンハイタン(中国)がアバクロンビー&フィッチ(米)に

 ジョルダーノ(香港)がフォーエバー21(米)に

 入れ替わっているようです。

 実は、私も10年くらい前の話ですが、勤務していたアパレルチェーンの都心部にあった大型旗艦店が倍の家賃をオッファーして来た外資某社に追い出された体験があるので、その時のことが記憶によみがえりました。

 ですから、この話、香港だけではなくて、日本でも今後、起こりうる話なんですよ。

 ファッションストアも店舗立地で売上はそうとう変わりますので、外資が資金力にものを言わせて、本気で物件を取に来ることもあります。

 ZARAのような、広告宣伝は一切打たず、立地こそ最大の広告という考え方のファッションストアならなおさらでしょう。

 入札で取り合うならまだ紳士的なもの。好立地に目をつけておいて、契約更新間際に高額オッファーするなんてエグイ会社が国内外問わずいくらだってありますのでご注意を。

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August 07, 2012

「ぽちゃカワマーケット」が埋める?ファッション需要の隙間

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 8月に入って繊研新聞一面に連載されていた 「開花!ぽちゃカワマーケット」を楽しく読ませていただきました。

 ここのところ、「ぽっちゃりさん」がファッションを楽しめるショップ、コーナー、ブランドが増え、マスメディアでも取り上げられることが多くなりましたね。

 企業側のしかけもあるでしょうが、よく紹介されているのは通販のニッセンの大きいサイズの直営店「スマイルランド」。

 もともと大きめサイズのセレクトショップ通販で人気だったラインが、直営店を渋谷 PARCO PART3に出店したことが引き金になって、マスコミもこぞって取り上げているようです。 

 スマイルランド渋谷店ウェブサイト

 個人的には、同マーケットを狙った、AS KNOW AS(アズノウアズ) のolaca(オオラカ)がうまいところ突いているなと思いながら、お店の近くに行くと、ちらっと覗かせていただくことがあります。

 olaca(オオラカ)は、パッと見、大きめサイズのお店には見えず、ぽっちゃりの店員さんも、そうでない店員さんも上手にゆったりサイズを着こなして店頭に立たれ、明るく接客されている姿がよく見受けられますね。

 AS KNOW AS olaca(オオラカ)ウェブサイト

 繊研新聞の連載の4回目(8月6日)になりますが、興味深い、そしてちょっと考えさせられる、いくつかのショップやブランドのコメントがありましたので、少しご紹介させていただきます。

 (以下引用)

 「意識の変化や可愛らしい商品が増えたことで、レギュラーサイズとの境目がなくなっている」

 「市場で細身のシルエットやフィットしたものが増え、今まで9号が着れたのに、入らない人も出てきている」

 「レギュラー店で買い物はするが、『ジャケットの袖丈が合わない』『ボトムがやや窮屈』などで単品を買いに来るお客も増え、昔ほどイレギュラーサイズへの抵抗がなくなっている。」

 「ゆったりとした着こなしを好むレギュラー客が購買するケースもあり、13号の商品に厚みを持たせている」

 (以上引用)

 記事によれば、マーケットの変化、多様化する需要に応えながら、なるほど、レギュラーサイズを扱う他店の失策?もあり、ぼちゃカワマーケットには、ビジネスチャンスが広がっているようですね。

 これらの記事を読んでいて、業界のサイズ問題は、永遠の課題であり、ビジネスチャンスでもあるとあらためて感じた次第です。

 ブランドが、いままでばらつきのあったサイズを統一したり、思い切って客層を一新する目的で、着ることができなくなる客層が出てくるのはブランド戦略上いたしかたないと思いますが・・・

 マスターサイズ(想定顧客)がはっきりしない中で、細身がトレンドだから、デザイナーやバイヤーが変わったから、一部の声の大きいスタッフの「大きい、小さい」の意見に左右され、作り手の都合で、サイズ感を変えてしますケース

 レディース、メンズにかかわらず、業界内では結構あるようです。それによって、毎シーズン、楽しみに買いに来られる根強いファンが着ることができなくなって、売上を落としている場合は非常に残念に思います。

 一方で、日本のファッションマーケットで、ZARA、H&Mのような外資SPAが伸びている理由のひとつには、多くの方が着ることができるサイズの充実もあると思います。

 お店に行けば・・・体格のいい方やぽっちゃりさんがおしゃれをするには、品ぞろえあるいは高い価格を我慢しなかればならないものだ、という呪縛?から解放された女性の方々が、思い切りショッピングを楽しんでいらっしゃいます。

 そう、彼らが伸びている理由は値段がこなれているだけじゃなくて、これまで日本の多くのアパレルが企業の都合で我慢させていた、もっと自由にファッションを楽しみたいという幅広い潜在需要に応えている、ということなんですよね。

 ファッションのすそ野が広がれば、ファッションマーケットは活性化する。

 ジュニアマーケットが大人並みにおしゃれになって、プチサイズの女性の方の需要に応えているとか、ぽちゃカワマーケットがコンサバからおしゃれになって、サイズが小さくなるブランドが取りこぼす客層を救済しているとか

 本来であれば、レギュラーマーケットがやらなければならないことをカバーすることによって、いろいろなチャレンジも出来るようになっているようです。

 ぽちゃカワマーケットのビジネスチャンス、今後もちょっと気に留めて見ていたいと思います。 

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August 02, 2012

今夏のセール議論とシーズンの見直し

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 8月2日の日経新聞に「夏のバーゲン空振り」の記事。

 百貨店4社の7月の売上高前年比を記事から引用させていただきますが・・・
 (△はマイナス)

          前年同月比  セール対応
 三越伊勢丹  △2.6%    13日に後ろ倒し
 大丸松坂屋  △0.6%    例年通り1日~
 高島屋     △3.1%    13日から本格化
 そごう西武   △3.1%    例年通り1日~
 阪急阪神    △5.1%    例年通り1日~

 時期が分散、1日からスタートしたところもオンワード、三陽のような大手アパレルが足並みをそろえなかったため、バーゲン時は、買い周りをしたい、という顧客心理を冷ませてしまい、全体的に盛り上がらなかったというのが敗因と記事はまとめています。

 足並みがそろわず、本当に顧客が惑わされたのか?それともそもそも魅力的な商品が百貨店にないのか?

 実際のところ、どうなんでしょうね。いずれにしても顧客不在の議論だったような。

 例年通りバーゲンを行っている駅ビル、アウトレット、その他成長業態はセールの売上自体は前年に比べて悪くはない、と聞きますから。

 一方、同日の繊研新聞一面、アパレルメーカー大手の三陽商会杉浦社長は、売上高は6~7%減もプロパー(正価品)伸び、利益が改善し、一定の成果があったとコメントされています。

 単純に計算しても、夏のセールを後ろ倒しして、正価販売時期を長くすると、その期間の売上高が前年のセール時期に対して、プロパーで30%減くらいまでの減収であれば

 百貨店側はそのまま減収減益
 アパレルは減収も利益横ばい(値下げ分の粗利はアパレル側が負担しますので)

 になるはずなので、期間損益だけを見れば、アパレルにとっては悪くない、ということになるのでしょう。もっとも、その間消化すべきだった在庫をセール期間が短くなる中、その後、どうさばくかという問題は残りますが・・・

 業界にとっては、「セールの時期」が関心事かもしれませんが、むしろ、気温の変化が昔と違って来ているのに、シーズンの概念(および消化時期)をこれからも変えずに、ずっと引きずっていてよいのかということの方が議論すべきテーマでしょう。

 三陽商会の杉浦社長は繊研の記事の中で、

 「セール時期を後ろにずらしたのは、百貨店の動きに同調しただけでなく、『シーズンとMD(マーチャンダイジング)のずれを是正するのが最大の目的』」とおっしゃっていますが、

 この点には賛同。

 しかし、その後のコメントが月の平均気温とか、何月にコートが売れるとか、今でも?月次で語っていることに違和感を感じます。

 業務上、シーズン初めによく行う分析のひとつですが、

 ここ数年の過去の気温の推移を週次(さらに平日土日にわけて)で振り返ってみると、業界の昔ながらの春夏秋冬の4つのシーズンの常識からすると、確実にずれているのがわかります。

 気温の変化=お客さんが体感的にスタイリングを変えたいと思うタイミングは、

 決して、月初に訪れておらず、週次で見ると、すべて、月中にあるのがわかりますから。

 そうすると、月で考えていると対応しきれないです。(大ざっぱな「平均」になります)

 それから、客層によって多少の違いはあると思いますが、4つのシーズンが、7つのシーズンと2つの端境期=やりきろうと思えば9つのシーズンになっているのも見えてくるはずです。

 月次と週次の業務サイクルの違い。

 小売業、特にSPAなら常識的な話かもしれませんが、メーカー系SPAが壁を乗り越えられない1つの要因は、そのあたりにもあるのかもしれません。

 見直しをされる時に是非、ご参考にしていただければ。

 関連エントリー-三越伊勢丹、ルミネが夏のセール開始を2週間遅く

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