今夏のセール議論とシーズンの見直し
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8月2日の日経新聞に「夏のバーゲン空振り」の記事。
百貨店4社の7月の売上高前年比を記事から引用させていただきますが・・・
(△はマイナス)
前年同月比 セール対応
三越伊勢丹 △2.6% 13日に後ろ倒し
大丸松坂屋 △0.6% 例年通り1日~
高島屋 △3.1% 13日から本格化
そごう西武 △3.1% 例年通り1日~
阪急阪神 △5.1% 例年通り1日~
時期が分散、1日からスタートしたところもオンワード、三陽のような大手アパレルが足並みをそろえなかったため、バーゲン時は、買い周りをしたい、という顧客心理を冷ませてしまい、全体的に盛り上がらなかったというのが敗因と記事はまとめています。
足並みがそろわず、本当に顧客が惑わされたのか?それともそもそも魅力的な商品が百貨店にないのか?
実際のところ、どうなんでしょうね。いずれにしても顧客不在の議論だったような。
例年通りバーゲンを行っている駅ビル、アウトレット、その他成長業態はセールの売上自体は前年に比べて悪くはない、と聞きますから。
一方、同日の繊研新聞一面、アパレルメーカー大手の三陽商会杉浦社長は、売上高は6~7%減もプロパー(正価品)伸び、利益が改善し、一定の成果があったとコメントされています。
単純に計算しても、夏のセールを後ろ倒しして、正価販売時期を長くすると、その期間の売上高が前年のセール時期に対して、プロパーで30%減くらいまでの減収であれば
百貨店側はそのまま減収減益
アパレルは減収も利益横ばい(値下げ分の粗利はアパレル側が負担しますので)
になるはずなので、期間損益だけを見れば、アパレルにとっては悪くない、ということになるのでしょう。もっとも、その間消化すべきだった在庫をセール期間が短くなる中、その後、どうさばくかという問題は残りますが・・・
業界にとっては、「セールの時期」が関心事かもしれませんが、むしろ、気温の変化が昔と違って来ているのに、シーズンの概念(および消化時期)をこれからも変えずに、ずっと引きずっていてよいのかということの方が議論すべきテーマでしょう。
三陽商会の杉浦社長は繊研の記事の中で、
「セール時期を後ろにずらしたのは、百貨店の動きに同調しただけでなく、『シーズンとMD(マーチャンダイジング)のずれを是正するのが最大の目的』」とおっしゃっていますが、
この点には賛同。
しかし、その後のコメントが月の平均気温とか、何月にコートが売れるとか、今でも?月次で語っていることに違和感を感じます。
業務上、シーズン初めによく行う分析のひとつですが、
ここ数年の過去の気温の推移を週次(さらに平日土日にわけて)で振り返ってみると、業界の昔ながらの春夏秋冬の4つのシーズンの常識からすると、確実にずれているのがわかります。
気温の変化=お客さんが体感的にスタイリングを変えたいと思うタイミングは、
決して、月初に訪れておらず、週次で見ると、すべて、月中にあるのがわかりますから。
そうすると、月で考えていると対応しきれないです。(大ざっぱな「平均」になります)
それから、客層によって多少の違いはあると思いますが、4つのシーズンが、7つのシーズンと2つの端境期=やりきろうと思えば9つのシーズンになっているのも見えてくるはずです。
月次と週次の業務サイクルの違い。
小売業、特にSPAなら常識的な話かもしれませんが、メーカー系SPAが壁を乗り越えられない1つの要因は、そのあたりにもあるのかもしれません。
見直しをされる時に是非、ご参考にしていただければ。
関連エントリー-三越伊勢丹、ルミネが夏のセール開始を2週間遅く
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Comments
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