ヨーロッパファッションストア見聞録~その2 パリ② ユニクロのパリでの競合ストアはC&AとMONOPRIX(モノプリ)?
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ユニクロはパリ(フランス)に2店舗あります。
1号店(2007年12月開業)はパリ近郊のラ・デファンス地区にあるショッピングモール、ル・キャトル・タン内の売場面積60坪の同社にとっては小型店。
2号店(2009年10月開業のグローバル旗艦店)はオペラ地区、ギャラリー・ラファイエット・インテリア館の裏手、650坪の大型店になります。
店舗そのものは、はっきり言って、いまひとつ目立たない店構えですね。
ユニクロ側からはギャラリーラファイエットをグローバルSPAが取り囲む世界の「激戦地」オスマン通りがよく見えますが・・・逆にその激戦地側からはユニクロの店舗が見えづらいという立地です。(これ、何かを象徴しているような・・・)
間口が狭く、入るといきなり小階段という、お客さんが好まない店の構造でお出迎え。これは物件の構造上の話でどうにもならなかったのでしょうが、それをどういかすかさぞかしご苦労されたのでしょうね。
オープン当初、ものすごく売れたと報道されていましたが、私は今回同じ日に昼過ぎと夕方2回覗きましたが、観光客で賑わうオスマン通りの激戦区(百貨店、H&M、ZARA、MANGOなど)と比べると、かなりスローな感じで、よく売れているという印象は持てませんでした。
品ぞろえはほとんど日本と同じ、価格は€19.95(ユーロ)がプライスポイントでしょうか?ユーロはだいたい100円くらいですから、ちょうど1990円。
中には日本では通常1990円の商品が€29.95になっているものもありましたが・・・日本とだいたい同じ価格と言ってよさそうです。
スタッフの方によれば、サイズは少し大きめ、試着したところ、ユニクロであれば、通常LかXLを着る私にちょうどよいのはMでした。(シャツとニットを購入させていただきました)
サイズ展開はS~XLの4サイズが標準?一方、パリで視察をしたチェーンストアのサイズの常識は6-8サイズくらいでした。
多くのファッションチェーンはサイズが豊富で、ベーシックからトレンドファッションまで価格も安い、おおよそ€19.95で揃うパリで、ユニクロの優位性を見出すことがちょっと難しかったです。
実用衣料とベーシックカジュアルで言えば、私が認識した範囲で申し上げますと、パリでは
C&A(シーアンドエー)とMONOPRIX(モノプリ)が競合になるのではないでしょうか。
C&Aは、ブログで何回がご紹介しましたが、ドイツとベルギーを拠点に、ヨーロッパに1500店舗以上を持つヨーロッパ大陸のGAP的な存在。ヨーロッパ以外には、中国とブラジルに力を入れています。
※おっと、最近では、シンディ・クロフォードとのコラボやってますね~
非公開企業のため現段階での正確な売上高はわかりませんが、世界アパレル専門店売上高ランキングで言えば、6位くらいには入るアパレルSPA企業です。
参考エントリー-世界アパレル専門店売上TOP10ランキング2011
〇衣料百貨店かと思うほどの大型店(1000坪、2000坪クラス)を構え
〇老若男女のターゲット別にカテゴリー(ラベル)をわけてゾーン別にマーチャンダイジングを組み
〇プライスポイント€19(半そでなら€15)で販売しています。
実用衣料からカジュアルまで安価で済ませたい人、節約志向のファミリーにとっては、ワンストップ(一か所ですべて揃う)ショッピングができ、使い勝手がよいメガストアです。
要はユニクロより早くからマーケットに浸透し、超大型店で出店、価格も安いという存在です。(フランスでは現在133店舗展開)
もうひとつは、パリの街中で石を投げれば当たる、と言ってもいいほど、たくさん見受けられる、少し感度のよいスーパーマーケットMonoprix(モノプリ)でしょうか?
位置づけは生鮮食品を扱うスーパーマーケットなのですが、店舗立地に併せて、衣料、化粧品などPBのファッション関連商品を打ち出しています。私が見た中心部の店は衣料品を前面に出し、シャンゼリゼ通りの店などは化粧品が入り口入ってすぐにありました。
衣料品は、見たところ無印良品とA.P.C(アーペーセー)を足して2で割ったような感覚。素材の質感がよく、ベーシックデザインでも着る人をきれいに見せる、フィットシルエット(細みという意味ではない)なんですよね。
服は€29.95あたりがプライスポイントでしょうか?ユニクロの価格に比べると少~し高めという印象です。
Monoprix(モノプリ)は、「身近」で、こなれた値段で感覚がよい実用衣料ということで・・・現地の方々の話によれば、フランスのある意味、実用衣料、ベーシックカジュアルのスタンダードのひとつになっているようです。
C&A、Monoprix以外にフランスで既に173店舗出店しているH&Mのbasic(ベーシック)ラインも競合として挙げておきましょう。
このように日本におけるユニクロの役割を果たしている企業は欧米各国にはすでに何社もしっかりと根をおろしているわけで、
そして、そういった存在の企業は、顧客の立場で言えば、私たちが日本にユニクロのような企業が何社も必要ないように・・・成熟マーケットであるフランスの生活者にとっても、いくつも要るわけではありません。
そんなマーケットで、先行有力企業の存在にリプレイス(置き換わる)するのは、かなり至難の業と言わざるをえないでしょう。
2007年にパリ進出以来5年が経過し、現在パリに2店舗を展開するユニクロは、今後フランス市場でどんな方向で展開をするのでしょうかね~。
日本の代表選手として、応援したいところではありますが・・・現状を見る限り、柳井会長の執念、求心力、限られた戦力を分散させるのではなく、アジアに集中投資をされた方がよいのではないかと思いますが、それでも、やはりグローバル企業を名乗る以上、フランス、パリには店舗が必要だということなのでしょうか?
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