しまむらがスタイリング提案を強化するために仕入れ組織を服種別からカテゴリー別へ変更
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9月3日の繊研新聞によれば、しまむらは今期下期(8月21日~)から店頭でのコーディネート提案の精度を上げるため仕入れ組織を服種別からカテゴリー別に改めるとのこと。
これまで同社では同じ客層(カテゴリー)に対して、例えばトップスとボトムスのバイヤーは別々に仕入れをし、売り場で単品陳列・販売をしていたものを、これからは同じバイヤーが特定の客層のスタイリングを想定して仕入れ、コーディネート提案型の売り場づくりを目指すというものです。
記事によれば、まずは比較的容易なメンズから始め、レディースも13年3月には組織変更する模様。
トレンドを強めて来たしまむらが、いよいよカテゴリー別仕入組織に踏み切りますか。
これ、かなり画期的なこと、そして大英断だと思います。
日本のほとんどの大手チェーン店が服種別仕入れをするのは、メーカー仕入れや売り場づくりのわかりやすさ、またアメリカのチェーン店の影響を受けていると言ってもよいかもしれません。
(坪数が小さいブランドショップや小規模なお店がひとりで兼務して仕入れている場合はもちろんありますが)
多くの日本のファッションチェーンがウインドーや店頭VMDを組んで、マネキンにどんな素敵なコーディネート作ったところで、仕入れ、店内の商品陳列は従来のままなので、あくまでも単品販売なんですよね。
これに対して、ヨーロッパ勢はスタイリング提案=必然的にカテゴリー別仕入れが大多数です。
服種別売場は言ってしまえば、ものづくり、仕入れ、企業、サプライサイドの都合。ニット、カット、布帛でバイイング組織が分けれている場合も同様です。
カテゴリー別スタイリング提案は顧客をイメージし、売り場の見え方を想定していわゆる「トータルで」仕入れますので、より顧客目線になります。
当然、前者より後者の方が難易度も高いですが、
よりファッション性をアピール出来、お客さんが着用シーンがイメージしやすくなるので、意志決定のスピードが速くなり、セット販売が増える可能性は高いです。
実際やってみるとわかりますが、単品仕入れよりも無駄な色を仕入れなくなるので、色の偏った売れ残りも少なくなります。
スタイリング提案売り場で一番わかりやすいのはZARA(ザラ)でしょうかね、あとH&Mも。
アメリカ勢ですがフォーエバー21も最もシンプルな手法でスタイリング仕入れをしているのが売り場から見てとれます。
日本の場合、従来は、小型のレディースショップはスタイリング売場、メンズは服種別売場、ブランドショップはスタイリング売場、チェーン店は服種別売場ってのが普通だったかもしれません。
ですから、古くからやってるメンズバイヤーさんには服種別の方がお客さんが商品を見つけやすい、比較しやすくていいんだ、と言われそうですが(笑)、
しかしながら、ヨーロッパからザラ、H&Mのようなファッションチェーンが日本に上陸し、日本の生活者のファッション消費のスタイルが、彼らに刷り込まれ、変わりつつある今、しまむらの仕入方式の180度転換(それくらい違うことです)は、国内のみならずグローバル展開も視野にいれた決断と言えそうです。
もっとも、しまむらグループのAvail(アベイル)は店頭から察するに、昔からカテゴリー別(客層テイスト別)仕入をされていたと思いますので・・・アベイルで蓄積されたノウハウを裏付けに勝算あっての改組かも知れませんね。
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