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October 20, 2012

ユニクロのMADE FOR ALLって

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 10月5日にユニクロがサンフランシスコのパウエルストリートに800坪規模の大型店をオープンし、国内外のメディアに取り上げられていました。

 柳井会長がお手本にした第一世代SPAの先輩、GAPの本拠地での初出店、感慨深いものがあったことでしょう。

 2006年初進出以来、アメリカ合衆国では5店舗目、報道によれば、アメリカ事業の赤字幅は縮小しつつあり、これからアメリカでは年間20-30店舗を出店する計画だそうです。

 日本代表として頑張っていただきたいという気持ちは誰もが同じだと思いますが・・・

 独壇場の日本や先行集団にいるアジアとは勝手が違う、欧米の成熟マーケットでのビジネス、マーケティングという観点では不安は否めません。

 表題のMADE FOR ALLというユニクロのグローバルキャッチフレーズ、我々が耳にすると、とてもシンプルで素敵な英語に聞こえます。 私自身も実際そう思います。

 しかしながら、ネイティブの方々に聞くと、ファッションとして考えると何を狙っているのかよくわからないというコメントが返って来ることが少なくありません。

 老若男女、誰もが着ることができる服って?何でしょう。ユニクロが目指すところをあらためて考えさせられます。

 ヨーロッパのグローバルなファッションチェーンを見ていて気付くのは、幅広い客層を狙った大型業態の実態は、

 明確にセグメントされた客層別カテゴリーの集合体であることです。

 要は、H&Mにしても、ZARAにしても、実用衣料+ファッションのC&Aですら、それらは屋号(=店名)であって・・・

 店内に複数の客層別カテゴリーがあり、カテゴリー別にラベル(衿ネーム)が違い、売場も明確に分かれ、当然のことながらそれぞれの売場に並んでいる商品も別ものです。

 日本やアメリカにもメンズ、レディース、キッズのような大くくりな「カテゴリー」はあります。

 しかしヨーロッパのグローバルチェーンでは、それぞれを年代別、テイスト別、生活シーン別に細分化し、それぞれに合ったデザインが施され、売場分けされているのがごく当たり前のように見受けられるのです。

 若い人と年配の人のファッションの好みや体系が違うのはあたりまえでしょう。

 そこに生活シーン、たとえばフォーマル、職場、友達との会合、家の周りでの生活、家の中、それぞれで着るものを使い分けるはずです。

 そんなことを考えていると、MADE FOR ALLは 「買う人の自由」というのは少々詭弁であって、シルエットを問わない、肌着か部屋着にしかありえないのではないか?と思えて来ます。

 せめて別ラベルか何かを作って、シルエット対応をすれば、無地のニットやジーンズ、カジュアルパンツはありなのかな?と思いますが・・・そうしたら品番数も増えるし、生産ロットも小さくなっちゃいますかね~

 これは言うまでもなく、サイズを増やしゃいいって話ではありませんし、大は小を兼ねるって話でもありません。

 日本でもユニクロが品番の絞り込みのためにスリムフィットアイテムをカットした途端に一気にファッションから遠ざかったような気がしてなりません。

 また、カラーを増やせばよいってものではない、ヨーロッパではベーシックカラーとシーズンのトレンドカラーだけに絞り込み、むしろ客層別シルエットとサイズの豊富さにこだわっているように思います。

 だってターゲットが誰かどうかは別にして、ファッションはファッションなんですから・・・それを目的に買う以上、人前では自分なりに素敵でいたいと思いませんか?

 このあたりがユニクロの欧米成熟マーケットでのブレイクスルーのみならず、今後の日本での更なる拡大のキーになりそうな気がしますがいかがでしょうか?それともいっそのこと肌着に徹しますか?

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October 18, 2012

日本のトレンドファッションの価格はまだ高い?

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 忙しさにかまけてブログ更新が滞っております・・・(汗)

 さて、国内業界にめぼしいニュースが少ない中、先だってのヨーロッパファッションストアウォッチでの気づきを業界のいろいろな方々とお話ししています。

 2週間くらい前になりますが、10月3日の日経MJの一面、「消費増税、どうなる取引」で日本で消費税が5%から10%に上がるに当たってのアパレルチェーンの価格設定に関する私のコメントが取り上げられました。

 結論を先に言うと、消費税が10%に上がろうが、こなれた値段のカジュアルウェア、ベーシックのみならずトレンドカジュアルファッションも価格のスタンダードは

 税込1900-1999円になるのではないかという話です。

 8月にヨーロッパのチェーン店の価格を見てあらためて思ったのですが、「9価格」すなわち

 19.99ユーロ、19.99ポンド、1990円、199元(今年1月の上海でよく見た価格)・・・

 末尾を9で抑えて、大台に乗せず、買い手に値ごろを感じさせる価格設定というのは世界共通、グローバルスタンダードなんだなということです。

 しかも、ヨーロッパ圏(中国も)は17%-20%という消費税(付加価値税)内税価格で、

 いわゆる「19(イチキュー)価格」というのが路面店でもショッピングセンターでも圧倒的に目立つんですよね。

 一連のヨーロッパファッションストア見聞録でご紹介した各地の価格調査に目を通していただければわかりますが、H&MやZARAグループのようなファストファッション系グローバルチェーンがローカルチェーンにそうするようにプレッシャーをかけてそうなったような感じすらします。

 パリーファッションチェーンウォッチをするならリヴォリ通り
 バルセロナーファストファッションを買うならスペインが最もお得?
 ロンドンーナショナルチェーンに価格で詰め寄るグローバルチェーン

 日本で「19(イチキュー)」と言えばユニクロがプライスリーダーとなって、実用カジュアルウエアの価格のスタンダードにしたようなところがありますが・・・

 これから更にグローバルチェーンが日本で拡大するにあたって、トレンドカジュアルについてもヨーロッパと同じような現象が起こることが予想され、日本企業は遅かれ早かれそれに対して準備をしなければならないと危機感を持っております。

 欧米ブランドから見たら・・・高めの価格が通って、「儲けさせてくれる国」=日本で・・・

 その引き金を引くのはH&Mあたりのグローバル企業でしょうか?あるいは都心に拡大するしまむらがその役目を果たすのでしょうか?

 もちろん、そんな価格競争に巻き込まれないように・・・マーケットがそうなることを想定しつつ、自分たちがどう棲み分けるか・・・その立ち位置を明確にし、行動することが第一でしょう。

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October 08, 2012

ヨーロッパファッションストア見聞録~その14 パリ~バルセロナ~ロンドン まとめ

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 8月後半の視察後、見聞録を投稿し始め、まとめに至るまでずいぶん時間がかかってしまいましたが・・・気長にお付き合い頂き、ありがとうございました。

 最後にパリ、バルセロナ、ロンドンと駆け足で周って感じたことのまとめをしておきたいと思います。

 ヨーロッパの各都市で起こっていることが東京始め日本の政令指定都市(アジアの主要都市も)の近未来予想図であると考えると、近い将来、次のようなことが起こるのではないかと・・・

1)日本の政令指定都市の中心部にZARAとH&Mが複数店舗出店。百貨店とも共存。

 すでにZARAは新宿、渋谷、銀座に2店舗づつ持っています。
 まだまだ出店するでしょう。
 
2)政令指定都市に限らず、ZARAとH&Mが日本で店舗網を拡大。

 消費税が10%に上がり、日本のファッション企業が価格設定に迷った時が彼らの狙い目となるのではないでしょうか?

 中国の成長も減速しているようですし、一段落ついたら、やはり良質マーケットである日本を彼らがあらためて本格的に攻略することは想像に難くありません。

3)都心部にバリューを売りにするファッションディスカウンターの店舗が拡大

 「ファストファッション革新」後のトレンドファッションディスカウンターの登場です。
 
 ディスカウンターとは、安かろう悪かろう、単に価格が安いのではなく、

 ローコストオペレーションによって高い原価率のクオリティで生活者にバリューを提供することが使命であり条件になります。

 本命はやはり「しまむら」でしょうか?

Imag04944)H&MのCOS(コス)、ZARAグループのUTERQUE(ウテルケ)のような上質素材を使ったファストファッション業態の台頭

 ファストファッションでトレンドファッションが手軽に変えるようになった後、飽き足らないファッショニスタがもう少し素材の良い、こなれた価格のトレンドファッションが欲しいと感じる需要が生まれるのではないか。

 H&M、ZARA両社の新業態はそれを狙ったものと理解します。
   (画像はウェストフィールドロンドンのCOS)

 実は、COSを見た時、ジルサンダーがZARAのような業態をやったらこうなる?というお店のように感じました。
   

Imag0372 そんなことを考えているとユニクロの+Jの取り組みはユニクロにとってもマーケット的にも時期尚早だっただけで、いい線ついていたのではなかったかとあらためて思えてきました。

  (画像はバルセロナ プルタル・デ・ランジェル通りのUTERQUE)

  COS(Collection of Style)ウェブサイト
  UTERQUE ウェブサイト

 以上は私の妄想となるのか?現実となるのか?是非ご一緒にこれからの日本のマーケットの変化を見守って行ければと思います。

 以上でヨーロッパファッションストア見聞録を終わります。

 私事、国内業務が多いため、なかなか欧米には行けませんが、また機会があれば数年後に同様のルートでその後の変化も含めて見て回ることができればとても幸いに思います。

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October 07, 2012

ヨーロッパファッションストア見聞録~その13 ロンドン⑥ナショナルチェーンに価格で詰め寄るグローバルチェーン

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 ロンドンのリサーリの締めくくりにファッションチェーンの価格をまとめておきます。

 レディースシャツブラウス・ベーシックボトムスのプライスポイント、イギリスの消費税、付加価値税20%内税になります。
        
プライス    イギリス系チェーン         グローバルチェーン
ポイント
£35-39   TOPSHOP(36)           ZARA WOMAN(39.99)
                             ESPRIT(39)

£30-35                       GAP(34.95)

£25-29   NEXT(26)              ZARA BASIC(29.99)
        DOROCY PARKINS(25)      MANGO(29.99)
        MISS SELFRIDGE(26)
        REPUBLIC/RIVER ISLAND(25)  ZARA TRF(25.99)

£19.50-99 M&S(19.50)             H&M WOMAN/ H&M LOGG(19.99)
                             BERSHKA/PULL&BEAR(19.99)
                             UNIQLO(19.90)

£14-19                         F21(16.75)
        NEW LOOK(14.99)         H&M DIVIDED(14.99)
 
£10                         PRIMARK(10)


 ・NEXTを始め、イギリス系のファッションチェーンが£25-26あたりに集中していて、
 ・それよりワンランク上のTOPSHOP
 ・ワンランク下の大衆価格のM&S
 ・それを下回るヤングティーンズ向けのNEW LOOK

 の4階層があります。

 これらに対して、グローバルチェーンがそれぞれの価格帯で「9」の付く価格でしっかりマークしていて・・・極めつけは£10のプライマークというところでしょうか。 

 このプライマークの£10という価格は・・・今回はリサーチできませんでしたが、イギリスのアパレルマーケットの中でM&S(マークスアンドスペンサー)と並んでシェアの高い、郊外スーパーASDA(アズダ)のPBであるGEORGE(ジョージ)の£12をも下回ります。(ASDAはウォルマートグループなので、このジョージは日本の西友にも並んでいます)

 UKナショナルチェーンの各階層に対して、ZARAグループとH&Mがブランドあるいはラベル別にぴったりとマーク、そしてその両社の棲み分けもよく出来てますね。

 逆に、競争の激しいイギリスマーケットで価格優位性を感じられないGAPとユニクロにも中途半端な共通点があるように思えてしまいます。

 ZARAとH&Mの両社、これまでの見聞録を読んでいただいた通り、それぞれ日本ではまだ値下げ余力を持っていると思われますので、いずれは日本でも同様にナショナルチェーンの切り崩しにかかってくるのでしょうか?

 中国ではすでに両社はプライスリーダーになりつつあり、ローカルチェーンや先行進出組に揺さぶりをかけているようですから・・・

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October 06, 2012

ヨーロッパファッションストア見聞録 12 ロンドン⑤ヨーロッパ最大の都市型SCウェストフィールド・ストラトフォードシティ

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 今年のロンドンオリンピック開催の盛り上がりも当てにして2011年に出来たばかりのウェストフィールド・ストラットフォードシティに行きました。
 
Imag0645 ヨーロッパ最大の都市型SCだそうです。

 2000年代の最初のころまでは、ロンドンでSCというと、40分くらい列車に揺られ、ブルーウォーターSCまで行かねばなりませんでしたが・・・

 このウェストフィールド・ストラットフォードシティにしても、同ロンドンにしてもロンドン中心から地下鉄やバスで15分程度で行けるSCが出来たのは非常に便利です。

 核テナントが
 百貨店-JOHN LEWIS(ジョンルイス)とM&S(マークス&スペンサー)
 専門店-フォーエバー21、プライマーク、H&M

 あたりなので、以前ご紹介したウェストフィールド・ロンドンに比べ、だいぶ大衆的なSCです。

 映画、カジノ、レストランが充実してホテル、オフィスが併設されているので集客はそこそこ見込める

 それにしてもオックスフォードストリートに出店するほとんどのファッションチェーンのメガストアばかりをよくここまで集積したな~というショッピングセンター、さすがウェストフィールドというところでしょうか。

Imag0660 イギリス本拠やヨーロッパの名だたるファッションチェーンを押さえ、何故イギリス進出間もないフォーエバー21がこんな一番いいところにしかも計1900坪の店舗を構えているのかが不思議で、いろいろウェブ検索してオープン当時のニュース記事などを読んでみましたが・・・

 どうやら、オリンピック特需が期待されるとは言え、オープン時は景気が悪い経済下で・・・多くのチェーン店が消極的、区画が埋まらず、だいぶ苦労をされていたようですね。

 そんな中、ヨーロッパ進出の足掛かりとして、「賭け」に出たのがフォーエバー21?というところでしょうか?

 このショッピングセンター、集客はものすごいですが、アミューズメントとフードコートが混んでいて、買い物はあまりしていないように感じました。

 ショップバッグはディスカウンターであるプライマークが圧倒的に多く、次にH&M、少し差がありますが、ZARAという感じで、フォーエバー21のショップバッグは価格が安い割にはそれほど見かけませんでした。1900坪の店内も間延びがしていて、だいぶ無理しているのを感じます。

 フォーエバー21もバーミンガムのUK1号店を1年半で一部サブリースせざるを得なくなったというニュースもありますので、投資に関わらず、結構苦戦しているかもしれません。

 ヤングマーケットでもライバルのNEW LOOKやH&Mあたりが6-7サイズ展開ぐらいを基本にしているイギリス市場で、US3-4サイズだけの展開には客層が絞り込まれ、無理があるのでしょうか。

Imag0653 ここまで2つのショッピングセンターやストリート(オックスフォードストリート、コベントガーデンなど)を見て来た印象ですが、ロンドンではH&Mがあらゆる立地で圧勝、という印象を受けました。

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October 05, 2012

ヨーロッパファッションストア見聞録 11 ロンドン④TOPSHOPロンドン旗艦店は世界最大のトレンドファッション発信基地

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 ロンドンのファッションストアリサーチで絶対に外してはならない場所は言うまでもなく、

Imag0596 オックスフォードサーカスのTOPSHOP(トップショップ)旗艦店でしょう。

 地上3階、地下2階、計2400坪は世界最大のファッションメガストアとして知られ、ロンドンのストリートファッショントレンドの発信基地として世界の業界関係者が認めるところでしょう。

 売上高は、何年か前に年商200億円くらいと言われていましたが・・・

 当時と比べて円高ポンド安になったとは言え、毎日30,000人が来店すると言われるこのメガストア、レジ台数60台の並び状況、単価からざっと簡易計算して今でも円換算で年商150億円くらいはキープしているのではないかと推測されます。

 入店するのは実に9年ぶりですが・・・巨大スクリーンに大音量で流れるUKヒットチャートのPV、そしてエレベーターで地下へそして上層階へ次々と吸い込まれて行くお客さんの流れが目に入ると、いきなりテンションがあがる、ワクワクするこの感覚は昔と変わらないですね(笑)

 階層別の構成はざっと以下の通りです。

 地上階   旬の服飾雑貨、アクセサリー、コスメ、
        女の子の大好きなスウィーツコーナー

 地下1階  ウィメンズ トレンド服コーディネート と 
        デニム、ニットなど単品集積売り場を分けて提案
        この階にイレギュラーサイズ(TALLやPETITE)やマタニティまであります。

 地下2階  ウィメンズ シューズ、新興ブランドのセレクトコーナー、
         カフェ、ヘア&ネイルサロン

 地上+1階 メンズ アイテム別コーナーと古着コーナー
 
 地上+2階 メンズ スタイリング提案コーナー、スーツコーナー
         ベンシャーマン、ピータージェイムスなどのNBコーナー
         靴のセレクトショップOFFICEを導入

 お店が広いってことはいろいろなことができるんだな~というのはこの店から学ぶことです。

 そのあたりをこれでもかと見せつけてくれますね。

 相変わらずすごいなと思うのは、1階に一切、服(アパレル)を置いていないところでしょうか。旬の服飾雑貨とアクセサリーでロンドンのファッショントレンドを表現しているところです。
  
 訪店時、目だったファッション雑貨は・・・スタッズと金具の装飾のついたバッグ、柄タイツのバリエーション、フェルト素材の帽子、レトロ調プリント大判ストールあたり。

 旬の雑貨のキーワードを大量集積で見せるところはさすが。これぞ情報発信ですよね。

 そしてこの店らしいなと思うのは、ファッションストアなのに、店内ど真ん中にスウィーツコーナーがあるところでしょうか。

 10年前からある、ご存じジェリーベリー(カラフルなタブレット型のグミ)のコーナーは健在、それに加えて、カップケーキのLOLA'Sを導入していました。こちらもショーケースを見ているだけで楽しくなります。

 LOLA's Cupcake

 日本のトップショップはフランチャイズでかつ売り場も狭いので、服中心、しかも差別化のためか、尖った部分にフォーカスされるのは致し方ないかなと思いますが・・・何か服ばっかりでロンドンのトップショップらしくないなと思うのは、そのあたりが理由なのかもしれません。

 いずれ大型店を出店されるようなことがあれば、是非、この 「ファッション雑貨でトレンドをアピール」 方式で他社と差別化をしてほしいですね。

 雑貨のことばかり書きましたが、アパレルの話をひとつ。
 
 地下2階にある新興ブランドコーナー、これもトップショップ・ロンドンの特徴のひとつでしょうね。 

 ロンドンファッションウィークのスポンサーもするなど、新興ブランドのインキュベーターとしての役割も果たしている同社。

 これら新興ブランドの単価はオリジナルに比べてそこそこ高いので、それほど売れないかも知れませんが、一歩先の新興ブランドと自社のお客さんの出会いの場を作っているところは立派です。

 ロンドンファッションストアの横綱だからこそ、こういう試みも大事。ぜひ続けていただきたいですね。

 ロンドンのファッションマーケットを見渡すと、トップショップのプライスポイントが£36-39(日本円換算約4900円)あたりであるのに対して、競合のNEW LOOK、H&M DIVIDED、Bershka、Forever21あたりのファストファッションチェーンが半額の£19あるいはそれ以下(日本円で1990-2490円)で同様のトレンドファッションを販売しているのがわかります。

 かつての独壇場だったトップショップも、マーケットに競合もだいぶ増えましたが・・・

 ロンドンのハイストリートファッションの代表として今後も半歩先を走り続け、ファンを魅了しつづけていただきたいと思います。 次回の訪問楽しみにしています。

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