百貨店が取り組む自主企画衣料、国内委託工場をどう活かしますか?
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12月26日の日経新聞にそごう・西武百貨店が自主企画衣料を強化することに関する記事が掲載されていました。
11月には三越伊勢丹が20~30の国内委託工場と直接契約して自主企画商品の強化をするニュースが話題になっていましたが・・・
そごう西武も国内委託工場を従来の倍の40~50に増やし、原料調達に関してはイトーヨーカ堂との共同調達によってグループのスケールメリットを活かすとのこと。
両者(三越伊勢丹、そごう西武)ともに 自主企画衣料では、
アパレルメーカーから仕入れる商品の2割安の価格、
メーカー品に比べ1割利益率が高い
ことを強調されているところは共通しているようです。
それぞれのニュースを読んでいて、百貨店がリスクを取って、直接取引をする国内委託工場をどう活かされるかにとても興味を持っています。
よくありがちなPB(プライベートブランド)開発よろしく、ベーシックな定番商品中心なんてことになるのでしょうかね。
これ結構、陥りがちな話だと思うのですが、PB商品開発始める時ってリスクの無いベーシックから始める事例が多いです。
比較的簡単なデザインですし、売れ残ってもつぶしが利く、何とかなるというリスク回避からでしょうか。
しかしベーシックな定番品ほどスケールメリットを持ったメーカーさんに別注して海外生産する方が安くて高品質な商品が出来ますよね。
こういった商品は、通常 原価率高くても競争力のある価格、他社に負けない品質、バリューで勝負だと思うので、
自主企画にするなら、鎌倉シャツのようにあえて利益率を押さえて「価値」を顧客に提供するか、
むしろ買い取りでメーカー別注を頼んだ方がよいのではないかと思います。
要は、競争の激しい定番品で儲けようと思っても長続きしないという話ですね。
今回のような目の行き届く国内工場と直接取引をするのなら、
せっかくですので、少ロット短サイクルができる地の利を活かしたオペレーションを実現されたらどうでしょうかね。
つまりトレンドを出来るだけ引き付けて読んで、無理せず必要な分だけ作って、作り足す方式です。もちろん素材リスクは百貨店側です。
ここはリスクを取るのだからと値入を取ろうとせず、原価率高めでもできるだけ値下げせずに売り切ることで最終利益をしっかり残すという試みです。
参考になるかどうかはわかりませんが・・・
ZARAはざくっと言うと、半分はスペイン近隣の自社工場、半分はアジア委託工場での生産です。
手間のかからない簡単な商品はアウトソーシングでアジアの工場に任せ、
難しいデザイン商品、リスクがある商品こそ、目が行き届く自社工場で少ロット、短サイクルで生産する。
商品は値下げをせずに売り切ることを前提にあえて原価率の高い自社工場で、必要な分だけ作って、売れる分だけ作り足します。
今、国内に残された工場を活かすメリットのひとつはそのあたりにあるのではないでしょうか?
もっとも、取引先=工場に約束通り発注し縫製品質と納期の責任以外一切委託工場におっかぶせないのが前提ですが。
百貨店さんの自主企画ですと、ロットがさほど大きくないでしょうから大変だとは思いますが・・・
いずれにせよバーゲンを前提にせずに、プロパー消化率の高さ、値下げ率を抑制しながら売り切る在庫コントロールにチャレンジして、国内委託工場を活かしながら、成果を上げて頂きたいですね。
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