品質を高め、実質的に価格を下げることが現代の価格破壊
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1月22日の日経新聞、「プライスウォーズ (1)PB覇権 哲学の衝突」の記事にあった、イオンとセブン&アイの価格に対する考え方の違いはとても面白かったです。
・バイイングパワーによって「絶対的な低価格」を目指す イオン
・価格は上がるが、価値や品質が高いものをこれまでの流通の常識を覆す価格で売り出すことによって「実質的に価格を下げる」ことを 目指す セブン
プライベートブランド(PB)ビールの開発を行った両者の結論は
・100円の第三のビールを出したイオン
・イオンが販売するアサヒスーパードライよりも高い198円の100%モルトビールを出したセブン
でした。
記事の中のセブン&アイの会長 鈴木敏文氏の言葉
「(ダイエーの故)中内さんは大量生産時代の価格破壊、質も高いセブンこそが現代の価格破壊だよ」
なるほど~とうなずけます。
購買層の絶対数としてはイオンの絶対低価格支持派の方が多いかも知れませんが・・・
少なくとも、なんだかんだ言っても中間層の多い成熟マーケット日本では現行価格を下げることだけがチェーンストアの使命ではないことをセブンの鈴木会長は教えてくれています。
後者の発想であれば、高所得者層の選択肢にも入りますからね。
両者は同じチェーンストアでも、意外と同じ土俵で相撲を取っていないのがよくわかり、興味深いです。
ここのところ本当に景気が回復したのか?政府の宣言通りデフレから脱却して物価が上がるのかどうかわかりませんが・・・
新聞各紙で「(商品に付加価値をつけて)単価を上げたい」という経営者や商品責任者の発言が目につき、少々気になっています。
お気持ちはわかりますが・・・今、販売している商品に少しくらい付加価値をつけて単価を上げたところでお客さんからはどれだけ理解を得られるでしょうか?
それよりは、今までなかなか手が出ない価格だった商品や非日常を
これまでの自社の中心販売価格またはそれよりは少し高いかもしれないけれども、
企業努力で業界常識より遥かに安く(*)販売するしくみを作る。
その方が、結果として単価を上げながら、実質 値下げ(価格破壊)ができるのではないか、とセブンの鈴木会長の発想を読んでいて、ふと整理がつき、スッキリしたものでした。
ユニクロのフリースやヒートテックだってそうだったでしょう。
ファストファッションだってそうです。
比較するのはどうかと思いますが、回転ずしや焼き肉チェーンしかりです。
それらより安い商品はマーケットにいくらでもありますが、何故それらは生活者に支持をされているのか?
ただ単価を上げたり、下げたりすることを考える前に・・・視野を広げて、そんな商品、サービスを探してみたいものです。
次の流通革新はそんなところから生まれるのではないでしょうか?
(*)ご参考まで 「遥かに安い」の参考価格
STEP1 7掛け は 通常セール価格レベル
ルミネ、セレクトが百貨店から顧客を奪った理由のひとつはここ。
STEP2 半額 は 確実にお得と思わせる価格
STEP3 流通革新への過渡期 ディスカウントプライス
STEP3 3掛け は 興味があれば迷わずまとめ買いしてしまう価格
ユニクロなどチェーンストア流 流通革新プライス
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