アパレル業界の歴史、商慣習にまつわる話が面白い、オンワードホールディングス馬場名誉顧問の「私の履歴書」
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日経新聞を購読されている方はお読みになっていると思いますが、今月の「私の履歴書」は オンワードホールディングスの馬場名誉顧問 のお話です。
第8話(2月8日付)同氏がオンワード樫山入社以後の話は、同氏のご功績と高度経済成長期以降の百貨店とアパレル大手の取引のキーワードがたくさん出てきて、とても興味深いです。
多くの話は業界の先輩方から「逸話」として伺ったことのある話ですが、名誉顧問が活字にして下さったことはとても意味のあることだと思います。
今週の中で特に興味深かったのは、
1ドルが360円の時代にヨーロッパに視察旅行に行き、服を買い集め解体して研究をしていた話。
オンワード樫山社が各百貨店の上層階で上顧客を呼んで「オンワードセール」という在庫処分の催事を行い、それが同社の成長の原動力になった話。
また何度か登場するキーワードですが、「委託販売」と「派遣店員」というしくみは (それまで某社が独壇場だった某百貨店との取引をひっくり返すために・・・だったはず) 同社の創業者が百貨店業界に導入した革新的?な制度だったという話。
です。
読まれた方によって感じることはいろいろだと思いますが、少し私の感想を・・・
服を買い集め解体して研究をするという話では、私自身も商社で生産をやっていたころ、服の構造を知るために何度か行ったことを思い出しました。
そのころはアパレルさんでも欧米の服を解体して研究するということが常識のように行われていたと思いますが・・・最近では、デザインの参考にしたり、商社や工場に指示出ししたりするために他社売れ筋のサンプル購入をする話は耳にしますが、服の構造を研究するために服を解体する話は聞かなくなりましたね。
昨年 弊社が何度か行った商品知識勉強会では、パタンナーの方と服をひっくり返して裏から見たり、解体したりしながら研究することで成功企業やグローバル企業の工夫が感じられたものでした。
オンワードセール(催事)の話では、やはり企業が急成長する時の起爆剤、きっかけになるのはある意味ゲリラ的なセールなんだなぁという実感。商売ってきれいごとだけじゃないのが現実なのですよね。
「委託販売」については私も小売バイヤーとしてその恩恵を享受していた経験があります。
確かに「使いよう」という見方もあるかもしれませんが、バイイングのシビアさ真剣さは確実に緩みますし、それが「買い取り」と共存することによって本来の在庫コントロールが発揮できなくなることは否めません。
どちらかというと「委託販売」は 右肩上がりの時代、返品されたメーカーが処理できる経済環境が前提であって、
今となっては小売が完全にリーダーシップを持つ、買い取りをして、期中値下げ処理も併用しながら真剣勝負をしないと勝ち残れない時代 です。
それを極めたSPA企業がマーケットリーダーになっているのは皆さんもご存じのとおりだと思います。
日経の「私の履歴書」は基本月単位なので、馬場顧問の話も28日まで続くはずです。
業界の大先輩が業界の歴史、キーワードをわかりやすく整理され、ご自身の言葉で次世代にどんなメッセージを残していただけるのか、今後の話も楽しみにしています。
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