MIXXO(ミッソ)とSPAO(スパオ)で日本に上陸する韓国イーランドグループの潜在力
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先月の話になりますが、2月18日の日経新聞と繊研新聞に韓国最大のライフスタイル&アパレルグループ、イーランド(年商10兆ウォン=約9000億円)が今春同社大型SPA業態のMIXXO(ミッソ)とSPAO(スパオ)で日本に上陸することに関する記事が掲載されていました。
日本1号店はMIXXO(ミッソ)、出店場所はそごう横浜店だそうで(3月下旬オープン)、以後アリオ、西武など年内にセブンアンドアイグループのSCや百貨店への出店が6店舗決まっているとのこと。
その後、繊研新聞が2月27日から3月6日まで6回の連載でイーランドグループの強みを特集した記事をとても興味深く読ませて頂きました。
正直、今のところミッソとスパオは日本市場では全く脅威にはならないでしょう。
なぜならSPAO(スパオ)は2009年、MIXXO(ミッソ)2010年に両方ともグローバルSPAが韓国に進出してから見よう見まねで立ち上げた大型SPA業態で、まだ歴史が浅く、実績があるとも言えない業態だからです。
スパオは昨年ソウルで視察しましたが、ユニクロとジーユーを足して2で割った感じ。
よくもまあ、ここまで日米のベーシックカジュアルSPAをベンチマークしたな、と感心したのを覚えています。韓国国内で知名度を一気に上げるために、韓国のアイドル系芸能人多数をプロモーションに起用していたのが印象的でした。
当時 ミッソはマークしていなかったので、見逃しましたが報道によればZARAをベンチマークしたSPA業態とのこと。サイトを見る限り、ZARAというよりもっとシンプルなMANGO(スペイン)と言った方がよいかも知れません。
また中国上海で見たイーランドグループの各業態。
中国でビジネスを拡大しようとする日本のアパレル企業の方々が口を揃えて「イーランドは凄い」といいますが、店舗を見る限り、それぞれのブランドがアメリカや日本のある特定の有名ブランドをベンチマークしたようなブランドばかりでちょっと呆れたのを覚えています。
同社が以前公開していた財務諸表によれば、店舗数2400店舗超と中国全土に面取りはしていますが、販売効率は高くなく、高粗利率(70%前後)で利益を残す企業という印象を持っていました。
しかし今回の繊研新聞の特集を読むと同社に対する印象が変わります。
思わず唸った内容を少しご紹介すると
○海外進出する際は徹底的に現地化、駐在社員はローカルに入り込み、通訳なしで現地語を使って商談、家族も現地のコミュニティに入り込むのが基本。
○SPAのビジネスモデルに磨きを掛けるためにベトナム、ミャンマー、インド、スリランカなどアジアに各数千人規模の縫製工場を買収、自社工場化して少ロット短サイクルに対応。
○日本攻略のために韓国釜山にコストの安い物流拠点を設立。グローバルに調達した商品を釜山に集め、検品、仕分け後に日本に週2~3回送り込める体制を準備中。
○イーランドグループは将来の事業多角経営のために新卒入社から15年で=40歳前後には経営者として手腕が発揮できるキャリア開発プログラムを持つ。グループには実際30代経営者、13年で社長になった人材が存在。
記事を読んでいて、かつてどこかで耳にしたことのある成功企業の事例のような気がして、引き込まれました。
要はハングリーで成長意欲がものすごく強い。
その中に高度経済成長後、日本人が忘れてしまった何か?開拓者精神、起業家精神みたいなものを感じた次第です。
彼らのビジネスがものまね、パクリだと穿って見ている間に追い抜かれてしまうかもしれない、日本の家電メーカーがサムスンに抜かれたように・・・
そんな危機感を持ちながら、韓国イーランドが日本に送り込んで来る2つの業態を
ちょっと気を引き締めて、そして中長期的な視点で見てみたいと思ったものでした。
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