ユニクロの週末4日間限定チラシの効果が薄れる時
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5月のユニクロ既存店売上高は10.9%増だったとのこと
確かに5月の気温条件は前年に比べよかった上、昨年の5月が同10.3%減だったことを考慮しても、業界他社と比べて立派な数字だと思います。
5月を振り返ると、ゴールデンウィークはこけたところも多かったと思いますが、1年前の天気と比べると中盤から後半には前年より気温の高い日が多く、月全体でも25℃超えのいわゆる「夏日」も前年より数日多かったようですね。しかしながらそこまで大きく跳ねたファッションチェーンはありませんでした。
2013年8月期のユニクロ国内既存店売上の月次速報を見ていると客単価減を客数増でカバーするのがユニクロの勝ちパターンです。
休日の日数が多く、気温条件が整った「取れる」月には 750店舗超の規模の既存店でも、二桁増の大きな上ブレをするという、業績数字だけ見るとかつてのユニクロらしさが取り戻されて来た感じがしますね。
2013SSのウィメンズのスタイリングトレンドがプリントものを除いてはユニばれしづらいパンツルックであることもユニクロ好調を後押ししているとは思いますが、もっと大きな要因について意外とメディアでは語られていないようです。
それは 私の記憶では、昨年の秋に始まった
金土日月 4日間限定価格チラシ 毎日日替わり目玉付き の連発
です。 この販売政策はその後、先週まで毎週続いています。
ユニクロは以前は1年中毎週決まって土曜日にチラシ(お客様へのラブレター)を投入し(連休の場合は複数回入れますが)、
それを同社の週次業務のペースメーカーとし、土日限定価格で毎週土曜日と日曜日にお買い得商品をつくり集客、土日に通常のファッションチェーンよりも格段に大きな売上を上げていたのが特徴でした。
このあたり、拙著 「人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識」 にも詳しく書いています。
しかし、これに対して、昨秋の残暑による壊滅的なアパレル業界の業績不振を受けてか?秋に行った金曜日の早朝から始まるユニクロ誕生祭の馬鹿当たりを見てか?
それまでの土日限定チラシから金曜日投入の金土日月4日間限定チラシの連投が標準になったようです。
このチラシおよび販売政策の変更は間違いなく単価減、客数増となります。
(更に言えば売上点数増は店舗作業増にもつながります)
結果 既存店売上は休日が少なかった1月と気温が低かった4月を除き、そこそこ大きい増収を続けています。
いつか戻すだろう・・・という私の予測とは裏腹に・・・3月の好業績(既存店前年比23.1%の増収)を見ても安心しないのが創業経営者。
売れるとわかったら、需要を徹底的に刈り取る、その施策を利き目がなくなるまで打ち続けるのが商売人の基本ですから、ある意味 ユニクロ(柳井会長)らしいと言えます。
しかし、その一方で、小売業関係者であれば、誰でも経験あるでしょう、心配になるのは、この4日間限定チラシ政策が一回りして、効果が薄れた時です。
おそらく今年の10月以降にその時が来ますが、その時のために、ユニクロはいったいどんな施策を用意しているのでしょうか?
同社のことですから、間違いなく考えているはず。
そして、その時のマーケットに対する影響も少なくないはずです。
株価の上昇によって景気は上向いているような報道が少なくありませんが、ヴォリュームマーケットでは正直、あまりその実感はありません。
ユニクロ、しまむら、外資SPAの営業政策は少なからずマーケットにインパクトを与えます。
ユニクロの秋以降の施策に注意をしておきましょう。
しまむら、ZARA、H&M、ユニクロ、ポイントなど国内外の『勝ち組』企業の成功の秘訣、新常識をわかりやすく解説しました⇒
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