丸井グループの40~50代に照準を定めた大改装計画
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7月24日の日経新聞に 丸井グループが40~50代に照準を当て、3年間で総額200億円規模の店舗改装を行う計画についての記事が掲載されていました。
記事によれば、同グループの20~30代向け中心の衣料品売り場は苦戦が続いているそうですが・・・
それもそのはず、掲載されている、同社のここ10年間の客層(年齢層)の変化のデータは顧客がそのまま10歳ほど歳を取っていることを表しています。
丸井グループの年齢層構成比の変化(日経新聞)
2003年3月期 2013年3月期
20代まで 70% 30%
30代 15% 30%
40代 10% 20%
50代 5% 20%
要はかつてはヤングに強い丸井だったかも知れませんが、今、ファッショントレンド、ストリートトレンドを追いかけて20代の若者を狙っても、実際の丸井ファンは着実に歳を取っているという話です。
このため、同グループは、20代向けの衣料売場を縮小し、現在40~50代になる、かつてDCブランド全盛期だった1980年代の主要顧客も呼び戻すことも目論み、同年代層が取り込める靴などの雑貨を核とした売場の構成比を高め、最も馴染みのある中心顧客とともに成長する戦略に切り替えるとのことです。
こちらのFashionsnap.com のニュースもその一環です。
記事を興味深く読ませていただきましたが、私はこの方針変更には賛成、支持をしたいですね。
ファッションは二十歳(はたち)前後に刷り込まれたものが、歳をとってもその人のファッション感性に影響を与えると言われます。
また、20代という移り気な年齢、尚且つ、ここ数年の間にファストファッションに洗礼を受けた世代を追いかけて、グローバルチェーンと消耗戦をするより・・・
20代(当時)に質感を共有した現40代以上の客層にしっかり得意な商品群を提案することの方が得策だと思いますから。
私自身も20代には丸井で結構お買いものをさせていただいたひとりですが・・・
30代になって、百貨店では買えるものが少ない、何度か丸井を覗いても、スタイルが細身になっていたり、ヤングトレンド過ぎるものばかりだったりで、買えずに館を後にした経験が何度もあります。
結果、セレクトショップ系に落ち着いてしまうのですが、トラッドっぽい商品はセレクトでもいいのですが、少しモード寄りなものは買える場所がマーケットには結構少ないのですよね。
また、ファッション小売ビジネスではとかく見過ごされがちな話ですが、
ファッション商品は年齢層というよりも「マインド」で幅広い年齢層が買うものですが、あるブランド、ストアブランドにとって、歳を取っても離れて行かなかった方々ほど、若い人たちと比べて
客単価も高く(=粗利額も高い)、気に入れば浮気もしないので売上安定につながるロイヤルカスタマー=固定的顧客になる可能性が高いものです。
それなのに年齢層の高めの客層を大事にしない接客、あえて切り捨てるようなMD(品ぞろえやサイズ)変更をする専門店やブランドが業界には後を絶たないのが現実です。売上の安定と収益率のバランスを考えたら、そんなことにはならないはずなのですがね・・・
というわけで、丸井の方針変更は結構、マーケットがそこそこ大きい割に競合の少ないブルーオーシャン戦略になるのではないか?と楽しみに見ています。
それから、ターゲット客層を変更するのであれば、不採算で閉鎖された、かつて丸井があった近郊エリアでの復権の可能性もありますかね?
同社の方針変更の成果を楽しみに見守っております。
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