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August 12, 2013

世界アパレル専門店売上高ランキング2012 TOP10

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 遅ればせながら、世界の大手アパレル専門店各社の2012年度決算をレビューする機会がありましたので、売上高のTOP10をまとめてみました。

 円建て比較にあたり、為替レートはすべて2013年3月31日時点のもの、ユーロ=¥120.8、スウェーデンSEK=¥14.5、US$=¥97.4、英ポンド¥143.3にて換算しています。

                売上高    前年対比 期末店舗数 基幹業態とシェア
1位- Inditex       1兆9,272億円 +16%   6,009   ZARA 66.1%
  (インディテックス;13.01期)

2位-H&M         1兆7,515億円 +10%   2,776   H&M 95 %以上
  (エッチアンドエム;12.11期)  
  
3位-Gap         1兆5,244億円  +8%   3,095   Old Navy 39.1 %
  (ギャップ;13.01期)                          Gap 38.1 %

4位- Limited Brands  1兆187億円   +1%   2,876   Victoria's Secret
  (リミテッド;13.01期)                            62.9% 

5位-Fast Retailing     9,286億円 +13%   2,222    Uniqlo  83.3 %
  (ファーストリテイリング;12.08期)

6位-C&A Europe      8,218億円  +3%    1,532     C&A 100%
  (シーアンドエー;2012.2年度)
         
7位- Next          5,105億円   +3%   540      NEXT95%
  (ネクスト;13.01期)

8位-Primark        5,019億円  +15%   242     Primark 100%
  (プライマーク;12.09期)    

9位-しまむら        4,910億円  +5%   1,808     しまむら 81%
  (しまむら;13.2期)
              
10位-Abercrombie&Fitch 4,392億円 +8%    1,051      Hollister 51%
(アバクロンビー&フィッチ13.1期)                    アバクロ38%
                                                       
                                 
 備考: アメリカのオフプライスストアー(アパレルや小売チェーンが換金目的で放出したブランドを扱う)のTJX、Rossは、2次流通とみなし、除外しました。

 傾向:

○ 世界のツートップ、ZARAのInditex(1月決算) とH&M(11月決算)は決算期の違いから、切り取った時期で順位が入れ替わるいい勝負をしている2社です。
 ちなみに両社の決算を同じ四半期(Inditex、H&Mともに2013年1月期)で移動累計的に1年分切り取ってみたところInditexの方が売上が高くなりますので、やはりInditexが世界売上1位と言えそうです。

 既存店売上高はインディテックスが6%増に対して、H&Mは1%増にとどまっています。既存店の改装や東欧に投資をしたInditex。 一方、アメリカ、中国を攻めたH&M。それぞれの明暗は次期の結果にどのように表れるのでしょうか?

〇 アメリカの景気回復、ドル高を受けて米国勢が浮上しています。GAP, Limied, A&Fいずれも各社上位2業態にフォーカスしたことが2012年度の増益につながったようです。

○ 非公開企業 C&A Europeの昨年4月発表のプレスリリース記事が見つかりました。同社のヨーロッパでのシェアは大きく、特にホームグラウンドのドイツでは9%を超える巨人です。
  C&Aはブラジル、メキシコ、チャイナでも別会社で店舗を展開しています。合計するとグローバルレベルで1兆円規模のストアブランドになる推計です。

○ Primark(プライマーク)の勢いが止まりません。 イギリスに加え、スペインで拡大、ドイツにも進出し、これからドイツでヨーロッパの巨人C&Aとガチンコ勝負が始まりそうです。

 さて、2013年以降は・・・

 1. ZARA、H&M  世界のファストファッションの双璧の世界各国での更なる成長

 2. ファーストリテイリングの年商1兆円達成とアジアでの更なる成長

 3. アメリカ勢が国際化を果たせるか?

 が見どころになりそうです。

こうして整理していると、ユニクロがグローバルで棲み分けするためには変に無理をしてファッションに取り組むよりは・・・やはり世界各国で気の利いた肌着、ホームウエアで一番になる路線に取り組むことの方が得策のように思えて来ます。

 アメリカではGAPグループに、英国ではNEXTに、ヨーロッパ大陸ではC&Aに真っ向勝負しても敵いっこありませんから。もちろんZARAやH&Mに対しては言うまでもありません。

 ZARA、H&Mらファストファッションの世界での台頭を見て、直接対決を避けたLIMITEDのウェクスナー会長の機転を見習い、

 億の単位の人々が共通して着ることができるアンダーウエア、ホームウエアを提供するというポジショニングを世界で徹底的に極めて頂きたいと思います。

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