« August 2013 | Main | October 2013 »

September 30, 2013

来春日本に上陸するZARAの姉妹ブランドStradivarius(ストラディバリウス)とは?

 クリックして人気blogランキングへ

 9月28日付のFashionsnap.com によれば、世界最大のファッション専門店グループ、ZARA(ザラ)を基幹業態とするインディテックスグループのZARA(ザラ)の姉妹ブランドStradivarius(ストラディバリウス)が来春に日本に上陸するとのことです。

 来春上陸ZARA姉妹ブランド「ストラディバリウス」ガールズアワードで国内初披露

 ファッションスナップドットコムのサイトにはストラディバリウスが9月28日の第8回ガールズアワードで日本の人気モデルを起用してファッションショーを行い、コレクションの一部をお披露目した様子が画像付で掲載されています。

 インディテックスグループはZARAを筆頭に8つのファッション業態を世界に展開していますが、日本上陸は ZARA,Bershka,  ZARA HOMEに次ぐ4つ目。

 Stradivarius ウェブサイト

 私はアニュアルレポートで Massimo Dutti ジャパン社がすでに立ち上がっていたのを見ていたので、そちらが先に上陸するかな~と思っていましたが、おぉ、Stradivariusが先に来ますか~、という感じでした。

Stradivarius
 インディテックスグループの8つのブランドポートフォリオは、昨年夏に私がスペイン バルセロナを視察した時のエントリーで紹介していますので、ご興味があればご覧ください。(画像は昨夏撮影したバルセロナ グラシア通り店のウインドウ)

 ZARA(ザラ)グループのブランドポートフォリオ 1/2

 簡単にまとめると、働く女性のためのブランド ZARA WOMAN & ZARA BASIC 。

 そのハイティーンになった娘のためのカジュアル服がZARA内にあるTRFです。

 TRFがコンサバなため、よりストリート&アヴァンギャルドなテイストであるBershkaが開発され、

 Bershkaと市場でバッティングしそうだったブランドStradivariusを買収し、

 20歳前後の女の子向けに

 ・母親に比較的受けのよいTRF

 ・ストリート&アヴァンギャルドなBershka

 ・コレクショントレンドを程よく取り入れたトレンドカジュアル服Stradivarius

のブランドポートフォリオが20世紀末には完成し、その後も磨きをかけているわけです。

 (このあたりの経緯に関するインディテックス総帥のオルテガさんの娘を持つ親父(ヒト)としてのエピソードも面白いので是非、リンク先をお読みになってください)

 昨夏のパリ、バルセロナでの視察では、価格はBershkaと同じでした。

 個人的には、8つのブランドの中ではZARAの次に有力、Bershka並みの価格、いやワンランク上でも日本のガールズマーケットに大きな影響を及ぼす、日本でもかなり売れそうなブランドと見ています。

 ガールズマーケットの企業さんは、中国にも結構出店しているので、事前に視察して予習をしておいた方がよいかと思います。

 参考までにインデテックスグループの2013年1月期のブランドごとの売上および期末店舗数は以下の通りです。
 (ユーロ=120.8円で換算)
                           2013年1月期
    年商(日本円換算)  構成比   期末店舗数
Zara        1兆2733億円   66.10%   1,925
Pull and Bear  1311億円     6.81%   816
Massimo Dutti  1369億円     7.11%   630
Bershka      1793億円     9.31%   885
Stradivarius   1160億円     6.03%   780
Oysho       379億円      1.97%   524
Zara Home    422億円      2.20%   357
Uterque      89億円      0.46%      92
計        1兆9261億円    100%     6,009

*ZARAはZARA KIDS含む

 Stradivariusの売上貢献度は5番目ですが、昨年の出店はZARAに続き2番目に多いです。

 それもそのはず、ZARAに次ぐ利益率の高さ、利益貢献度が高いため 今年度もZARAに次ぐ出店強化ブランドになっているようです。

 出店の多い国は スペイン291、ポーランド61、ロシア58、次いで中国57店舗って感じです。

 以下簡単なStradivariusの店舗&売上情報です

 年商            1160億円
 店舗数           780店舗
 平均売場面積       80坪
 一店舗あたりの年商 1億5800万円
 月坪効率         165千円

 イオンモールなどSC 2区画分にズバッとハマりそうですね。

 楽しみです。

 【おススメ本】 

 ZARAの顧客満足のポリシーと店頭の工夫が満載。
 外資系ファッションチェーンの戦略をわかりやすく解説しました。

 『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

 全国書店で好評発売中です(新書コーナーにあります)。

 数時間あれば読めてしまいますし、すべての話が1話(約4ページ)完結型なので、
 興味のある話だけ読んでもOKです。
 
 お気軽に手にとってください。

 Amazonでご購入の場合はこちら・・・
 

いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第3位】↓down(13.9.30現在)


 

| | | TrackBack (0)

September 27, 2013

【御礼】9月26日(木)の「ファッション専門店の店頭MDと在庫最適化セミナー」にご来場ありがとうございました。

 クリックして人気blogランキングへ

 9月26日(木)に東京青山で開催いたしました、

 成長ファッション専門店支援ユニット 「ワンダー4」 結成記念セミナーにご来場いただきました皆様、

 お忙しい中、誠にありがとうございました。

 今回の内容がタイムリーな成長中の企業様で会場を満席にしていただき、大変感謝をしております。

 参加いただきましたみなさんがとても熱心にお聴きいただき頂きましたおかげで、私の久しぶりの「ファッションストアの在庫コントロールの実践」セミナーも力が入りました。

 第2部の事例紹介 次月以降の店頭売上在庫をシュミレーションする事例にも多くの方々からご関心を持っていただきました。

 より手軽に実用化できるツールの活用を現在、ユニット内で準備中です。

 また、繊研新聞さんにも取材をいただきました。ありがとうございました。

Wonder4_senken_201395_4 今後、ファッション専門店支援のために違った専門性をもつプロフェッショナルユニット 「ワンダー4」では

 定期的にファッション専門店のMDに活用できる簡易ツールの研究開発を進めて参ります。

 今後、内容をお披露目するために 半年に一度くらいのペースでセミナーを開催する予定です。

 ご興味ある方は 次回開催予定や活動内容を掲載することがございますので、
 
 ワンダー4のホームページや当ブログをご覧になっていてください。

 今後ともよろしくお願いいたします。

【今回開催したセミナーの内容】

テーマ  ファッション専門店の店頭MDと在庫の最適化
日時   2013年9月26日(木) 15:00~17:30
会場   青山クラブハウス会議室 
対象   店舗10店舗以上のファッション専門店を運営している企業の方々
参加費   無料
参加者数 30名様  【満員御礼】 
第一部  基調講演 「ファッションストアの在庫コントロールの実践」
      (講師 ディマンドワークス 齊藤孝浩)
      店舗拡大とともにバイヤーの頭の中にある仕入計画や店舗在庫管理を
      「見える化」し店舗と協力して適時適品を実現して利益率を向上させた
      企業事例のご紹介。店舗数が10店舗から50店舗くらいの時にどこでも起きる課題と
      具体的対応方法。
第二部 システム活用事例紹介および質疑応答
      (バイメックス笠松泰広氏 x ヴィバーク大家正巳氏)
      ツールを使って 現在の品ぞろえと今後の売上予測、仕入計画から
      来月の店頭在庫をシュミレーションし、あるべき在庫とのかい離に気づき、
      最適化に向けてアクションを起こすための事例。

事務局 エフエスエスジャパン株式会社 担当 加登文雄 (かとふみお)氏
      電話番号 03-5537-6034  メールアドレス kato@fss-jp.com

 【おススメ本】 

 今回の講演内容、当ブログのエッセンスもたくさん盛り込んだ
 ファッションストアの在庫コントロールに関する日本一わかりやすい教科書。
 
 『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

 全国書店で好評発売中です(新書コーナーにあります)。

 数時間あれば読めてしまいますし、すべての話が1話(約4ページ)完結型なので、
 興味のある話だけ読んでもOKです。
 
 お気軽に手にとってください。

 Amazonでご購入の場合はこちら・・・
 

いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第1位】→stay(13.9.27現在)


 

| | | TrackBack (0)

September 17, 2013

アメリカマーケットリサーチ報告(その4) ヴィクトリアズシークレット(Victoria's Secret)のビジネスモデルと大きなマーケットの可能性

 クリックして人気blogランキングへ

 今回アメリカにリサーチに出る直前にアップした人気エントリー

 世界アパレル専門店業態別売上ランキングに見るビジネストレンド

 でも触れましたが・・・今アメリカで最大のファッションストア業態はアパレル中心のGAPやOLD NAVYではなく、インティメイトアパレル=ランジェリーを核としたファッションブランド、Victoria's Secret=ヴィクトリアズシークレットなのです。

Imag2646 ヴィクトリアズシークレットは 世界のアパレルチェーン企業の中で売上高第4位のリミテッドブランズ社の約63%を占める基幹業態で、

 GAP社、LIMITED BRANDS社 両社のアニュアルレポートによれば、2012年1月期にGAP社のOLD NAVY、GAP 両業態の年商を上回り全米最大のファッションストア業態になりました。
 (画像はNYヘラルドスクエアの旗艦店)
 
 2013年1月期 決算は以下の通り $=¥97.4で換算

 ブランド        年商         店舗数 

Victoria's Secret  6,403億円 北米店舗数 1045  その他  2
OLD NAVY      5,953億円   同上    1010  同上   1
Gap           5,809億円   同上    990  同上  389

 ヴィクトリアズシークレットの創業は1977年ですが、1982年にリミテッド社が事業買収し、通販中心だったビジネスをSC(モール)に多店舗展開することによって拡大したランジェリーを核としたファッションブランド。

 その後、リミテッド社は、2007年に、創業以来会社の看板事業だったアパレル事業(The Limited store、EXPRESS)をファンドに売却することにより、トレンド衣料(外衣)中心のビジネスから 女性の内面の美、インティメイト&ビューティ事業中心のビジネスモデルに転換することになります。

 今でも印象深く覚えているのは、1980年代から90年代にかけて、SPA(アパレル製造小売業)の原点となるビジネスモデルを作ったリミテッド社の創業者であるレス・ウエクスナー会長が、そのアパレル事業売却にあたってのメディアインタビューでのコメント。

 「もはやトレンドアパレルビジネスは自分にとってエキサイティングなビジネスではない」

 これは、2000年のH&Mアメリカ上陸以来、今でもアメリカで猛威を振るっているH&Mやフォーエバー21らのファストファッション勢に対する、価格競争の激しいマーケットに辟易とした同氏の本音の発言だったのでしょう。

 その判断が正しかったことは、今のヴィクトリアズシークレットの業績好調ぶりが表していると言えます。

Imag2431 同社アニュアルレポートによれば、アパレル事業 売却後、ヴィクトリアズシークレットやビューティ事業(Bath&BodyWorks)へのフォーカスには、2010年まではスクラップアンドビルトを繰り返し、既存店連続減益など、だいぶ苦労されたようですが、

 その間、店舗の大型化を図り、ランジェリーだけではなく、フレグランス、コスメ、ホームウエア―、水着、フィットネスウエアも取り揃え、更に、15-22歳の将来の潜在顧客を開拓するライン、PINKブランドもティーンズの間で大人気となる。そこに世界のスーパーモデルを起用したプロモーションが奏功。

 一店舗あたりの平均年商は4億7640万円、平均売り場面積 165坪、月坪効率 241千円、

 大型化しながら、坪効率を高め、過去2年の既存店増収は、2012年1月期、2013年1月期それぞれ、14%増、7%増と好調を続けています。

 今回、LA界隈とNYでヴィクトリアズシークレット複数店舗を視察しての感想ですが、

 大人の女性ランジェリーブランドながら、ランジェリーだけではない、幅広い品ぞろえ、幅広い客層が来店していることがとても印象的でした。

 店内の半分以上が、ランジェリーではない、ビューティ部門(フレグランス、コスメ、ポーチなど袋もの含む)やホームウエア、フィットネスウエアの売場であるため、来店客の1割以上がカップルでお買いものをされています。

・脱アパレル事業
・ランジェリーを核にしながらも「女性の内面の美」をテーマに商品部門を広げ
 店舗の大型化
・将来の潜在顧客(ティーンズ)向けラインを展開
・若いカップル、夫婦など、男女カップルでお買いものができる雰囲気づくり
・世界のスーパーモデルによるランウェイをイメージさせるプロモーション

 もともとカタログ通販から始まったブランドということもあり、 通販比率 24.2% も高いですね。

 (参考 通販比率 オールドネイビー= 12.2% GAP= 9%)

 世界最大のマーケット、アメリカ合衆国・・・ そんなブランドがGAPやOLD NAVYのようなファミリーカジュアルよりも大きいファッション業態であるという事実。

 日本では、ピーチジョン(PJ)が ヴィクトリアズシークレットをベンチマークしたことで知られています。

 現在、ワコール傘下のPJは年商が140億円くらいの規模だと思いますが、アメリカのヴィクトリアズシークレットを見ていると、この女性の内面の美にフォーカスしたファッション業態の潜在性は決してそんなもんじゃないでしょう。

 今後、ワコールなのか、トリンプなのか?それともヴィクトリアズシークレット自身が日本に上陸してそうするのか?

 はたまた、業界の常識を覆す、これから彗星のごとく現れるブランドなのか?このマーケットにとても大きな潜在性を感じているのは、私だけではないでしょう。

 【おススメ本】 

 8年間のブログの集大成。このブログで最も伝えたかったことをまとめた本です。
 
 『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

 全国書店で好評発売中です(新書コーナーにあります)。

 数時間あれば読めてしまいますし、すべての話が1話(約4ページ)完結型なので、
 興味のある話だけ読んでもOKです。
 
 お気軽に手にとってください。

 Amazonでご購入の場合はこちら・・・
 

いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第1位】→stay(13.9.17現在)


 

| | | TrackBack (0)

September 16, 2013

9月26日(木)成長ファッション専門店向け在庫コントロールセミナー開催します

 クリックして人気blogランキングへ

 来る9月26日(木)、久しぶりに「ファッションストアの在庫コントロールの実践」セミナーを行います。

 【成長ファッション専門店向け 無料セミナー】

日時  2013年9月26日(木) 15:00~17:30

会場  青山クラブハウス会議室  (東京メトロ 青山一丁目駅徒歩 3分)
東京都港区南青山2-2-8 DFビル5階

対象  店舗10店舗以上のファッション専門店を運営している企業の
     経営者様 商品部、営業幹部様
     システム運用責任者様 および在庫管理MD管理にお悩みの方

参加費 無料

定員  先着30名様 (1社様 2名様まで) 

     【 9.21 おかげさまで満席となりました】

テーマ ファッション専門店の店頭MDと在庫の最適化

   15:00~16:30 第一部 基調講演 
                      「ファッションストアの在庫コントロールの実践」

   16:45~17:30 第二部 システム活用事例紹介および質疑応答

第一部 講演内容 
     店舗拡大とともにバイヤーの頭の中にある仕入計画や店舗在庫管理を
     「見える化」し店舗と協力して適時適品を実現して利益率を向上させた
     企業事例のご紹介です。 
     店舗数が10店舗から50店舗くらいの時にどこでも起きる課題と
     具体的対応方法です。
   
     講師プロフィール  ディマンドワークス 代表 齊藤孝浩
     アパレル業界でグローバルな商品調達からローカルな店舗運営まで
     豊富な実務経験を持つファッション流通コンサルタント。専門分野は
     ファッションストアの在庫最適化。
     「人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識」
     (中央公論新社)著者、当ブログ管理人

第二部 システム活用事例紹介 バイメックス笠松泰広氏 x ヴィバーク大家正巳氏
     ツールを使って 現在の品ぞろえと今後の売上予測、仕入計画から
     来月の店頭在庫をシュミレーションし、あるべき在庫とのかい離に気づき、
     最適化に向けてアクションを起こすための事例です。

お申込みは エフエスエスジャパン株式会社 担当 加登文雄 (かとふみお)氏まで
        電話番号 03-5537-6034  メールアドレス kato@fss-jp.com

        ※ おかげさまで満席となりましたので、
        キャンセル待ちまたは次回開催時の優先連絡のお申込みのみとなります。

セミナー広告をダウンロード
 
Wonder4_senken_201395_4 今回のセミナーは 新興成長ファッション専門店向けに最適なシステム導入やリニューアルおよび正しい活用をご支援するために業界実務経験豊富なプロファッショナル4人で独立系新ユニットを組んだことを
 繊研新聞さんに取材していただき、9月5日付けで記事にしていただきましたが、
 その結成(記念?)セミナーになります。

 ユニット結成の目的は、ユニットメンバーの専門性と経験を活かして、ファッション専門店向けのシステムの選定、既存システムの評価、活用支援、ツールの追加開発導入支援およびコンサルティングを行うサービスを提供しようというものです。

 独立系でクライアントの最適&リーズナブルを目的としてますので、特定のハード、ソフトメーカーには縛られないのがポリシーです。

 ワンダー4のメンバー紹介は以下の通りです。

○ エフエフエスジャパン(株) 
   加登文雄  データと感性を可視化するデータサイエンティスト
○ (株)ヴィバーク        
   大家正巳  小売業を得意とする情報システムコンサルタント
○ (株)バイメックス       
   笠松泰広  多くのブランドを手がけたプロのマーチャンダイザー
○ (有)ディマンドワークス   
   齊藤孝浩  ファッションストア店頭在庫最適化コンサルタント

 ユニットメンバーは、これまで各人で対応した企業数を4人合わせると・・・
 実に100社を超えるファッション専門店様をご支援して来たことになります。

 店舗拡大中で在庫にお悩みの企業様は是非、4人の成功事例、そして失敗事例をも参考にして頂き、壁を乗り越え次のステージへの成長につなげていただければと思います。

 【おススメ本】 

 ファッションストアの在庫コントロールに関する日本一わかりやすい教科書のつもりで書きました。
 
 『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

 全国書店で好評発売中です(新書コーナーにあります)。

 数時間あれば読めてしまいますし、すべての話が1話(約4ページ)完結型なので、
 興味のある話だけ読んでもOKです。
 
 お気軽に手にとってください。

 Amazonでご購入の場合はこちら・・・
 

いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第1位】→stay(13.9.16現在)


 

| | | TrackBack (0)

September 11, 2013

WWD JAPAN 1763号(9月9日発売)にH&Mの価格政策に関する寄稿が掲載されました。

 クリックして人気blogランキングへ

 9月9日発売のWWD JAPAN 1763号の特集、「ここまできたファストファッション、H&M上陸から丸5年、日本市場はどう変わったか?」に寄稿記事が掲載されました。

 9ページに及ぶ特集記事で、業界のトップコンサルである小島健輔先生がマーケット全体のマクロアプローチ、

 続いて私がH&Mジャパン社の上陸からこれまでの価格政策の変化の分析と今後の予測のミクロアプローチをする専門家分析から始まり

 エドマン社長のインタビュー記事や百貨店、セレクトショップ、SPAなど有力ファッション企業10社のトップコメントも掲載されており、H&Mジャパンの今を短時間で把握できるとても充実した内容だと思います。

 詳しい内容はバックナンバーも出ていますので是非、お読み頂きたいと思いますが、

 私のパートをかいつまんでご紹介すると、

 当初(2008年秋)百貨店価格の3がけくらい、3990円の様子見プライス?からからスタートしたH&Mは、顧客の動向と競合(ユニクロとフォーエバー21)を見ながら価格を下げ続け・・・

 現在、2490円。 

 日本のマスマーケットのプライスリーダーであるユニクロよりは少し高いけれども、気軽に購入できる価格で世界のファッショントレンドを手に入れることができるブランドとしてポジショニングしている模様。

 私は、H&Mの世界価格との比較から、日本では、ほぼ収まるところに収まったのではないかと見ています(記事に詳細な比較表と根拠を掲載しています)。

 今、日本のアパレル市場では

 ○百貨店価格の6がけで百貨店商品の満足度を目指すZARA

 ○ユニクロよりも少しお金を出せば世界のファッショントレンドがリアルタイムに手に入るH&M

 という グローバルSPA2社による新しい「価格スタンダード」が確立されつつあるのではないかと思っています。

 そうすると、今後は、アパレル各社の商品が、百貨店、ZARA、H&M、ユニクロ と比べてどうなのよ?

 というところが生活者の価格検討の比較判断基準になりそうです。
 
 今回 本紙に採用されなかったデータですが、

 私がH&M社のIR資料から推計した数値を少しご紹介しておきましょう。

 2008年9月    銀座1号店出店

 2012年11月期 売上高 361億円 2013年11月期 見込み500億円超

 2013年8月末現在 29店舗     2013年11月期には36店舗

 日本の1店舗あたり売上高は推定18億円前後 (1店舗年回り換算)
 一店舗あたり売上高は世界平均の2倍以上

 月坪効率は20万円台前半の水準で年々ユニクロの効率(25万円)に近づいている。

 出店は現在 前年比50%増のペース

 このペースで行けば

 2015年11月期には国内 1000億円超

 2016年11月期には国内 100店舗超

 は ほぼ間違いなさそうです。 

 同社は現在、アメリカ、イギリス、中国に集中投資していますが、それらが一段落して、美味しいマーケット=日本に照準を定めたら出店は更に加速するかも知れません。

 業界の方々にとってはちょっといやな話かも知れませんが・・・

 H&Mの地域一番店(売場面積と売上高)としての存在は否めません。

 その影響力を認めながら、どう棲み分けするかを考えることがアパレル各社の課題のひとつになりそうです。

 かつて各社がユニクロに対してそう考えたように・・・

 【おススメ本】 

 ZARAやH&Mの店頭での戦略や戦術をわかりやすく解説しました。
 
 『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

 全国書店で好評発売中です(新書コーナーにあります)。

 数時間あれば読めてしまいますし、すべての話が1話(約4ページ)完結型なので、
 興味のある話だけ読んでもOKです。
 
 お気軽に手にとってください。

 Amazonでご購入の場合はこちら・・・
 

いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第1位】→stay(13.9.11現在)


 

| | | TrackBack (0)

September 10, 2013

アメリカマーケットリサーチ報告(その3) 「コト」を体験する機会を一緒に提案するヨガウエアとランニングギアの成長株lulu lemon(ルルレモン)

 クリックして人気blogランキングへ

 アメリカ視察にあたり、ライフスタイル提案型ストアの注目株ということで、多くの業界関係者から名前が挙がっていたヨガウエアのlululemon(ルルレモン;1998年創業 カナダ バンクーバー本社)。

 予備知識なしで、西海岸の店舗に訪れると、アメリカでは、それほど広くはない店舗(平均売場面積74坪)に沢山の来店客、お客さんと店員が何ともフレンドリーに会話をする光景が。

 カラフルな機能素材を使ったフィットネスウエアという印象で、商品を手にするとナイキやアディダスあたりよりもひと目でわかる高い価格。

 なぜこんなに高い商品をレジに列を作って購入するのか?アメリカ景気は本当に回復したのか?と不思議に思いました。

 店内をしばらく観察していると、入口に大きな月単位のカレンダーのような掲示板が備え付けてありました。

 どうやら、この店では、毎週日曜日の午前中、店内でヨガ教室を行っているようなのです。ジム併設ではなく、店内の什器を移動させ、店の真ん中にスペースを作って行うそうです。 それゆえ店内の床もヨガをやってもよさそうなジムのような板張りなのですね。

Lulu 同社はヨガ&ランニングウエアブランドながら、ウエア、グッズだけではなく、各店舗で実際にヨガ教室In-Store Yoga 、ランニング教室Run Clubなどのコミュニティイベントを毎週開催しているライフスタイルファッションストア。

 以下ウェブサイトのStore Locator (店舗検索)から適当に店を検索してみてください。

 lululemon ウェブサイト

週一回 ヨガ教室を開催している店舗もあれば、ヨガ教室とランニング教室を毎週各一回開催しているお店もあります。 

 マーケティング的に言えば、これからは、「モノ」ではなく、「コト」を提案しなくてはダメだ、と言われて久しいですが・・・

 このlululemonでは商品による「コト」の提案だけでなく、どこでやればいいのか?どうやってやればいいのか?実際の体験の場を同時に提供することによって顧客との距離を縮めて顧客を増やした成功した事例と言えるのでしょう。

 当然、教室にやって来る顧客は来店頻度が上がりますし、顧客が教室に参加する時は、上から下までlulu lemonの最新ファッションで決めることは間違いないでしょうから買上げ頻度、客単価も上がります。

 な~るほどです。

 以前、店舗のスタッフが自らアウトドア体験ツアー(アウトフィット)を企画してツアーガイドとして、顧客を連れて行く日本のアウトドアブランド、モンベルの話を聞いた時も関心しましたが、より日常的に(毎週) 体験&コミュニティ事業を行っているところにlululemon の強さを感じたものでした。

Athleta_2 競合ブランドにはGAPが買収したAthleta (アスレータ)があります。 lululemon に比べると地味な色使いですが、同様に各店でヨガ教室を開催しているのは共通項のようです。

 athleta ウェブサイト

 lululemonは上場企業ですのでIR情報にも目を通しましたが、とても良い業績、収益率、販売効率にびっくりです。

 lulu lemon社 2013年1月期 ($=97円換算)

 売上高     1328億円   前年比 137%  既存店増収率 16%
 直営店売上高    1136億円   通販比率 14.4%
 営業利益        365億円   前年比 131%
 営業利益率       27.5%   (-1.2%)  在庫回転率 4.7回転 (11週分)  
 店舗数         211店舗    平均売場面積  74坪  
 1店舗あたり売上高  5.4億円   月坪効率    610千円    

 ルルレモンの成功の軌跡、躍進については btraxさんのブログに詳しいです。

 ヨガウェアファッションブランド|ルルレモンが成功した訳とは

 日本にも一時進出しましたが、文化の違いから撤退したようですね。 

 また、今年3月には女性用ボトムの17%にあたる商品リコール(パンツの透け)問題があったり、7月にはカリスマ経営者の退任宣言があったりで、株価が不安定な局面もあるようですが・・・

 競合ブランド athleta と競いながら 体験の場を提供する ライフスタイルストアの勢いは止まらないようです。

 【おススメ本】 

 8年間のブログの集大成。このブログで最も伝えたかったことをまとめた本です。
 
 『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

 全国書店で好評発売中です(新書コーナーにあります)。

 数時間あれば読めてしまいますし、すべての話が1話(約4ページ)完結型なので、
 興味のある話だけ読んでもOKです。
 
 お気軽に手にとってください。

 Amazonでご購入の場合はこちら・・・
 

いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第1位】→stay(13.9.10現在)


 

| | | TrackBack (0)

September 05, 2013

アメリカマーケットリサーチ報告(その2)~Anthropologie (アンソロポロジー)に見るライフスタイルファッションストアの条件

 クリックして人気blogランキングへ

 アメリカに店舗視察に行かれる、特にレディースカジュアルブランドに携わる方々が最も注目しているファッションストアのひとつが「アンソロポロジー」でしょう。

 「アンソロポロジー」は、アメリカの上場企業、アーバンアウトフィッターズ(以下URBN)社の第2の業態。

 同社の基幹業態である「アーバンアウトフィッターズ」とともに、アメリカのライフスタイルファッションストアの代表と言ってもよいでしょう。

 個人的には海外の日本未上陸ファッションチェーンで最も注目している業態です。

 Urban Outfitters ウェブサイト

 Anthropologie ウェブサイト

 「ライフスタイル」って言葉、日本でもよく使われていますが・・・

 ファッションストアがライフスタイルを名乗る場合、服や靴や服飾雑貨以外にアクセサリー、ファッション雑貨や生活雑貨をかき集めて品揃えをすればいいってものではないことは、アンソロポロジーを訪れるとよくわかります。
 
 私が以前から(視察は10年ぶりですが)同社のアーバンアウトフィッターズそしてアンソロポロジーの両ブランドが好きなところは

 誰のための店なのか?顧客ターゲット像が極めてはっきりしていて、それが長年ブレていないところです。

 それは同社の創業ブランド、「アーバンアウトフィッターズ」業態の生い立ちを知ると納得できるでしょう。

 1970年、フィラデルフィアの大学キャンパス内で1号店がスタートしたアーバンアウトフィッターズ(当時の店名はThe Free People’s Store)の顧客ターゲットは、大学に合格して親元を離れ、学生寮やアパートで独り暮らしやルームシェア生活を始めたアート、音楽、ファッションが好きな男女。 

 彼ら彼女らの生活シーンで必要なアパレル、アクセサリー、アパートメントウエア(アパートの部屋の中で必要なもの)&ギフトを品ぞろえしています。出店ポリシーは大学のある街というのも一貫していますしね。

 そんなアーバンアウトフィッターズブランドを育てた会社だからこそ、その後、1992年に創業したアンソロポロジーの顧客ターゲットも顧客像(ペルソナ)から入っているわけです。

 アーバンアウトフィッターズよりも大人の洗練された現代的な女性。コンセプトは”escape from the everyday”。 URBN社のIR資料によると28-45歳と客層は少々幅広いですが、商品カテゴリー軸ではなく、生活シーン軸で「顧客の生活シェア」をカバーしようということが考えられているストアであることは共通しています。

Imag2325

 アンソロポロジーの店構えは、中米のリゾート地にある別荘にのような色使い、廃材やアンティーク家具を上品に使った内装が特徴。
 
 平均売場面積 200坪弱の店内は、ターゲット顧客の生活シーンごとに売場が括られ、そのシーンに関連した商品が来店客の好奇心を掻き立てるように魅力的に陳列されています。

 そのあたりが、ライフスタイルを名乗ってもそのほとんどが商品カテゴリー、つまり服は服、生活雑貨は生活雑貨と商品別に売場をくくりがちな日本のライフスタイルストアとの大きな違いではないでしょうか?

 今回、LA界隈で5店舗、NYマンハッタンで2店舗のアンソロポロジーを視察しましたが、2つと同じ内外装の店はなかったものの、売場を構成しているカテゴリー(シーン)の共通項はおおよそ次の通りかなと思います。

1)植物のある日常 

2)お出掛(外出)と旅行

3)リビング

4)ダイニング&キッチン

5)ベッドルーム

その他 店によって、小規模ですが、キッズ関連、ドッグ(犬)関連コーナーあり

 日常から逃避した憧れの住まいの中にある、それぞれの部屋(カテゴリーコーナー)には

 そのシーンに関連した 服がオリジナル、セレクト ミックスで スタイリング(ルック回転)陳列で提案され、靴、アクセサリー(関連グッズ)、ギフトがミックスコーディネートされています。 更にそこに必ず一緒に置いてあるのが、「コト」を提案する写真の豊富なハウツー本です。

 具体的に言うとガーデニング、フラワーアレンジメント、テーブルアレンジメント、ピクニック、フランス旅行、料理本などなど。ときたまセレクトショップに置いてある、わかる人だけにわかるアート本や写真集ではなく、そこに置いてある意味がはっきりしている本なのです。

 これらのビジュアルなハウツー本が、来店客をその生活シーンに感情移入させる役割を果たしているように思います。

 そんなことに気づいたら、ふと、ヴィレッジヴァンガードが服屋をやったらどうなるかなと勝手に想像して楽しんでおりました(笑)。

 また、個性的なアンティーク什器にも興味をもって見ていると、何やら手書きの値札がついていることに気が付きます。

 なるほど、商品だけでなく、これらも売ってしまうんだな~ということに気が付きます。 現地在住の方によれば、什器(家具)もたまに売れて入れ替わって、売場の雰囲気も変わることがあるとのことです。

 それから、必ず店頭ファサードにある多彩な観葉植物も、それそのものは売りものではありませんが、その時その時の季節感を演出し、季節とともに店頭の雰囲気を変える役者のひとりであることも間違いなさそうです。

 独特の世界観の中で、ターゲット顧客の生活シーンを提案するだけでなく、来店頻度を高めるために、商品回転のみならず、店内を変化させる工夫を心がけている会社であることは

 URBN社の在庫回転率(原価ベース)がアメリカのチェーンの中ではそこそこ高め(6.6回転;在庫週数8週)なことからも感じ取れます。 (参考 GAP社 5.6回転 J.CREW社 4.9回転)

 以下 URBN社のIR情報から 同社、アーバンアウトフィッターズ、アンソロポロジーの基本情報です。

 アーバンアウトフィッターズ(URBN)社(会社全体)
 2013年1月期 為替$=97円で計算

 売上高 2711億円 前年比113% 既存店売上高前年比 0.6%減
 粗利率 36.9% (+2.1%)
 営業利益 363億円 前年比131%
 営業利益率 13.4% (+1.9%)
 在庫回転率 6.6回転

 アーバンアウトフィッターズ
 全米          807億円    167店舗
 インターナショナル 179億円     48店舗
 計            986億円   215店舗  
 全米の平均売場面積 243坪 
 一店舗あたり売上高 4.8億円 
 月坪効率 165千円
 プライスポイント(婦人シャツブラウス)  $39.95

 アンソロポロジー
 全米          805億円   169店舗
 インターナショナル  21億円    11店舗
 計            821億円   180店舗 
 全米の平均売場面積 193坪
 一店舗あたり売上高 4.7億円
 月坪効率 205千円
 プライスポイント(婦人シャツブラウス) $88 
 
 【おススメ本】 

 8年間のブログの集大成。このブログで最も伝えたかったことをまとめた本です。
 
 『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

 全国書店で好評発売中です(新書コーナーにあります)。

 数時間あれば読めてしまいますし、すべての話が1話(約4ページ)完結型なので、
 興味のある話だけ読んでもOKです。
 
 お気軽に手にとってください。

 Amazonでご購入の場合はこちら・・・
 

いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第1位】→stay(13.9.5現在)


 

| | | TrackBack (0)

« August 2013 | Main | October 2013 »