アメリカマーケットリサーチ報告(その7) マンハッタン5番街を埋め尽くすH&M、いずれは東京でも・・・
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今回 10年ぶりのマンハッタンで確認したかったことのひとつが・・・
H&Mが当地でどれだけ店舗を拡大し、ローカルチェーンに影響を与え、顧客に支持されているかを見ることでした。
今でも忘れはしないのは、2000年、当時、アパレル小売りチェーンに勤務していた私が、H&Mがアメリカ、ニューヨーク州マンハッタンのそれもラグジュアリーブランド、百貨店が立ち並ぶ5番街の要所に1号店となる大型旗艦店を開店したのを視察に行った時のことです。
多くの女性客で賑わい、フィッティングルームもレジも長蛇の列。地上3階、吹き抜けで店内の多くの場所から店全体が見渡せる構造は、買い物オーラを発しまくるマンハッタンのオフィスお勤めの女性客方がお互いにオーラを受け留め合い、相乗効果で買い上げ率を高めるような魔法にかけられたような空間だったのを覚えています。
今回も若干の改装はしていたものの、その来店客のオーラを上手に利用するコンセプトは変わっていない、5番街に旗艦店を持つグローバルチェーンの中で最も集客をしていた店舗のひとつでした。
この店づくりの発想、H&Mは日本も含め、多くの他の店舗でもあたりまえのように行っていることなのですが、
日本のファッションストアも海外のファッションストア、特にメガストアから見習わなければならない点のひとつだと思っています。
大型店の構造や内装を考えるものは、店の美しさ、自己満足だけに浸っていないで、来店客が持つ無限大のパワーを引き出し、利用することを考えるべきだと。(店舗は小さいですが、スタバだってそこのところわかっていて実践していると思いますが・・・)
13年前初めてH&Mの店舗を見た時の予感通り、単体で世界一を果たしたH&M。現在は全米で278店舗を展開(13年8月末現在)。
同社の出店国の中では、国別売上シェア、ドイツの20%に続き、アメリカが2番目に高い9%のシェアがあり、同国が世界の出店強化国の筆頭に挙げられています。
前回のエントリーにもありますように、アメリカのマスファッションマーケットのプライスリーダー、オールドネイビーと同じプライスポイントで、世界のトレンドファッションが提供されるポジショニングを確立しつつあります。
5番街をセントラルパークの南、ファッションリーダーストアであるバーグドルフ・グッドマンあたりから、アバクロ、GAP、ユニクロ、ホリスター、ZARA、H&Mとグローバルチェーンを覗きながら南下していたところ、通りの反対側にH&Mのこんな大きなビルボード広告を発見しました。
WE HAVE FIFTH AVENUE COVERED.
私たちは5番街に集中出店をして埋め尽くしつています。まもなくタイムズスクエアに6フロアーの11店舗目が開業します。
とでも訳したらよろしいでしょうか?
世界で家賃が最も高い立地のひとつであるNYマンハッタンの5番街で、同社のこの勝ち誇ったような看板広告の意味がお判りでしょうか?
そして、これを見て何も感じないファッションチェーンの経営者さんがいらっしゃいますでしょうか?
ニューヨークマンハッタンは、アメリカの中でも最も熾烈なグローバルファッションチェーンのパワーゲームの戦場です。
いずれは、銀座、表参道、新宿、渋谷、池袋、心斎橋、梅田、栄、天神・・・多くの日本の商業の中心地がH&Mに埋め尽くされる危機感を覚えながら・・・
同社と日本のファッション専門店の上手な棲み分け、立ち位置について考える毎日です。
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