« October 2013 | Main | December 2013 »

November 23, 2013

スタイリング志向か?単品志向か?その発想の違いに消化率の明暗あり

 クリックして人気blogランキングへ

 11月22日の日経MJにオンワード樫山がICBのブランド18周年を記念して、来年3月に18色展開のショート丈ステンカラーコート3万3千円を販売することに関する記事が掲載されていました。

 記念商品とは言え、高単価の商品に18色も付けるとは、ずいぶんチャレンジングなことをするなぁ、と思いながら記事を読んでいたところ、

 どうやらベトナムで生成り(生地染め前の白かベージュ)生地1色で縫製して、国内で製品染めすることによって販売に応じて染め分けすることで、カラー別の売れ残りリスク回避をされるようですので、余計なお世話ながらほっとしました。

 日本のファッション商品の企画で時折、ひとつの商品にものすごく沢山の色を付けることがありますが・・・在庫コントロールを生業にしていると、気になってしまうのはある意味、職業病でしょうか(笑)

 その昔、ユニクロがフリースジャケットを50色展開した時は圧巻でしたね。ブルー系はともかく、グリーン系の微妙な色の差に消費者はどう反応するのかな?と興味を持って見ていたのをなんとなく覚えています。

 その後、競合チェーンもその背中を見て、こぞって多色展開アイテムを発売していたような・・・

 商品のカラ―展開にまつわる話になりますが、

 今年4月に拙著 「人気店はバーゲンセールに頼らない」 を発刊してから、

 本の中でたくさん事例を取り上げたZARA(ザラ) は何故プロパー消化率が高いのか?どうしたらプロパー消化率を上げられるのか?という問い合せを頂いたり、議論をする機会が増えました。

 本をじっくり読んで頂ければわかることなのですが・・・

 他社がなかなか真似出来ない自社工場を利用した小ロット短サイクルのQR(クイックデリバリー)インフラが全てではなく、「そもそも」の別の理由があります。

 その理由のひとつは、ZARA やH&Mなどヨーロッパのファッションチェーンはスタイリンングコーディネートに必要のない無駄な色をむやみやたらに作らないことにあります。

 私が業務上、クライアント企業さんの在庫精査をさせて頂くと、いつも気がつくのは・・・スタイリングをあまり考えずに、単品あたりの色数をつけすぎたことによって、たくさんの死に筋在庫を産み出していることが少なくないということです。

 一般的に日本企業はヒット商品を生み出そうとするために、単品(プロダクト)の企画から始め、その素材を考えて、その単品の都合から色数(3色以上)を決めてしまいがちなところがありますね。

 これに対して、ヨーロッパの企業は、トータルのスタイル、コーディネートを起点に企画を始めるので、そのスタイリングに必要な色や柄配色を明快に絞り込み、不要な色や柄配色は生産しないため、結果、「死に筋色」在庫が生まれにくい環境にあります。

 ヨーロッパのファッションチェーンが日本に上陸して拡大している昨今、彼らの魅力が新鮮に、身近に感じられるようになった消費者は今、ファッション商品に対する消費行動を変えています。

 日本企業としても、日本にいながらにして、彼らの売場から多くのことを学ぶことができます。

 この商品企画のスタイリング(コーディネート)志向も、従来の俗人的な「感性」「センス」の問題ではなく、誰もがわかる「ビジネス科学」の問題として大いに学ぶべきことができることのひとつだと思っています。

 消費者がヨーロッパの王道ファッションに洗脳され・・・行動を変えつつある今、企業も発想の転換や、やり方を変えるいい機会だと痛切に感じる今日この頃です。

 【おススメ本】 

 ヨーロッパのファッションチェーンから学ぶことをわかりやすく解説しました。

 『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

 全国書店で好評発売中です(新書コーナーにあります)。

 数時間あれば読めてしまいますし、すべての話が1話(約4ページ)完結型なので、
 興味のある話だけ読んでもOKです。
 
 お気軽に手にとってください。

 Amazonでご購入の場合はこちら・・・
 

いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第1位】→stay(13.11.23現在)


 

| | | TrackBack (0)

November 16, 2013

【お知らせ】12月5日(木)アパレル商品知識勉強会 「ヨーロッパの服作りに学ぶ ~ZARA(ザラ)のパンツは なぜ色気を感じるのか~」

 クリックして人気blogランキングへ

 来る 12月5日(木)の夜、東京青山で弊社主催のアパレル商品勉強会を開催します。

 今回のテーマは・・・ヨーロッパのウィメンズパンツのシルエットとパターン(型紙)の研究です。

 講師は、今年6月にZARA(ザラ)のトップスのシルエットとパターン(型紙)について立体裁断の視点から、とてもわかりやすく解説して頂いて大変好評だった 「ゴン宮村」 こと 宮村知有氏に ご登壇いただきます。

 現在、国内88店舗、100店舗突破目前の人気欧州SPA(製造小売)ブランド、ZARA(ザラ)。

 その拡大、市場浸透により、ZARA(ザラ)はいまや都心部で働く女性のためのトレンド服のスタンダードのひとつとして重宝されていることは多くの方が認めるところではないでしょうか?

 今回の勉強会では

 ・ ZARAの 『パンツ』 は なぜ 色気を感じるのか、
 ・ ZARAの 『パンツ』 の こだわり はどこにあるのか、
 ・ 日本ブランドの 『パンツ』 との 違い はどこにあるのかなど、

 ZARAの『パンツ』 を講師独自の視点から、いろいろな角度から分析し、ZARAの商品を通じてヨーロッパのモノづくりのこだわりを誰にでもわかりやすく理解することを目的としています。

 『女性をきれいに見せる』 ことにこだわり続け、ヨーロッパの服作りを学び、パリコレ、東コレにも参加する日本人デザイナーのパターンを支え続けて来た・・・

 ハンチング帽がトレードマークのベテランパタンナー、宮村知有(ゴン宮村)氏が 独特の「ゴン宮村節」で 楽しくわかりやすく解説をしますのでお楽しみに。

 主な内容

 ○ ZARAのパンツに『色気』を感じる理由 を ゴン宮村 独自の目線で分析

 ○ パンツにおいて、『色気』を感じさせるポイント とは何か・・・

 ○ 美しいシルエットを目指す ZARAのパンツは 時代に合ったファッション

 ○ 文化習慣の違いから生まれた 『パンツ』 普及はスポーツがきっかけだった・・・

 ○ 美しいボトムスのシルエットの出し方とコツをお教えします

 ラグジュアリーブランドから、その他 国内外のSPAブランドまで幅広くパンツのパターンを研究、そこから導かれた ヨーロッパと日本のパンツの特徴や違いを現物サンプルをお見せしながらやさしくわかりやすく解説します。
 
 職種を問わず 理解していただける内容になっていますので安心してご参加ください。

※今回の勉強会はZARA(ザラ)のパンツを取り上げた今年5月16日の勉強会とは内容が異なります。別の講師が立体裁断のアプローチから違った魅力を引出します。前回参加された方でも新たな気付きを得て頂けると思いますので奮ってご参加ください。

タイトル: 「ヨーロッパの服作りに学ぶ ZARA(ザラ)パンツ編」
        ~ZARAのパンツは 何故 『色気』を感じるのか~大研究

   
日時  : 2013年 12月 5日(木) 19:00~20:30

場所  : 南青山クラブハウス会議室
        東京都港区南青山2-2-8 DFビル5F
        (東京メトロ 青山一丁目駅 徒歩3分)

講師  : 宮村知有 (ゴン宮村) 氏 

 ㈱ジュンアシダを経て、㈱アンダーカバーにてパリコレのパターンを作成、現在は東コレに参加のメジャーデザイナーをパターンで支援するなど、業界経歴39年のベテランモデリストです。

定員  : 25名(定員になり次第締め切り)

 ※12月3日時点 空席あとわずかです

参加費 : 5000円(税込み;当日徴収)
  
 
 尚、商品は主に ウィメンズロングパンツ を取り上げますが、テーマにご興味のある方はもちろん、「女性を美しく見せる服」にご興味のある方であればメンズ、レディース問わず十分吸収するものはある内容に仕上げたいと思いますので奮ってご参加ください。

 ご対象は、アパレル業界で商品に携わる職務の方、全般です。

 商品企画担当者様、生産担当者様、品質管理担当者様、バイヤー様、デザイナー様、パタンナー様、
店舗販売員様、および上記 スタッフ育成担当者様まで。

 講師経歴 : 宮村 知有氏 

 伊東衣服研究所〈成城〉卒業後、㈱メルローズ他、有名デザイナーズ、キャラクターズブランドのパタンナーを経て、ドレスから重衣料まで経験する中で、日本のパターン、服作りに疑問を感じるようになる。
 ヨーロッパの服作りを学ぶために、パリアトリエ経験のある近藤れん子先生の『東京立体裁断』 で、パリオートクチュールのテクニックである 『立体裁断』 を30年間学び続ける。
 その経験を生かし、㈱ジュンアシダに入社、「ミスアシダ」でチーフパタンナーを務める。
 その後、㈱アンダーカバーにてパターンを作成。
 現在は、ソマルタの東京コレクションのパターンを支援する傍ら、モデリスト、パタンナー育成、アパレル品質向上アドバイザーなど、弊社クライアント向けパートナーとしても活動中。
 
※ご質問、お申込みは・・・ こちらのメールアドレルまで>>>otoiawase@dwks.jp

①お名前、②差し支えなければ勤務先、職務内容、③連絡先お電話番号、④勉強会に興味を持たれた理由、⑤勉強会へのご質問、ご要望などをご記入の上、メールをお願いいたします。

 【おススメ本】 

 売れ筋単品よりも、スタイリングで魅了する、グローバル企業から学ぶこれからのMDの新常識とは?

 『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

 全国書店で好評発売中です(新書コーナーにあります)。

 数時間あれば読めてしまいますし、すべての話が1話(約4ページ)完結型なので、
 興味のある話だけ読んでもOKです。
 
 お気軽に手にとってください。

 Amazonでご購入の場合はこちら・・・
 

いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第1位】→stay(13.11.11現在)


 

| | | TrackBack (0)

November 15, 2013

大丸松坂屋とワールドが共同でオムニチャネルリテイリングへの取り組みを開始

 クリックして人気blogランキングへ

 11月13日の繊研新聞、11月21日付(14日発行)の通販新聞に、大丸松坂屋百貨店とワールドが両社のウェブストアを活用した 百貨店&アパレルメーカーコラボ型オムニチャネルリテイリングの取り組みを開始したことに関する記事が掲載されていました。

 通販新聞のウェブサイトにほぼ全文が掲載されているのでリンクを紹介させていただきます。

 通販新聞:オムニチャネルへの挑戦、大丸松坂屋百貨店、ワールドとのO2Oを実験

 スタートトゥデイの「WEAR」のサービスがスタートした11月8日(金)から1週間遅れることなく、13日(水)に両社が始めたサービスは・・・

 大丸松坂屋のウェブストア経由ワールドオンラインストアで選んだ商品を大丸松坂屋の特定店舗で試着の上受け取ることができる 「クリック&コレクト」(自宅受取も可)

 大丸松坂屋内のワールドの特定ブランドの店頭で在庫がなかった場合、店頭のiPadからワールドのオンライストアにアクセスしてオーダーをかけ、店舗でも顧客の自宅でも受け取れる 「エンドレスアイル」

 の二つ。

 今のところ、特定ブランド、限定店舗ですが、

 ワールドのオンラインストアの在庫を有効活用することで、

 大丸松坂屋に手数料を払うことで実現したこの取り組み、

 なかなか、やるではありませんか?

 「WEAR」のバーコードスキャン機能に目くじらを立てて、禁止しているよりは、自分たちならどうするか?どうできるか?を前向きに考えた取り組みとして大いに評価できる話ではないでしょうか?

 大丸松坂屋 クリック&コレクト

 正直、現状では、欲しい商品に行きつくこと、決済などに手間がかかり過ぎたり、制約があったりしますが、
前向きにスタートしたことが大事で、ユーザーの使い勝手と両社の利益の折り合いをつけながら、カイゼンしていただければ、いい方向に向かうのではないか?

 と期待しております。

 そして、磨きをかけて、

 館(ファッションビルや百貨店)とテナント(ブランド)が「顧客のために」気持をひとつにして実現可能なオムニチャネルリテイリングのひとつのモデル

 にしていただきたいですね。

 WEARも今回の大丸松坂屋ワールドの取り組みも、モバイルデバイス、アプリ、SNSの活用といったITリテラシーでファッション企業の先を行っている消費者行動に追い付き、応えようとするものでしょう。

 マーケットは顧客最適に向かう・・・が「消費の正解」 ですので、

 くれぐれもそれに逆行する発想ではなく、各社、消費者に使い勝手がよく、快適なお買いもの環境、お買いもの体験を実現して、

 結果、関係者全員がWIN-WINになることを目指して頂きたいと思ってやまない今日この頃です。

追伸: 多くの方々が新聞の購読を辞め、ネットニュースを読む昨今。時代に逆行して(笑)?11月から通販新聞を購読し始めました。
 木曜日週一回の週刊ですが、ブランド企業のEコマース、ECモール、物流事情を消費者視点に立った書かれた読み応えのある記事が少なくありません。今後、日経新聞、日経MJ、繊研新聞、WWDとともに、気になる記事をブログでも取り上げて行きたいと思います。

 【おススメ本】 

 消費者行動を知って、先回りをする・・・元気企業の新常識をたくさんご紹介しています。

 『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

 全国書店で好評発売中です(新書コーナーにあります)。

 数時間あれば読めてしまいますし、すべての話が1話(約4ページ)完結型なので、
 興味のある話だけ読んでもOKです。
 
 お気軽に手にとってください。

 Amazonでご購入の場合はこちら・・・
 

いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第1位】→stay(13.11.15現在)


 

| | | TrackBack (0)

November 12, 2013

ニトリ、アメリカで鍛えられることが世界展開への最短距離、と西海岸に2店舗を開店

 クリックして人気blogランキングへ

 11月10日の日経MJ一面にアメリカ出店を果たしたホームファッションチェーン国内大手ニトリの“AKi HOME(アキホーム)”の特集記事が掲載されており、楽しく読ませて頂きました。

 私も10年以上前、アパレルチェーン勤務時代に「チェーンストア理論」を学んだ故渥美俊一先生主宰のペガサスクラブ。

 同クラブでチェーンストア理論を正しく実践して成功している優等生の筆頭に挙げられるがニトリ。

 アメリカのチェーンストアの品揃えの豊かさ、リーズナブル価格、買いものの楽しさに魅了され、40年もアメリカに足しげく通いながら、その流通革新に学び、独自商品を開発しながら

 日本の生活者のためにアメリカ並みの買いもの豊かさ目指して来たニトリの快進撃にはいつも共感しながら、エールをお送りしたい気持ちでおります。

 同社の海外出店は1か国目の台湾を6年で黒字化させた後の2か国目。

 多くの日本のチェーンストアがアジア進出を進める中、世界で一番競争が激しいアメリカで成功することが世界への最短距離であるとともにかつてアメリカで学んだことへの恩返しと考え(似鳥社長)

 まずは4年で黒字化を目指す、あきらめずに執念深く取り組むとのことです。

 記事では南カリフォルニアに2店舗開店後の店舗視察レポート、来店客インタビュー、全米ホームファッション市場でのマーケットポジショニングが紹介されていました。

・アメリカ人がデザインした木目調と白の国内のニトリとは全く違う印象の店内外装

・品揃えはまずは7割が日本のニトリと共通、3割現地に合わせて、顧客の反応をみて変更を加えることを前提とした取り組み。

・アメリカの大手専門チェーン、クレイト&バレルやベッドバス&ビヨンドのMDを意識しながら、価格はディスカウンターのターゲットやIKEAより安く、ウォルマート以上の品質を目指す。(ポジショニングマップから)

 Aki HOMEウェブサイト

 一に価格、二に品質、三にコーディネートを掲げながら・・・

 アメリカ流通から学んだことは前例の少なかった日本では通用しても、本国アメリカではどうなのか?

 上記のポジショニングは理屈では判るが中途半端ではないのか?

 もちろん不安要素はいろいろありますが・・・

 来店客インタビューの評価を読むと

・明らかにサイズが小さい(50代女性)
・(店舗が小さいため)イケアよりも選択の幅が狭い(30代女性)

と言った従来の重厚長大型アメリカホームファッション市場との違いを指摘する意見もあるようですが、

 好意的な意見の中では、

・ウォルマートやターゲットのようなディスカウントストアに比べて品質と価格のバランスについての評価が高いことと、

・従来の大きな家具が自宅にフィットしないので(ニトリの)アキホームのサイズが好き(20代女性)

・店が小さくて買い物しやすい(20代男性)

などがあります。

 後者の意見がそこそこあるとなると、大きな家向けのホームファッションだけが全てではない、それに対応しきれていない、スキマがあり、そこに突破口があるのかも知れないと思えてきます。

 例えば、私がアメリカで結構好きなホームファッションストアのひとつに、クレート&バレルが展開するCB2(シービーツー)という都市生活者向けホームファッション業態がありますが

 デザインがよく、サイズもいわゆるアパートメントサイズのものが多く、日本の我が家にも取り入れたくなるものが少なくありません。

 CB2ウェブサイト

 今回出店された郊外型のモールにそういった需要がどれだけあるかわかりません。

 しかし、世界最大のマーケット=アメリカは成熟市場と言われながら、いまなお移民も受け入れながら成長を維持しているマーケット。

 固定概念にとらわれない多くの可能性があることでしょうから・・・

 今後 ニトリ流 仮説検証、試行錯誤をしながら・・・何かをつかみ取られることを楽しみにしております。


 【おススメ本】 

 売れ筋単品よりも、スタイリングで魅了する、グローバル企業から学ぶこれからのMDの新常識とは?

 『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

 全国書店で好評発売中です(新書コーナーにあります)。

 数時間あれば読めてしまいますし、すべての話が1話(約4ページ)完結型なので、
 興味のある話だけ読んでもOKです。
 
 お気軽に手にとってください。

 Amazonでご購入の場合はこちら・・・
 

いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第1位】→stay(13.11.12現在)


 

| | | TrackBack (0)

November 09, 2013

しまむらが消費税増税後も総額表示維持を表明

 クリックして人気blogランキングへ

 11月8日の日経MJ、繊研新聞によれば、しまむらは消費税が8%に増税される来年4月以降も現在の総額表示を継続するとのこと。

 顧客のわかりやすさに配慮し、なおかつその後、消費税が10%へ増税された後のことを見据えた結論を出されたなと思います。

 来年4月以降、小売業は価格表示について、おおよそ以下の4パターンのどれかを採用することになりますが、(例えば、税抜価格が1000円の場合です)

A 税込 1080円  ・・・  いわゆる総額表示)
B 本体 1000円+税 ・・・ 具体的な税額表示なし
C 本体 1000円 (税込 1080円)・・・ 税込価格を併記 
D 税込 1080円 (本体 1000円)・・・ 本体価格を併記

 このうち、しまむらは Aの顧客が実際、レジで支払う税込価格のみを表示するというもの。

 もちろん、しまむらが実際に付ける価格は、1080円といった本体価格に消費税分を乗せましたよ、という価格ではなく、価格に敏感な顧客に割安感を感じてもらえる

 780円や980円

という末尾に主に80円を使った税込の総額価格表示となります。

 来年4月にまずは8%に増税、その1年半後に更に10%に増税されるであろう2段階の増税を視野に入れて・・・

 ユニクロはじめファッション流通業界の多くの企業が

 Bの「本体+税」という外税方式を採用する方向で進めている話を見聞きします。

 その理由は、

 ・増税負担の価格への転嫁や

 ・表示変更によるタグの付け替え作業のコストと手間を回避しながら

 ・本体は値上げをしていないことをはっきりさせる

 というところにあるようです。

 そんな Bの「本体価格+税」に傾く業界の流れをうけて、

 しまむら自身も当初 総額表示を表明しながら、一旦、白紙に戻して再検討をしていたその動向が注目されておりました。

 なんせ、業界1位のユニクロと2位のしまむらの存在、影響は無視できないですからね。

 私の周りでも 増税分をそのまま価格転嫁すべきか、多少負担すべきか 各社 頭を痛めているところで、もちろん、企業によって事情や考え方は違うので、正解はひとつというわけではありません。

 ただ、

 B の本体価格+税 を検討しているところは、どちらかというと、

 来春から10%になるまでの直近2年間の対応を中心に考えているのに対し、

 現在も 総額表示を行うしまむらは 

 いずれ総額表示が義務づけられる予定である3年半後とそれ以降を見据えて、たとえ消費税が上がっても、これから数年間のために、価格ポリシーを変えることは得策ではない、との結論を出したと言えます。

 今回の記事を深読みして、しまむらの判断を私なりに解釈すると

1.顧客にわかりやすい価格表示にする

2.いずれは税込総額表示が義務づけれる、それ以降の「未来」にフォーカスする

3.現在、国内でもシェアを広げ、影響力をますます強める外資の強豪SPAたちは海外での事例を踏まえるとほぼ間違いなく総額表示、なおかつ90円末尾の価格設定で来ると想定される

4.消費税が増税になっても税込総額で780円、980円という割安感のある80円を末尾とする価格をつけることは、増税分をコスト削減により吸収する企業努力が必要になる。そんな試練が企業体質を鍛えるチャンスにつながると考える。

 しまむらの幹部の方々はそんな風に考えたのではないでしょうか?

 来春は各社の対応はそれぞれ、ファッション流通でも市場に上記の4タイプが混在することになり、生活者は混乱させられることになりそうです。

 関連して、次は 「わかりやすい」 本体+税 ( 上記Bのパターン )価格をつけるというユニクロが 具体的にどんな 本体価格をつけてくるのかに注目ですね。

 各社の対応に、消費心理がどう傾くのか?

 それとも、心配するほど何も起こらないのか?

 業界の大きな関心が寄せられています。

 関連エントリー-コスト高局面は社員を鍛えるチャンス

 【おススメ本】 

 第4章は勝ち組企業の価格政策。
 国内外のファッション流通大手の価格政策を理解する上で参考にしていただければ幸いです。
 
 『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

 全国書店で好評発売中です(新書コーナーにあります)。

 数時間あれば読めてしまいますし、すべての話が1話(約4ページ)完結型なので、
 興味のある話だけ読んでもOKです。
 
 お気軽に手にとってください。

 Amazonでご購入の場合はこちら・・・
 

いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第1位】→stay(13.11.9現在)


 

| | | TrackBack (0)

November 04, 2013

セブン&アイグループ全社在庫一元化の狙い

 クリックして人気blogランキングへ

 11月4日の日経新聞(一面)によれば、セブン&アイ ホールディングスは約1千億円のシステム投資を行い、

 百貨店からコンビニまでグループ企業約20社全社で扱う300万点に及ぶすべての商品をインターネット上で販売できるようにし、

 グループ企業全社の在庫情報を一元化した上で、

 顧客がグループ内の違うお店で購入した商品でも一括受け取り、支払いできるようにするとのこと。

 更に、2018年度までには、ウェブストア上で店舗在庫を確認できるようにし、

 顧客は近隣のリアル店舗でもウェブストアでも、在庫があって、もっとも早く、都合が良く受けとることができる場所、手段を選択して購入することが可能になる模様。

 久々に目の覚める、これからの流通の先端を行く内容の記事にお目にかかりましたね(笑)

 取り組みの狙いは・・・

 もちろん、24時間営業で1日あたり1800万人が立ち寄ると言われるセブンイレブンでの顧客の一括受け取り&支払いでしょう。

 このしくみが完成する暁には世界でも類を見ない、日本最強の流通網をセブン&アイが確立することになるでしょうね。

 百貨店からスーパーから専門店からコンビニまで・・・

 グループ内の商品在庫があるすべての店舗や倉庫とセブンイレブンの既存の高頻度配送インフラを結びつけ・・・

 顧客の日常の行動サイクルに入り込むことによって完成させるグループ自己完結型サプライチェーン。

 これまで顧客の「購買行動」にフォーカスしてインフラに投資し続けて来た同グループならではの真骨頂ではないでしょうか?

 セブン銀行(ATM)がセブンイレブンの集客に大きく寄与したように、

 ネット販売の商品受け取りをセブンイレブンの店頭に集中させることによって、同グループはますますセブンイレブンに顧客が立ち寄る機会を作り、日販(一日あたりの売上高)を高め、更にライバル企業に差をつけることでしょう。

 また、将来的にはこのインフラに乗せて、グループ外の企業やブランドのネット販売の配送代行を行うことも視野に入れているのではないでしょうか?

 記事によれば、現在のセブン&アイのネット販売額は年商1千億円とのことですが、今回の取り組みを通じて2020年には年商1兆円を目指すとのこと。

 今後、配送代行まで視野に入れれば・・・現在、商品取り扱い高で10倍の差をつけられて独走している楽天やアマゾンに迫るECモールの一大勢力にもなることでしょう。

 今後の進展に注目しております。

 同記事に関連して、日経新聞の「きょうのことば」に「オムニチャネル」が取り上げられておりました。

 当ブログでは今年、「オムニチャネルリテイリング」に注目しています。
 
 関連エントリー-「オムニチャネルリテイリング」は今年の流通業界注目の重要キーワード

 【おススメ本】 

 店頭起点、顧客視点、消費者心理、購買行動を考える上でも参考にしていただけると思います。
 
 『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』

 全国書店で好評発売中です(新書コーナーにあります)。

 数時間あれば読めてしまいますし、すべての話が1話(約4ページ)完結型なので、
 興味のある話だけ読んでもOKです。
 
 お気軽に手にとってください。

 Amazonでご購入の場合はこちら・・・
 

いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
blogrankings2  ビジネス・業界ブログランキング 【第1位】→stay(13.11.4現在)


 

| | | TrackBack (0)

« October 2013 | Main | December 2013 »