セブン&アイグループ全社在庫一元化の狙い
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11月4日の日経新聞(一面)によれば、セブン&アイ ホールディングスは約1千億円のシステム投資を行い、
百貨店からコンビニまでグループ企業約20社全社で扱う300万点に及ぶすべての商品をインターネット上で販売できるようにし、
グループ企業全社の在庫情報を一元化した上で、
顧客がグループ内の違うお店で購入した商品でも一括受け取り、支払いできるようにするとのこと。
更に、2018年度までには、ウェブストア上で店舗在庫を確認できるようにし、
顧客は近隣のリアル店舗でもウェブストアでも、在庫があって、もっとも早く、都合が良く受けとることができる場所、手段を選択して購入することが可能になる模様。
久々に目の覚める、これからの流通の先端を行く内容の記事にお目にかかりましたね(笑)
取り組みの狙いは・・・
もちろん、24時間営業で1日あたり1800万人が立ち寄ると言われるセブンイレブンでの顧客の一括受け取り&支払いでしょう。
このしくみが完成する暁には世界でも類を見ない、日本最強の流通網をセブン&アイが確立することになるでしょうね。
百貨店からスーパーから専門店からコンビニまで・・・
グループ内の商品在庫があるすべての店舗や倉庫とセブンイレブンの既存の高頻度配送インフラを結びつけ・・・
顧客の日常の行動サイクルに入り込むことによって完成させるグループ自己完結型サプライチェーン。
これまで顧客の「購買行動」にフォーカスしてインフラに投資し続けて来た同グループならではの真骨頂ではないでしょうか?
セブン銀行(ATM)がセブンイレブンの集客に大きく寄与したように、
ネット販売の商品受け取りをセブンイレブンの店頭に集中させることによって、同グループはますますセブンイレブンに顧客が立ち寄る機会を作り、日販(一日あたりの売上高)を高め、更にライバル企業に差をつけることでしょう。
また、将来的にはこのインフラに乗せて、グループ外の企業やブランドのネット販売の配送代行を行うことも視野に入れているのではないでしょうか?
記事によれば、現在のセブン&アイのネット販売額は年商1千億円とのことですが、今回の取り組みを通じて2020年には年商1兆円を目指すとのこと。
今後、配送代行まで視野に入れれば・・・現在、商品取り扱い高で10倍の差をつけられて独走している楽天やアマゾンに迫るECモールの一大勢力にもなることでしょう。
今後の進展に注目しております。
同記事に関連して、日経新聞の「きょうのことば」に「オムニチャネル」が取り上げられておりました。
当ブログでは今年、「オムニチャネルリテイリング」に注目しています。
関連エントリー-「オムニチャネルリテイリング」は今年の流通業界注目の重要キーワード
【おススメ本】
店頭起点、顧客視点、消費者心理、購買行動を考える上でも参考にしていただけると思います。
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