ニトリ、アメリカで鍛えられることが世界展開への最短距離、と西海岸に2店舗を開店
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11月10日の日経MJ一面にアメリカ出店を果たしたホームファッションチェーン国内大手ニトリの“AKi HOME(アキホーム)”の特集記事が掲載されており、楽しく読ませて頂きました。
私も10年以上前、アパレルチェーン勤務時代に「チェーンストア理論」を学んだ故渥美俊一先生主宰のペガサスクラブ。
同クラブでチェーンストア理論を正しく実践して成功している優等生の筆頭に挙げられるがニトリ。
アメリカのチェーンストアの品揃えの豊かさ、リーズナブル価格、買いものの楽しさに魅了され、40年もアメリカに足しげく通いながら、その流通革新に学び、独自商品を開発しながら
日本の生活者のためにアメリカ並みの買いもの豊かさ目指して来たニトリの快進撃にはいつも共感しながら、エールをお送りしたい気持ちでおります。
同社の海外出店は1か国目の台湾を6年で黒字化させた後の2か国目。
多くの日本のチェーンストアがアジア進出を進める中、世界で一番競争が激しいアメリカで成功することが世界への最短距離であるとともにかつてアメリカで学んだことへの恩返しと考え(似鳥社長)
まずは4年で黒字化を目指す、あきらめずに執念深く取り組むとのことです。
記事では南カリフォルニアに2店舗開店後の店舗視察レポート、来店客インタビュー、全米ホームファッション市場でのマーケットポジショニングが紹介されていました。
・アメリカ人がデザインした木目調と白の国内のニトリとは全く違う印象の店内外装
・品揃えはまずは7割が日本のニトリと共通、3割現地に合わせて、顧客の反応をみて変更を加えることを前提とした取り組み。
・アメリカの大手専門チェーン、クレイト&バレルやベッドバス&ビヨンドのMDを意識しながら、価格はディスカウンターのターゲットやIKEAより安く、ウォルマート以上の品質を目指す。(ポジショニングマップから)
一に価格、二に品質、三にコーディネートを掲げながら・・・
アメリカ流通から学んだことは前例の少なかった日本では通用しても、本国アメリカではどうなのか?
上記のポジショニングは理屈では判るが中途半端ではないのか?
もちろん不安要素はいろいろありますが・・・
来店客インタビューの評価を読むと
・明らかにサイズが小さい(50代女性)
・(店舗が小さいため)イケアよりも選択の幅が狭い(30代女性)
と言った従来の重厚長大型アメリカホームファッション市場との違いを指摘する意見もあるようですが、
好意的な意見の中では、
・ウォルマートやターゲットのようなディスカウントストアに比べて品質と価格のバランスについての評価が高いことと、
・従来の大きな家具が自宅にフィットしないので(ニトリの)アキホームのサイズが好き(20代女性)
・店が小さくて買い物しやすい(20代男性)
などがあります。
後者の意見がそこそこあるとなると、大きな家向けのホームファッションだけが全てではない、それに対応しきれていない、スキマがあり、そこに突破口があるのかも知れないと思えてきます。
例えば、私がアメリカで結構好きなホームファッションストアのひとつに、クレート&バレルが展開するCB2(シービーツー)という都市生活者向けホームファッション業態がありますが
デザインがよく、サイズもいわゆるアパートメントサイズのものが多く、日本の我が家にも取り入れたくなるものが少なくありません。
今回出店された郊外型のモールにそういった需要がどれだけあるかわかりません。
しかし、世界最大のマーケット=アメリカは成熟市場と言われながら、いまなお移民も受け入れながら成長を維持しているマーケット。
固定概念にとらわれない多くの可能性があることでしょうから・・・
今後 ニトリ流 仮説検証、試行錯誤をしながら・・・何かをつかみ取られることを楽しみにしております。
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