しまむらが消費税増税後も総額表示維持を表明
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11月8日の日経MJ、繊研新聞によれば、しまむらは消費税が8%に増税される来年4月以降も現在の総額表示を継続するとのこと。
顧客のわかりやすさに配慮し、なおかつその後、消費税が10%へ増税された後のことを見据えた結論を出されたなと思います。
来年4月以降、小売業は価格表示について、おおよそ以下の4パターンのどれかを採用することになりますが、(例えば、税抜価格が1000円の場合です)
A 税込 1080円 ・・・ いわゆる総額表示)
B 本体 1000円+税 ・・・ 具体的な税額表示なし
C 本体 1000円 (税込 1080円)・・・ 税込価格を併記
D 税込 1080円 (本体 1000円)・・・ 本体価格を併記
このうち、しまむらは Aの顧客が実際、レジで支払う税込価格のみを表示するというもの。
もちろん、しまむらが実際に付ける価格は、1080円といった本体価格に消費税分を乗せましたよ、という価格ではなく、価格に敏感な顧客に割安感を感じてもらえる
780円や980円
という末尾に主に80円を使った税込の総額価格表示となります。
来年4月にまずは8%に増税、その1年半後に更に10%に増税されるであろう2段階の増税を視野に入れて・・・
ユニクロはじめファッション流通業界の多くの企業が
Bの「本体+税」という外税方式を採用する方向で進めている話を見聞きします。
その理由は、
・増税負担の価格への転嫁や
・表示変更によるタグの付け替え作業のコストと手間を回避しながら
・本体は値上げをしていないことをはっきりさせる
というところにあるようです。
そんな Bの「本体価格+税」に傾く業界の流れをうけて、
しまむら自身も当初 総額表示を表明しながら、一旦、白紙に戻して再検討をしていたその動向が注目されておりました。
なんせ、業界1位のユニクロと2位のしまむらの存在、影響は無視できないですからね。
私の周りでも 増税分をそのまま価格転嫁すべきか、多少負担すべきか 各社 頭を痛めているところで、もちろん、企業によって事情や考え方は違うので、正解はひとつというわけではありません。
ただ、
B の本体価格+税 を検討しているところは、どちらかというと、
来春から10%になるまでの直近2年間の対応を中心に考えているのに対し、
現在も 総額表示を行うしまむらは
いずれ総額表示が義務づけられる予定である3年半後とそれ以降を見据えて、たとえ消費税が上がっても、これから数年間のために、価格ポリシーを変えることは得策ではない、との結論を出したと言えます。
今回の記事を深読みして、しまむらの判断を私なりに解釈すると
1.顧客にわかりやすい価格表示にする
2.いずれは税込総額表示が義務づけれる、それ以降の「未来」にフォーカスする
3.現在、国内でもシェアを広げ、影響力をますます強める外資の強豪SPAたちは海外での事例を踏まえるとほぼ間違いなく総額表示、なおかつ90円末尾の価格設定で来ると想定される
4.消費税が増税になっても税込総額で780円、980円という割安感のある80円を末尾とする価格をつけることは、増税分をコスト削減により吸収する企業努力が必要になる。そんな試練が企業体質を鍛えるチャンスにつながると考える。
しまむらの幹部の方々はそんな風に考えたのではないでしょうか?
来春は各社の対応はそれぞれ、ファッション流通でも市場に上記の4タイプが混在することになり、生活者は混乱させられることになりそうです。
関連して、次は 「わかりやすい」 本体+税 ( 上記Bのパターン )価格をつけるというユニクロが 具体的にどんな 本体価格をつけてくるのかに注目ですね。
各社の対応に、消費心理がどう傾くのか?
それとも、心配するほど何も起こらないのか?
業界の大きな関心が寄せられています。
関連エントリー-コスト高局面は社員を鍛えるチャンス
【おススメ本】
第4章は勝ち組企業の価格政策。
国内外のファッション流通大手の価格政策を理解する上で参考にしていただければ幸いです。
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