WEARとショールーミング議論、その向こう側にある顧客の購買行動
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みなさんはZOZOTOWNを展開するスタートトゥデイ社がリリースしたファッションライフスタイルアプリ
「WEAR」をもうお試しになりましたでしょうか?
私はリリース後 ダウンロードしてすぐ個人登録し、スマホで時折 楽しく眺めていたものの
メディアや業界で議論を呼んでいるバーコードスキャン機能を試す機会がありませんでした。
先日ようやくあるお店で試すことができましたので感じたことを少しまとめてみます。
結論を先に言えば
「WEAR」のバーコードスキャン機能はメディアが大騒ぎしているような・・・
ファッション消費の「ショールーミング(※)」化を加速させる脅威にはつながらないだろうということです。
(※店舗は商品を見るだけの場所となり、実際はECで購入する購買行動)
むしろファッション誌の売上を脅かすかもしれない?
個人でカスタマイズできる、毎日楽しめるファッション情報ツール(アプリ)としての機能にとても魅力がありますね。
バーコードスキャン機能に関しては
ユニクロやしまむらのようなスタッフが声をかけて来ない、視線があまり気にならない、大型セルフ販売ストアならまだしも・・・
20坪や40坪の小さなストアブランドの多い日本のファッションビルやショッピングセンターの店頭で、顧客自身がこのバーコードスキャン機能を使うのはかなり抵抗があって勇気のいることだと思います。
この機能で先行するアメリカの百貨店は日本の百貨店とは違って、チェーン店、セルフ販売店みたいな環境ですからね(笑)
また、上記の私が試したお店では
「WEARに参加しているんですね?バーコードスキャン試させて下さい」とスタッフさんに断って、
「どうぞどうぞ」 とのことで スキャンを始めたものの、NOT FOUNDが多かったこと・・・(汗)。
普通だったら何回か「NOT FOUND=見つかりません」が繰り返されたら止めてしまいますよね。
ようやく表示された商品に関しては、素敵な商品情報とコーディネート画像が用意されていましたが・・・
要は、お客さんは人の視線が気になる環境で・・・面倒くさい作業を喜んでするのか?ということです。
誤解しないでいただきたいのは、この機能は「使えない機能」ではなく、技術は大したもので顧客の未来のファッション消費のために大いに応用できるものだと思います。
このバーコードスキャン機能はWEARだけのものでなく、
小売業のクライアント企業に向けたある意味デモンストレーションと考え、
同様の機能をEコマースも同時に展開する百貨店、ファッションビル、ショッピングセンター、ブランドストアにカスタマイズして売り込んだらどうなのか?と思いますよ。
そもそもオムニチャネル時代はファッションストアにとってリアル店舗とEコマースは競合するものではなく、相乗効果を生み出すものでなければなりません。
正しい姿は、
・顧客がウェブで情報を取る
・店舗に商品を見に行く、試着する
・顧客の気に行った商品のサイズ在庫がなければ、スタッフが在庫のある場所から取り寄せるまたは顧客の自宅に届ける手助けをする
・ウェブサイトを使ってこんな商品もある、こんなコーディネートもできると紹介する
・顧客が今すぐ決断できなかったとしても、顧客が気に行った商品の情報を顧客が自分でも見ることができるように促す
この購買プロセスに館やスタッフが協力したという履歴を残すとともに顧客に情報を提供できればみんながハッピーになれるのではないでしょうか?
むしろ WEARの画面を見ながら 私があらためて考えさせられたのは・・・
○ 顧客は自分が持っている服、他店で買った商品とそのブランドの店頭にある服の愛称がよいかを知りたがっている
○ 自分のペースでゆっくりと判断したい
○ 外資を中心にセルフ販売のファッションストアが増えて・・・ショッピングという行為がある意味解放された。
売らんかな、という過度な接客よりは身近なおしゃれさんのコーディネートを参考にしたり、お友達の意見を参考にしたいと思っている。
スタートトゥデイのWEARの試みはそんな顧客心理を代弁、サポートするもので、今のファッション販売の店頭はそんな顧客心理を理解しきれていない、追いついていないのではないか?
であれば、顧客自らがスマホでWEARのバーコードスキャン機能を試す以前に、店頭のスタッフがiPadで顧客とブランドとの上手な付き合い方を共有するためのツールとして活用することが先ではないかと思ったものです。
そんな関係が構築できたら・・・
お客さんはスタッフとの楽しかったひとときの思い出とともに・・・
きっとまたお店に帰って来てくれるはずです。
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