オムニチャネルリテイリングのゴールは「IT情報武装をした御用聞き」
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ちょっと前の記事になりますが、5月5日の日経MJに掲載されていた記者コラム「戦略を読む」の中のセブン&アイホールディングス伊藤雅俊名誉会長のオムニチャネルリテイリングに関する話がとても示唆に富む内容だったのでご紹介させていただきます。
90歳をお迎えになった今でも毎日出社され、打ち合わせも訪店もされるという名誉会長にグループを挙げて取り組むオムニチャネルリテイリングについて記者の方が伺った時の話です。
「戦前の恐慌の後に店では全然売れなくなってご用聞きを始めた」
唐突な昔話かも知れませんが・・・
その昔、伊藤名誉会長のお母様が営んでいらっしゃった商店が恐慌のため店で待っているだけでは売り上げを確保できない状況になり、
当時名誉会長が子供ながらに商売の厳しさを目の当たりにして御用聞きや配達を手伝った思い出を語った話から始まります。
最近でもテイクアウトコーヒーでマクドナルドやコーヒーチェーンから客数を奪うなど、常に先を読み、どう来店頻度を高めるかを考え、成果を上げ、売上を伸ばし続けているセブンイレブンですが、
すでに次のことを模索されて取り組んでいることが「御用聞き」とのことです。
高齢化社会を迎える日本で
セブンイレブンが軌道に乗せつつあるサービスのひとつが会員50万人になったセブンの店舗から食事を宅配するセブンミールですが
かつてはヤマト運輸に宅配を委託していたところ、その後、加盟店の従業員が自ら届ける仕組みに変えたとのことです。
その狙いは 記事にもあるように
将来は宅配先にタブレットPCを持っていきセブン&アイの多様なネット通販の商品をお薦めする進化版のご用聞きを目論んでいるのは間違いなさそうです。
また、その布石として、広島市のセブンイレブン10店舗に専用端末を設置して店員が接客しながら顧客がセブンネットから書籍を選んで注文するという実験を始めたようです。
「オムニチャネルリテイリング」という言葉がひとり歩きしている昨今・・・
IT屋が煽る技術やテクノロジーが話題になることが多いですが、
テクノロジーはあくまでもツールであって、お客さんのお買いものとそれを手助けする商人が主役であることは間違いありません。
オムニチャネルリテイリングが将来どんなところに落ち着くのか?何となくイメージはしていましたが・・・
今回の記事を読んでそのゴールのイメージがとても鮮明になったような気がしました。
リアル店舗とウェブストアをつなげ・・・お客さんの利便性を高めて・・・商品は宅配業者に渡して、後はよろしくどうぞ、ではなくて・・・
セブン&アイはその先にある、お客さんとお買いもののお手伝いをする販売員の姿までイメージしていたことに脱帽したものでした。
現在から未来へ向かうその延長線上にある顧客購買行動の姿を明確にイメージできるかどうか?
そんな企業が勝ち組になる時代です。
アップルが勝ち続けているのもテクノロジーではなく、その顧客行動のイメージが極めて明確だからに他なりません。
ITで情報武装した商売人がお客さんのかゆいところに手が届くようなお買いものお手伝いをしている姿。
ファッションストアで言えば、
ブランディングから在庫からイベントから、これから近々入荷する商品まで、顧客が関心のあるストアブランドのすべての情報を網羅した通販サイトを
店舗スタッフが顧客とともにタブレットPCを覗きながら楽しみお買い物をお手伝いしている姿。
そして、それは決して店頭だけとは限らないというわけです。
例えば、そんな自社サイトにスタートトゥデイのWEARのようなブランドミックスコーディネートレシピ機能があれば・・・提案は無限大に広がりますよね。
今回の記事を読んでいて、そんなオムニチャネルリテイリングのゴールの姿を楽しくイメージさせてもらうことができました。
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