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November 07, 2014

COS(コス)は「手の届くラグジュアリー」需要を喚起する引き金となるか?

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 11月8日にいよいよH&Mの高価格帯ブランドCOS(コス)が南青山、青山通りと表参道の交差点からみゆき通りに入って間もなくの立地にオープンしますね。(南青山4-21-26;3層)

COS ウェブサイト

 数年前から、私もヨーロッパや香港でCOSを見ていて、

COSウエストフィールドロンドン

COS香港セントラル

 ベーシック(タイムレス)で無駄を削ぎ落としたミニマルデザイン、素材の質感を意識しながら、カットのきれいなシルエット、2シーズンまたはそれ以上は着用できそうで、それでいてこなれた価格・・・ 

 もし、ジル・サンダーにZARAをやらせたら・・・?

 みたいなお店だなと思いながら、結構、気に入ってお買いものをしていたので、とても楽しみにしておりました。

 H&Mが2008年に日本に上陸して、2009年に上陸したフォーエバー21とともにファストファッションブームが起こって5年が経過し・・・

 欧米ファストファッションは確実に日本のファッションマーケットに定着し、生活者のワードローブの御用達として浸透した感があります。

 ファストファッションが定着した後、ポスト・ファストファッション時代に、

COSがファストファッションの改良版となり、良質化志向の流れが期待される中で、また新しい「手の届くラグジュアリー」需要を刺激してくれるのではないかととても期待しております。

 以下、COSについて、10月27日付のWWDジャパン、11月6日付の繊研新聞、H&Mアニュアルレポートなどを参考にしながらCOSについてまとめてみます。

 COSは2007年、ロンドンに拠点をおいて、H&Mのクオリティではカバーしきれない、ファッション感度の高い都市生活者向けに開発を始めました。

 H&Mの本社はストックホルムですが、ヨーロッパの最激戦都市、ロンドンで始めるところに意味があるのですね。

 デザインと品質を両立し、手ごろな価格帯で提供することを目指し、現在、世界23か国107店舗に展開しています。

 2013年11月期の同社アニュアルレポートによれば、19か国85店舗(同期 新店21店舗)売上30%増の成長とのことで、今年度はポルトガル、アメリカ、韓国、オーストラリア、日本にも出店して、新たに25店舗を積み増すようです。

 H&Mの資本力からすると、立ち上げから7年が経過して110店舗ですので、結構、慎重な感じがします。

 20人の多国籍デザインチームは、商品企画を実際のシーズン1年半前、インスピレーショントリップに出るところから始めます。これはラグジュアリーブランドのデザイナーたちと同じようなタイミングに同じようなプロセスでスタートするということですね。

 パタンナーをかかえ、すべての商品のパターンを手掛け、以前、読んだ繊研新聞の記事によれば、中国に専用アトリエ、サンプルラインを持って、プロトタイプサンプルを作って、コストをはじいた上で、適切な産地と生産工場を決めて量産にかかるようです。

 こちらもコストと納期重視で、入札制で発注を行うと言われているH&Mよりもキメが細かいようです。

 WWDジャパンによれば、COSはウィメンズ2対メンズ1の構成で、1シーズンウィメンズ800型、メンズ300型を商品企画、毎週3回新商品が入荷するとのこと。

 企画はラグジュアリーブランド並みに時間をかけますが、店頭ではファストファッション並みに次から次へと新商品を紹介して顧客を飽きさせないところがH&Mらしいところですね。

 気になるのは・・・もちろん価格です。

 いいものが出来ても高かったら通用しない時代ですから。

 以下 WWDジャパンに掲載されていた価格帯を紹介します。

 ウィメンズ
 ドレス  6500-50000円
 パンツ  5000-40000円
 トップス  4000-16000円
 アウター 13000-55000円
 シューズ 6500-28000円
 バッグ  3500-28000円

 サイズ展開 32-44

 メンズ
 ジャケット 25000-30000円
 パンツ 8000-16000円
 アウター 25000-55000円
 シューズ  12000-28000円

 サイズ展開 44-54

 それぞれ日本およびアジア向けにはワンサイズ小さいサイズを加えているようです。

 WWDジャパンによれば内外価格差なし、繊研新聞によれば、H&Mの最高値がCOSの裾値とのことです。

 オープン後すぐは行列ができそうなので、客足が落ち着くころにゆっくり店頭に見に行って確かめたいと思いますが、

 ネット上で少しウィメンズラインのプライスポイントを調べてみました。

 まず、H&Mの内外価格差は・・・イギリスとフランスと日本を比較すると

 現在の1ポンド180円、1ユーロ140円換算で計算すると、内外価格差にはほとんどありません。

 実際には、日本がほんの少し安く、ジーンズはユニクロ対策なのか?日本が最安値です
 (3990円 イギリス29.99ポンド、フランス39.99ユーロ)

 次にイギリスとフランスのH&MとCOSの価格の差を比べてみました。

 両国ともおおよそですが、COSの価格はH&Mの価格の

 トップスおよびワンピースが3.5倍
 ボトムスが4.5倍
 ジーンズが2倍

 です。

 (アウターはデザインによっていろいろなので割愛)

 もし、日本でも内外価格差なし、ということであれば、COSの日本でのプライスポイントはおおよそ以下の通りになると推測されます。

 トップス(布帛) 8900円
 ワンピース   12000円
 パンツ      9900円
 スカート     9900円
 ジーンズ     7900円

 いかがでしょうか? おおよそ駅ビル系大手セレクトショップのオリジナルくらいの価格でしょうかね?

 であれば、アメリカントラッドをベースにしたセレクトショップが多い日本のマーケットの中で・・・

 ヨーロピアンベーシックをベースにした新たな選択肢の出現?となるかどうか?

 また、日本で現在注目を浴びつつあるドメコン(ドメスティックコンテンポラリー)ブランドと比べてどうでしょう?

 そんなことを考えながら・・・そのうち お店に行くのを楽しみにしています。


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