PRIMARK(プライマーク)が米百貨店シアーズと店舗賃借契約を交わしアメリカ市場進出拡大に弾み
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10月27日のWWDジャパンや10月31日の繊研新聞によれば、
アイルランドに本拠を置き、イギリスを中心にヨーロッパで勢力拡大中の低価格ファッションストア、プライマーク(ABF傘下)が、赤字が続きリストラを進める米老舗百貨店シアーズと同社が保有するアメリカ北東部の7店舗を借り受ける店舗貸借契約を結んだとのこと。
今回の契約は2015年にボストンに1号店を出店してアメリカ進出を決めていたプライマークにとってその後のアメリカでの拡大に弾みがつく話になることでしょう。
プライマークは世界アパレル専門店売上高ランキングで2013年度にイギリスのネクストを抜き去り、第7位に浮上
同トップテンの中で年率20%以上の成長はユニクロとプライマークの2社のみという世界的な成長株です。
関連エントリー 世界アパレル専門店売上ランキング2013 トップ10
2年前にヨーロッパでプライマークを視察した時のレポートはこちらです。
関連エントリー‐PRIMARK(プライマーク)はポストファストファッション時代の都市型ファッションディスカウンター?
プライマークの創業は1969年になりますが、90年代までは主に地方で展開していたため、ノーマークだった業界関係者も多かったと思いますが、
2000年以降、イギリス都心部進出を果し、超大型激安ファッションストアとしてイギリスで急拡大し、注目を浴びました。
そのきっかけは 欧州大陸のベーシックカジュアルチェーンの雄であるC&A(世界売上高ランク6位)の英国撤退跡や英国の老舗百貨店、量販店が業態縮小や事業撤退して空き家になった超大型店舗物件をまとめて好条件で譲りうける機会を得たことで、1店舗あたり3000坪クラスの巨艦店を次々に出店できたこと。
その地域最大級の売場面積を誇る巨艦店舗でバングラデシュなど南西アジアで生産したファッション衣料や雑貨(実用&ベーシック&トレンド)を・・・
H&Mらによる市場最低価格のさらに下を潜る激安価格で大量販売をして、低所得者層やワンシーズン数回しか着用機会のないトレンドファッションは安いもので十分と考えるティーンズ、ヤング層に支持されたことによります。
今回のシアーズとの貸借契約は、うまく行けばその後 全米への拡大余地も含む話でしょうから・・・
2000年代にプライマークがイギリスで急拡大したのと同じ現象がアメリカでも起こる予感がしてしまいます(汗)
昨今の世界のファッション流通の潮流を眺めていて・・・
ZARAやH&Mが中心になって起こした世界的なファストファッションブームの後に何が来るかを考えていますが・・・
ひとつは「ファストファッションの上質版」というか、
H&MのCOSや、ZARAのインディテックスグループのMASSIMO DUTTIや、米J.CREWのような「手の届くラグジュアリー」 あたりではないかと思いますが・・・
もうひとつのもっと大きなマクロトレンドは・・・プライマークが中心になって起こす「ファストファッションの更なる低価格」が考えられます。
今回、プライマークがアメリカで成功すれば、この後者の可能性はますます濃厚になり・・・いずれは日本へも上陸する?という話になるでしょう。
個人的にはこの流れは歓迎しませんが・・・
今後、日本でも欧米のように ますます 上質志向と低価格志向の消費の2極化が進み・・・将来的に日本が移民の受け入れなどを始めるであろうことを視野に入れるとなると・・・
その可能性は必然に変わってしまうかも知れないことに・・・少々危機感を覚えています。
プライマークのアメリカ進出は是非そんな視点で見守ってみてください。
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