日本に学び、その良さを生かして世界に羽ばたいた国際企業
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2月12日の日経新聞一面コラム春秋に、おそらく先ごろ深川で日本一号店をオープンしたブルーボトルコーヒーとおぼしき外資コーヒー店に関するコメントが掲載されていました。
コラムによれば、コーヒー豆を厳選して、一杯ずつ時間をかけて丁寧に入れる同店の発想について
「創業した米国人は店づくりのヒントを日本の喫茶店から学んだ」
とのことです。
日本から消えつつある喫茶店文化が海の向こうで、しかも時間が貴重品であるはずのITベンチャー企業を育てて来たシリコンバレーの投資家たちに支援され人気を博し、更に海外進出(文化の逆輸入?)も果たしたことに触れ、
「日本の喫茶店にも、自分たちが培ったコーヒー文化を押し立て、世界に羽ばたく道があったのかもしれない。」
という一文に、先日ブログで書いた
日本からもZARA(ザラ)のように母国と近隣国でつくり世界に売るグローバルSPAが生まれないだろうか?
という記事で書いたことにも通じる何かを感じました。
ご存じのように、ナイキもオニツカタイガーを、アップルだってソニーをリスペクトして世界に羽ばたいたブランドなのは有名な話です。
実は、既出のブログでご紹介したZARAの創業者オルテガさんだって、日本に学び、その良さに磨きをかけて世界一になった企業のひとつなのです。
お金がない創業時、生地屋さんに掛けで売ってもらった原反(生地)を自らが運転するトラックで縫製工場に運び、完成品を店舗に届け、店頭で商品が売れて回収したキャッシュを持って生地屋に支払いに行って、また新しい生地を仕入れるという人海戦術、一人SPA時代がありました。
自分がつくるファッションを世界中の女性に届け、おしゃれになってもらいたい、という思いから・・・
この人海戦術スピードオペレーションをもっとシステマチックに世界に届けるにはどうしたらよいのか?と考え、
IBMのコンピューターに精通した当時地元の大学教授だった方をブレーンとしてNO.2に据え(のちのZARAのインフラの基礎を築き、オルテガ氏と二人三脚で世界一に登り詰めたホセ・マリア・カステリャーノ氏)、
また、ZARAがまだスペイン、ポルトガルで百店舗になるかならないかという80年ごろに日本のトヨタのジャストインタイム(JIT)システムを高く評価し、JITのコンサルを入れて工場の製造効率に取り組んだという話があります。
つまり日本のトヨタ自動車の製造ノウハウを世界のファッション流通業界の中で最も評価、理解し、それを活かして世界一になったのがZARAであって、日本のファッション好きな女性たちの多くも回りまわって、その恩恵を受けているという話です。
日本の技術や文化をリスペクトし、海外で自己流に取り入れて成功して、その恩恵をまた新鮮な形で日本人が享受しているという話は他にもあるのではないか?と思います。
クールジャパンの世界への売り込みにはいろいろなアプローチがあるかと思いますが・・・
そんな海外の賢者が脱帽した日本のいいところという視点で日本の技術や文化を再評価して再生したり、むしろ次世代が継承したくなるような新しい切り口にして生まれ変わることを支援したりするものも面白いかも知れないと思った次第です。
【業界を学ぶ書籍のご紹介】
「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)
おかげさまで5刷、今年は中国、台湾、韓国で訳本が出版されます。
ベーシックカジュアルの価格と品質の常識を変え日本一のアパレルチェーンとなり、世界一を目指して突き進むユニクロとトレンドファッションの価格の常識を変え、世界一となったスペイン インディテックスグループの基幹ブランドZARA (ザラ)。
既存のファッション流通の常識に挑んだ2つのブランドの真逆のアプローチ、ビジネスモデル、2人の起業家が考える顧客満足、経営信念、人材育成、今後の成長の可能性まで・・・
10数年両ブランドをウォッチし続けた専門家の立場から両者の成長の舞台裏をわかりやすく解説しました。
「人気店はバーゲンセールに頼らない」 中央公論新社
電子書籍 Kindle版もあります。
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