トップショップ(TOPSHOP)国内5店舗が1月末で全店閉鎖
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早くは2月1日付のファッションスナップドットコムが、
その後、2月2日の日経新聞、2月3日の繊研新聞、4日の日経MJでイギリスのファストファッションチェーンの雄、TOPSHOP(トップショップ)の日本の独占代理店であるティーズが1月末をもって日本で展開する直営店5店舗すべてを閉鎖したことを報じていました。
尚、ECであるZOZOTOWN店は営業を継続しています。
各メディアによれば、
トップショップは2006年にラフォーレ原宿が小規模直営店でテストスタート。
手ごたえを得た森ビルグループはH&M日本上陸との相乗効果を図るべく2008年に運営母体となる日本の独占代理店 T’S(ティーズ)を森ビル系企業および投資ファンドが出資して設立。H&Mの上陸に先駆けてラフォーレ原宿の店舗を増床しました。
その後、ファストファッションブームもあって駅ビル、SC、路面店に4店舗を出店し(計5店舗)、ZOZOTOWNにも出店していました(現在ZOZOTOWNは営業継続中)。
日経MJによれば、売上規模は年商35億円(2014年2月期;民間調査会社調べ)。昨年、森ビル系企業と投資ファンドは資本を抜いてT’S単独の運営になっていたようです。
ラフォーレ原宿がトップショップのパイロットショップを出店してから新宿路面店を出店するまでの経緯は当ブログで毎年エントリーを上げていましたのでよろしければ以下をご覧ください(文末にまとめてあります)。
トップショップはイギリスでは売上規模でプライマーク、ネクストに次ぐ第3位の規模であるファッションチェーングループ アルカディアグループ(筆者まとめ;世界アパレル専門店ランキング2013年10位)の基幹業態。
イギリスではヤングストリートトレンドファッションの殿堂的ファッションチェーン。欧州ではH&M、ZARAと並んでファストファッション御三家と言っても過言ではありません。
私もロンドン視察時は必ずチェックするのがTOPSHOPオックスフォードサーカス旗艦店。
売場面積も売上高もワクワク感も世界一のファッションメガストアの筆頭と言えるでしょう。
そんなトップショップも日本進出にあたってはZARAやH&Mが直営であるのに対し、(ZARAは当初は合弁その後独資化) 本国が全く資本を入れないフランチャイズ(FC)形式での展開でした。
現在、日本で次のパートナー探しをしているとは言え(日経MJ)、日本からの一時撤退?の噂は払しょくできず、グローバルファッションチェーンウォッチャーとしては少々残念ですが、過去ブログの私の視点を読んでいただければ・・・現況ではそれも致し方ないかなと。
そもそも商品回転、鮮度命のファストファッションチェーンでのFC展開。
本国の魂がどれだけ籠っていたのか?というところはあります。
イギリスナンバー1ストリートファッションチェーンに恥じないだけのオリジナルブランドプラス 旬なNBブランドセレクト、古着、ホットなファッション雑貨、コスメ、ヘアケア、インディーズブランドインキュベーションまで、そのミックス感、ストリートトレンド発信がトップショップの本来の強みです。
それに対して、極東日本ではトップショップの知名度が一部のファッション好きに限定されていた上に・・・
売場面積の制約からオリジナルブランドに絞った品ぞろえ、内外価格差(そもそもイギリスでもH&MやZARAよりもちょい高めです)などの足かせ・・・
そこに今回の円安傾向も原価アップに追い打ちをかけたことでしょう。
ZARAやH&Mのような直営であれば、為替が変わったところで、最終的にグローバルで採算を取ればよく、国内企業が円安で値上げをするような気運にあれば、むしろ値下げをしてマーケットシェアを奪取しに来るなんて芸当だってやってのけます。実際、H&MもZARAも値段下げていますからね。
ところが今回の円安は日本単独で運営している独占代理店のコスト直撃でしょう。(これはトップショップに限らず多くの日本の輸入代理店ビジネスに言えること)
思い切りトップショップらしさを出せなかったところに・・・ラフォーレ原宿の売上家賃比率の高さ、新宿の坪家賃の高さでFCビジネスの採算では利益が取りづらく、円高がトドメを刺した、というところではないでしょうか?
今後 日本で展開する時は、是非、アルカディアが直営で腰を据えて・・・
グローバル戦略の中で運営、店舗展開して、本来の強みを発揮していただければ 日本市場でもまだまだ受け入れられる可能性があるのではないかと思っていますがいかがでしょうか?
【関連エントリー】
森ビルが投資ファンドと英トップショップの独占販売会社を設立(2008年10月)
トップショップが今秋TOCみなとみらいに核テナントで出店(2009年6月)
トップショップ/トップマン新宿店に行ってきました(2010年9月)
【お知らせ】
「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)
おかげさまで5刷、今年は中国、台湾、韓国で訳本が出版されます。
ベーシックカジュアルの価格と品質の常識を変え日本一のアパレルチェーンとなり、世界一を目指して突き進むユニクロとトレンドファッションの価格の常識を変え、世界一となったスペイン インディテックスグループの基幹ブランドZARA (ザラ)。
既存のファッション流通の常識に挑んだ2つのブランドの真逆のアプローチ、ビジネスモデル、2人の起業家が考える顧客満足、経営信念、人材育成、今後の成長の可能性まで・・・
10数年両ブランドをウォッチし続けた専門家の立場から両者の成長の舞台裏をわかりやすく解説しました。
前著 「人気店はバーゲンセールに頼らない」はKindle版が発売されました。
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