ユナイテッドアローズ(UA)のセールに頼らない仕入れと販売の仕組み
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2月10日の繊研新聞にセレクトショップ最大手のユナイテッドアローズ(UA)がシーズンMDの細分化と価格戦略の見直しに取り組み、プロパー消化率と収益性の向上に取り組むことに関する記事が掲載されていました。
記事によれば
同社はこれまで梅春、春、夏、初秋、秋、冬の6区分だったMDを
今後は梅春、春、初夏、盛夏、晩夏、初秋、秋、冬の8区分に細分化し、
顧客の体感気温に応じたきめ細かい商品供給を行うことによって実需対応しながら、
今期 第3四半期 増収ながらも減益となり、通期予測も下方修正を強いられた要因となったセールに頼った体質?を改善し、プロパー消化率を高め、期末在庫を圧縮して収益を高めようという試みです。
記事を読む限り、同社の新MD期は、春の前倒しと長期化する夏に対応した夏シーズンの細分化、そして秋冬は完全に実需に合わせようというかなり思い切った施策のようです。
流行の先端を行くセレクトショップ大手各社もシーズン初めはインポートやセレクト商品が並ぶものの、実需期を中心に全体的にはビジネスモデル、収益構造とも限りなくSPAに近づいているのが実態です。
その最大手のUAがいよいよ更なるSPA化に向けて舵を切るのか・・・そうすると、業界のビジネストレンド全体にも影響を及ぼしそうだ、とある意味、時代の変化の予兆を感じた記事でした。
記事の見出しに目がとまり、記事の内容を読んでいて、
私が 2013年4月に発売した
の中で訴えたかったことが、いよいよ業界大手さんたちにも受け入れられ始めてゆくのかな?とも感じ、少しうれしく感じました。
拙著で紹介させていただいた たくさんの事例は、鎌倉シャツを除いて、実際には何らかの値下げをする会社ではありますが、
○ 常に顧客目線に立ってタイムリーに商品を店頭に並べる、
○ 原則的には最初からプロパーで売り抜くつもりで設定した正直価格で販売をスタートする、
○ 大幅な値下げをしなくていいように必要な分だけ作る あるいは
○ 計画的につくるものの、売り切れないとわかったら、お客さんがまだまだ着ることができるうちに価格調整をして売り切り早期リセットし、値下げ幅は最小限にコントロールしながら、
○ むしろ顧客のために新鮮な商品をタイムリーに適価で提案し続けることを第一優先に考えている
ブランドたちでした。
本書の中で UAさんに関しても Eコマースやオムニチャネルリテイリングの事例に関しては紹介させていただいております。
今回、UAが挑むシーズン細分化の仮説が正解となるか?
答えを出すのはもちろん消費者ですが・・・
同社を始め業界全体が、より顧客に近づき、商売人として検証をしながら修正を加え、
更に顧客とともにハッピーになる方向に向かって行けば・・・
私が思いを込めて著した書籍の目的も果たせたことになるかもしれない、と期待をしながら応援しています。
このあたりの動向にご興味を持ち、ご一緒に考えていただけるのならば・・・
是非 ファッション商品の顧客満足と在庫コントロールを考えるビジネス読本
拙著 「人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識」(中央公論新社)
をお読みになってみて下さい。
新書版のためバッグに入れて持ち運びやすいサイズ、実務に直結した4ページ1話 読み切りストーリー集
多くのファッション専門店さんで社内勉強会や研修の副読本としていただいたり、推薦図書としていただき、前例にとらわれない柔軟な企業さんでは、各社の実態にあわせて応用して活用していただいています。
人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識 (中公新書ラクレ)
【目次と内容】
第1章 勝ち組企業の年間計画 顧客の需要にあわせた計画の立て方
第2章 勝ち組企業の行動サイクル 顧客の生活リズムにあわせた週次業務の運用のしかた
第3章 勝ち組企業の販売戦略 どう来店頻度を高めてファンづくりをするか
第4章 勝ち組企業の価格戦略 わかりやすい価格設定と販売管理のしかた
第5章 勝ち組企業の在庫コントロール ファッション小売業は店頭鮮度管理業
第6章 勝ち組企業が気遣う購買心理 真の顧客満足とは何か?
第7章 ファッションビジネスはどこに向かっているのか? ポストファストファッション時代を考える
付録 ファッション業界で学んだ仕事術 筆者のコンサルタントとしてのフィールドワークのノウハウを公開しています。
電子書籍 Kindle版はこちらです。
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