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October 19, 2015

【お知らせ】 「ファッションストアの在庫コントロールの実践」セミナーに登壇します。

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 このセミナーは終了いたしました。会場を満席にしていただきました皆様ありがとうございました。

 来たる11月5日(木) 久しぶりにアパレル専門店向け無料公開セミナーに登壇し、ファッションストアの在庫コントロールのテーマで講師を務めます。

 NECネクサソリューションズさん主催で主に年商50億~500億円規模のファッション専門店のシステムソリューションのための講演とパッケージソフトのデモを行うセミナーです。

 店舗数が20店舗前後になり、在庫運用に課題を感じ始めたファッション専門店さん、

 すでに超えているものの課題を感じながらも手つかずのままだったファッション専門店さん

 の日々の業務にタイムリーな話がご提供できると思います。

 また直営店を運営しているファッションメーカーさんにもお聴きいただきたいです。

 日時 2015年11月5日(木)13:00~16:30

     私の講演は最初の90分です。

 場所 Walk In Solution Center 東京

     東京都港区三田1-4-28(三田国際ビル1階)

 タイトル 「ファッションストアの在庫コントロールの実践」

 内容  シーズンごとにバイヤー、ディストリビューター、エリアマネジャー、店長が会社ぐるみで
     いかにピーク週に売上を高めるか、いかにシーズン末までに売り切るかを考える上での
     基本から実践例まで。 

     拙著「人気店はバーゲンセールに頼らない」(中央公論新社)や「ユニクロ対ZARA」 (日本経済新聞社)でもご紹介した事例も登場します。

 ※ 2部には無線LANに関するセミナー、3部にはアパレル通販CRMに関するセミナーがあります(いずれも講師の方は別の方です)。

 参加費 無料

 定員 東京会場 50名様 事前登録制  

    同時に 大阪と名古屋でサテライト中継にてご覧いただけます。


 ご興味がある方はリンク先からお申込み下さい。

 ■東京会場 お申込み
   こちらから
 

 ■大阪(TVサテライト中継) お申込み
   こちらから
  

 ■名古屋(TVサテライト中継) お申込み
   こちらから
 

 それでは 会場で皆さんとお会いできることを楽しみにしています。

  【おススメ本】

 長年の顧客購買行動分析と在庫コントロールの経験とノウハウを有名企業事例を用いてわかりやすくまとめました。

 人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識 (中公新書ラクレ)

   

 電子書籍 Kindle版はこちらです。

 

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October 15, 2015

ファーストリテイリング(ユニクロ)の決算サマリーを読んで感じた今後の課題

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 10月8日のファーストリテイリングの2015年8月期の決算発表を受けて、翌日以降の日経新聞、日経MJ、繊研新聞などでは

 増収増益の文字や

 インターネット売上高比率を30%以上にする壮大な計画の見出し ・・・

 10月12日の日経MJ は各種課題に触れていましたが、

 他紙は全般的には 前向きな論調を全面に押し出す記事でしたね。  

 一方、発表の翌日以降 それとは裏腹に同社の株価は大きく値下がりしました。

 遅ればせながら、同社決算サマリーに目を通したところ、

 売上高は当初計画をクリアしたものの、

 期初 2014年8月期決算発表時       売上高計画 1兆6000億円 

 前期 2015年8月期第3四半期決算発表時    同   1兆6500億円

 2015年8月期 通期実績            売上高実績 1兆6817億円(21.6%増)


 営業利益以下 利益の部分が、期待外れとなり、投資家の期待を裏切った形です。

 期初 2014年8月期決算発表時       営業利益計画 2000億円 

 前期 2015年8月期第3四半期決算発表時    同     1800億円

 2015年8月期 通期実績            営業利益実績 1644億円(26.1%増)

 (  )内は 前年実績対比

 今期の実績だけを見れば

 21%の増収 26%の営業増益

 営業利益率9.8% で

 日本のアパレル業界の中では間違いなくトップクラス

 また、柳井会長が掲げる2020年グループ年商5兆円の目標に対しても、

 拙著「ユニクロ対ZARA」の中でシュミレーションした同社の年次売上と2年連続でほぼ同じ推移を続けています。

 このペースで行けば2016年8月期はいよいよ米GAPの売上高に並ぶかそれを抜いて・・・

 世界売上ランク3位に浮上する可能性も大ですね。

 しかし、3か月前(第3四半期)まで期待を持たせていた利益予測がこの3ヵ月間で伸び切らないどころか逆にへこんだのが今期以降に不安を残した格好になってしまったのでしょう。

 さらにセグメントごとに見てみると

 国内ユニクロ事業は

 店舗数を減らしながらも売場面積を維持し

 (ユニクロ成長エンジンの十八番である増床移転のスクラップアンドビルト)

 約10%の増収 約10%の営業増益 

 15%の営業利益率(前年比横ばい) 

 単体で見れば申し分のない業績と思いますが・・・

 グループ売上構成比は46%に下がったものの

 営業利益構成比の71%を占め・・・

 他事業の低収益率を支えてあげなければならない状況は変わっていません。

 海外ユニクロ事業は

 45%の増収、31%の営業増益と絶好調ですが、

 営業利益率は 8% → 7.2% に低下

 グレーターチャイナ(中国香港台湾)が46%増収、55%営業増益 

 営業利益率も 11.9% → 12.7%に 改善

 一方、事業計から差し引きすると

 それ以外の地域は増収も  営業減益
 
 おそらく韓国(1000億円超)を差し引いてしまうと・・・米国を中心に大赤字になるので韓国の業績をはっきり開示しないのでしょうね。

 また、 グローバルブランド事業は

 17%の増収と 営業黒字化 

 これは 年商1415億円となったジーユーが

 営業利益率 6.3% → 11.6% に改善 これはご立派

 逆にその他の事業合計は赤字です。

 このように 

○ 国内ユニクロ事業

○ 海外ユニクロ事業のグレーターチャイナ事業

○ ジーユー事業

がグローバルレベルの業績水準であって

その他の事業は足を引っ張っているのが現実というわけです。

 それにしても

 ジーユーの1415億円 営業利益率 11.6%にはびっくりしました。

 2006年立ち上げ以来10年足らず、

 単独ブランドで日本のアパレル専門店売上ランキングトップ10にランクインする

 ユナイテッドアローズ2015年3月期1310億円 
 
 西松屋         2015年2月期1285億円

 あたりを抜き去ったのですから びっくりです。

 決算サマリーに目を通して・・・

 やはりグローバルレベルでは売上は伸ばせていくらGAPに追いついたとしても

 営業利益率10%未満は 
               直近決算営業利益率
 1位 インディテックス  18%
 2位 H&M        17%
 3位 GAP         13%
 5位 Lブランズ      18%
 7位 プライマーク    13%
 8位 NEXT        20%

 らのグローバルSPAと比べると見劣りしますね。

 関連エントリー- 世界アパレル専門店売上ランキング2014 トップ10

 ファーストリテイリング=柳井さんは 「フォーカス」の得意な企業(方)なので

 正論を言えば、上記の3事業に徹底に戦力と投資を集中すべきなんでしょうね。 

 ただし、今期以降も

 国内ユニクロの値上げ後の客離れ?と価格調整力を持って日本のシェア拡大を目論むグローバルSPA(H&M、ZARA、OLD NAVYなど)との更なる競合

 中国の店舗開発の強力パートナーである万達グループの不動産開発熱のクールダウン

 ジーユーの低価格を脅かす 輸入原価の高騰 やCSR問題 などなど

 課題も山積みです。

 これに対して、現在5%程度のネット売上構成比を将来的に30%以上にするというちょっと無茶なハードルのようにも聞こえる計画ですが・・・

 実は 世界売上ランク8位の英NEXT社の基幹ブランドである“NEXT”の

 Directory(カタログ&インターネット)売上構成比が40%、

 営業利益に至っては50%を稼ぎ出していることを考えると・・・

  (NEXT社 アニュアルレポート参照)

 ファーストリテイリングのインターネット売上高比率30~50%も あながち無茶な目標ではありませんし、

 英国という成熟マーケットで成熟期に入ったローカルチェーンが

 グローバルSPAとの真正面からの対決を回避して利益率を高めている良き先輩の背中を参考にするのも 

 むしろ得策なのかも知れません。

 いずれにせよ また新しいステージに入ったファーストリテイリング、ユニクロに注目しましょう。

 【おススメ本】

 ユニクロは果たして世界一になれるのか?
 世界のファッション流通マーケットもこの2ブランドを比較すれば よりわかりやすくなる!

 いよいよ台湾で中国語翻訳版も発売されました。 今後 韓国、中国本土と続きます。
 
 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

  

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October 02, 2015

H&Mの集中出店の威力、グローバルチェーンの価格調整力

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 10月1日の繊研新聞に先ごろ発表されたH&Mの第3四半期決算(2014年12月~2015年8月までの9か月決算)の記事が掲載されておりましたので、気になって同社のIRプレスリリースに目を通しました。

 売上ベースで22%増収、営業利益ベースで12%の増益で、9か月経過時点で売上高は1兆8780億円(SEK=14.21円で換算)規模。 

 このペースで行けば年商2兆5000億円規模になりそうで、もしや、いよいよインディテックスを抜くのではと思ってインディテックスグループの財務レポートもチェックしたところ・・・

 インディテックスグループは上半期(2015年2月~2015年7月)で売上が前年比17%増(既存店は7%増)、営業利益は25%増で同様に快走中ですので、まだまだH&Mはインディテックスグループには追い付きそうもありません。

 注:当ブログのH&Mの売上高は他のチェーンと合わせるために常にVAT抜きで表示しています。 

 それにしてもH&Mの売上上位国の中で、集中出店を宣言している アメリカと中国でのの成長率はものすごいですね。

 第2位 アメリカ の53%増(現地通貨ベースでは22%増)
      381店舗 売上は年商規模で 3500億円 相当

 第5位 中国 の 51%増 ( 同   21%増) 
      299店舗   同 年商規模  1500億円  相当

 参考まで 17位の日本は14%増 ( 同    7%増)
       53店舗   同 年商規模  510億円相当

 欧州先進国攻略の後、H&Mの矛先は現在 世界1位と2位のマーケット アメリカと中国に向いているため、日本での勢いはそれほどでもありませんが、

 アメリカと中国を攻めつくした後に向かって来るのは世界3位のマーケット、日本に間違いないでしょう。

 その時、現在のアメリカや中国並みの20%超のペースでアクセルを踏まれたら日本のアパレルマーケットは毎年150~200億円以上のペースで喰われ続けることになるでしょうね。

 現在、H&Mが日本攻略の手を緩めているからといって安心せずに・・・数年後にどう棲み分けをするかしっかり考えるべきでしょう。

 同じ外資脅威論ながら、視点がちょっと変わりますが・・・

 以下は今年8月後半にグローバルファッションチェーン激戦区ロンドンでファッションチェーンの価格調査をした時のウィメンズシャツ・ブラウスプライスポイントの一覧です。

ブランド    プライスポイント £=190円 VAT付加価値税20%込み
TOPSHOP(英)  £36.00→  ¥6,840
NEXT(英)     £26.00→  ¥4,940
M&S(英)      £25.00↑  ¥4,750
ZARA Woman   £29.99↓  ¥5,698
ZARA Basic    £25.99↓  ¥4,938
Trf(ZARA)     £19.99↓  ¥3,798
UNIQLO      £19.90↓  ¥3,781
NEWLOOK(英)  £17.99→  ¥3,418
F21         £15.00↓  ¥2,850
H&M        £14.99↓  ¥2,848
Primark      £10.00→  ¥1,900

矢印は2年前の同時期との比較で上がったか下がったか変わらないかを示したものです。

 興味深いのは・・・

 ローカルチェーンは価格を維持または値上げ

 グローバルチェーンは逆に下げていたことです。

 原価高騰や為替によってローカルチェーンはローカルの損益を中心に考え、防戦一方。

 そこにつけ込むグローバチェーンはグローバルで損得を考え、

 価格を調整してマーケットシェアを拡大するための価格調整力を発揮するという構図です。

 そんな現象は日本では起こらないと誰が言えるでしょうか?

 最近、ユニクロの店頭価格とH&Mの価格があまり変わらないこと・・・

 アウターに至ってはユニクロとZARAの価格が近づいて来ていることにお気づきでしょうか?

 マーケットの再編はまだまだ起こりそうです。

 【おススメ本】

 世界のファッション流通マーケットもこの2ブランドを比較すれば よりわかりやすくなる!

 いよいよ台湾で中国語翻訳版も発売されました。 今後 韓国、中国本土と続きます。
 
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