上海にファッションチェーン幹部研修に行って来ました。
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先週末に拙著「ユニクロ対ZARA」の中国語翻訳版をお読みになった中国研修会社の若手社長さんからのご依頼で上海にグローバルアパレルチェーンのビジネスモデル研究のための幹部研修講師に行って参りました。
2日間におよぶ研修の内容は、チェーンストア運営における経営理念、マーケティングおよびサプライチェーン、出店戦略と人材育成まで。
講義とワークショップを繰り返すセッションに、北はハルピン、南は広州まで中国全土3,000店舗から10,000店舗(桁が違いますね)を展開する複数のファッションチェーンの若手幹部の方々が集まり、
会社の壁を越えて積極的にディスカッションと遠慮のない積極的な挙手による質疑応答であっという間に時間が経過しました。
この積極性は日本のビジネスマンも見習いたいところです(笑)
中国の大手SPA(ストアブランド)は元々製造業出身の企業が多く・・・
ブランドを立ち上げて、店舗デザイン、広告宣伝、商品供給はするものの・・・
大多数の店舗は直営ではなく、中国各地の「代理商」と呼ばれる地元に利権を持ったフランチャイズオーナーに販売を任せるといういわゆるFC(フランチャイズ)ビジネスのスタイルを取っています。
また、店舗数が3,000や10,000と聞くとびっくりしますが、売場面積30坪クラスの小型店がほとんどなのが実態です。
右肩上がりの市況の時は商品を供給すればするほど売れて儲かったものの・・・成長が鈍化した中国市場では、FC先での売り上げ減と売れ残り在庫が深刻化。
フランチャイジーから降りる先が増える中で、直営化に活路を見出す前向きなストアブランドも増えているようです。
中国地場のナショナルチェーンがそうこうしているうちに、
大型直営店による本格SPA方式であっと言う間に中国最大のアパレルチェーンとなったユニクロ。 (2016年2月 436店舗 推定年商 約2000億円)
グループ複数ブランドを動員して都心部を中心に店舗網を拡大しているZARAのインディテックスグループ。 (2016年1月末段階で 7ブランド 566店舗 推定年商 約1200億円)
中国を世界の集中出店国と位置付け大型店を展開するH&M (2016年2月末段階で365店舗 推定年商約1600億円)
これまでは商品を供給しっぱなし、一方で店頭ではインセンティブに基づく個人販売とディスカウントで売上を立てていた中国ストアブランドが直営化を進める過程で・・・
チェーンストアマネジメントの壁にぶつかり、反省をし、ようやく ユニクロやZARAなど外資企業からチェーンストアオペレーションを学ぶ必要性に駆られ始めた、というのが今回の研修に至った背景にあるようです。
最初から直営で脇固めをしながら拡大をして来たグローバルチェーンに追いつくのはそう簡単には行かないでしょう。
ただ、多くの若手幹部の方々が、目先のもうけや単なるオペレーションのものまねだけでなく・・・
グローバルSPAの徹底的な店頭起点、顧客目線の優位性に気がついてくれたこと、そして
店頭の人材育成や評価基準の見直しが急務であることを強く感じたという感想が多かったことは救いでした。
これから何回か現地に伺うことになりそうですが・・・
新しい考え方を持った新世代の経営者や起業家の方々が東アジアで既存勢力と良きライバルとなる新しいグローバルチェーンを育ててくれることを楽しみにしていたいと思います。
【おススメ本】
トレンドファッションの商品管理の基本はZARAから、ベーシック衣料はユニクロから
両極に位置づく2つのブランドの顧客心理と在庫コントロールの本質を知れば、多くのファッションチェーンのオペレーションに活かせるはずです。
今年は中国に続き、韓国でも翻訳版が出版されます。
「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)
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