ファッション専門店のECサイトのあるべき姿とは?
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前回の2月10日付繊研新聞折り込みオムニチャネル特集を読んだ感想の続きです。
リアル店舗とECの在庫連携や在庫運用以外で、ECサイトはどうあるべきか?を考えさせられた企業事例を要約しながら、私の感想を添えてご紹介させていただきたいと思います。
まず、サザビーリーグ社の事例から
・同社は以前グループポータルECサイトに複数ブランドを掲載していたものをブランドごとに解体して単独サイトにしたところ・・・プラスの効果が出て、16年のEC売り上げ伸び率は二桁増
【コメント】 お客様は企業が見せたいものより、自分が知りたい目的の情報に早くたどり着きたいのですよね。
次に、ビームス社の事例
・ECサイトをオフィシャルサイトと統合した結果、圧倒的にECサイトの訪問者数が伸びている
・オーダースーツを作るようなロイヤルカスタマーは実店舗で買われるが、そんな顧客さんでも情報収集にはウェブをかなり使っている。
・企業サイトとECを統合したのは、お客様がお忙しい中、すき間時間に少しでもビームスと接点を持ってもらうため。
・サイトは一括で欲しい情報を見ることができるようになり、すぐに店舗に連絡する手段になった。
【コメント】 お客様の多くは、自分の空き時間にできるかぎりの情報を事前にネットでとっておいた上で・・・店頭で商品を確かめて、店舗スタッフさんからより深い知識を得て納得しながら、自分のペースでお買いものをしたいのですよね。
続いて、ナノ・ユニバース社の事例
・同社では、すでに自社EC在庫と店舗フォロー在庫を共通にしてあり、店頭に在庫がなくても、店頭スタッフのアシストがあれば売上を立てることができる。
ただし、逆に店頭の在庫をEC売上に引き当てるのには慎重である。
なぜならEC売上比率約40%の同社にとって、EC売上の瞬発力は大きく、それを進めてしまったら店頭の在庫が不足して、VMD含めて、店頭が弱体化するから。
【コメント】 以前ブログでご紹介したように、EC売上をイケイケで伸ばし、EC比率が高いブランドさん、あるいはECに販売計画がなく、そもそも店舗在庫を販売のあてにしているブランドさんではすでに店頭の弱体化が始まっているように思います。
関連エントリー- 15年度のファッション商品のEC売上比率は7.8%に。10%目前に次なる課題は?
最後にワールド社の事例、
・EC を各ブランドの売上一番店としてとらえて品ぞろえを重視し仕入枠の中で配分している。中にはEC店長を置くブランドもある。
(別の記事ではEC店長を置いているブランドは他ブランドよりも順調に売上を伸ばしているとのこと)
【コメント】 実際にZOZO店が一番店となっているブランドさんも少なくないはずです。
社内の組織はどうであれ、お客様から見たらEC店もリアル店舗も同じ横並びでどっちで買おうが構わないのが現実でしょう。
リアル店舗で商売人としてセンスを培った店長経験者にお客様の購買行動とリアルの他店に配慮しながらEC店を運営してもらえたら・・・いい業績を残すでしょうね。
また、店頭現場では発揮できなかった、現場とは違った潜在的なタレント(ハマリ役)の発掘にもつながるかも知れません。
さて、皆さんのあるいは皆さんがよく利用されるファッションブランドにとってECサイトはどんな存在になっていて・・・どっちの方向に向って進化しているでしょうか?
ブランドのイメージを伝えながら、商品を購入する販路のひとつというだけではなく・・・
お客様の情報収集の時間を短縮する機能
そして
お買い物の時間を短縮する機能
であるべきでしょう
また、これからは
決済をスムーズにする「決済手段」
という視点も加わってくるかと思います。
今回のオムニチャネル特集は後半半分は広告ですが、前半半分については、さすが、繊研新聞さん、とても充実して読み応えのある特集記事でした。
最後にビームスさんのECビジネス責任者の方のコメントで締めくくりたいと思います。
「購買は実店舗でいい。やっぱり私たちは店頭を大事にしたい。EC担当者なのに、変ですけどね。」
全然、変じゃありませんよ。 それが私たちファッション小売業に携わるものの使命(ミッション)であり、モチベーションです。
最近の各メディアによれば、同社では店頭を起点にしたEC改革が進んでおり、業界の中でも頭一つ抜きんでた感じがしますね。
お客様が店頭で素敵な商品に出会う場を次々に演出、アシストするために・・・
業界のEC担当者の方々にはますます頑張って欲しいです。 応援しています。
【おススメ本】
ファッション専門店の事例を用いて、顧客心理と在庫コントロールの大切さをわかりやすく解説したフビジネス読本です。
『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』
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