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April 14, 2017

GU(ジーユー)が国内店舗半数にセルフレジを導入へ~ストレスフリーショッピングの未来は?

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 4月9日の日経MJにファーストリテイリングのGU(ジーユー)が今年の8月までに同ブランドの国内店舗の半数にあたる176店舗にICタグを利用したセルフレジを導入することに関する記事が掲載されていました。

 このセルフレジは、商品を購入するお客さん自身がICタグ付きの商品をセルフレジ機で読み取りを行い、精算、袋詰めまでを行うもので、

 複数台のレジに対して顧客への説明やアシストをするのに必要なだけの立ち合いスタッフがいればよく、

 これまでのレジ業務を省力化、効率化し、限られたスタッフをより顧客の商品探しのための接客や在庫確認に当たらせることが目的になります。

 これまでGUの実験店舗では、精算時間が有人レジと比べて1/3で済み、混雑時のレジ通過客数も1割アップしたとのことです。

 混雑時(例えばピークタイム2時間)にレジ通過客数が1割アップできたとなれば、1日の売上の3%くらいの売上押上げ効果があるのではないかと思われますから・・・大きな効果と言えましょう。

 記事を読んで、新宿ビックロにあるGUの店舗を覗きに行きましたが、

 20台のレジのうち、なんと16台がセルフレジ、4台が有人レジの構成にびっくり。

 ずいぶん思いきりましたね。

 スーパーにあるセルフレジのような機械の中段に電子レンジのようなボックスがあり、

 その中に商品を入れれば、ICタグのおかげで、ピピピッと素早く商品を読み込み、クレジットカードや現金の精算もそこそこ早くて、あっという間でした。

 面倒と言えば適切なショップバッグサイズを自分で選んで、自分で袋詰めするくらい。

 ちょっと気を回してしまったのは・・・タグ落ち(値札が取れているもの)があったらどうするのかな?くらいでしょうか?

 また、このICタグはセキュリティタグの役割も果たしている模様です。

 ユニクロやGUやしまむらのような客数の多いセルフ販売型量販チェーンのように

 人手不足が深刻化し(出店計画にも影響が出ている昨今)、平日の夕方や土日午後のレジに行列ができるセルフ販売型 量販チェーンには大変有効だと思いました。

 ただ、一方で、通常のレジと比べて設備投資は大きいでしょうね。

 RFID(IC)タグの全品導入(ランニングコスト)とセルフレジおよび周辺機器への投資です。

 この設備投資に関しては、目先のテクノロジーだけでなく、未来のテクノロジーの進化も考えなければなりません。

 例えば、私はお客様のスマホ自身がレジに置き換わる日も遠くはないと思っています。

 いまや、アプリをダウンロードすれば・・・

 バーコードリーダーで商品はスキャン出来、今いる店舗や近隣店舗の在庫状況も確認できますし、ECサイトから購入することもできるわけですから、(実際ユニクロもGUもすでに出来ています)、

 この機能の延長線上で、スマホが将来的には、店舗のレジ替わりになることだって十分あり得ますよね。

 決済やレシートに関しても、

 ZARAが環境に配慮したサステナブルプロジェクトの一環で、スペインから始め、イギリスやアメリカに広げているInWallet という自社開発の仕組みが参考になります。

 これはアプリに登録したクレジットカード連携のQRコードでレジでは瞬時に決済が完了し、

 レシートはペーパレス(電子レシート)で、アプリに蓄積される。

 その電子レシートがあれば、将来、返品対応も可能という具合です。

 そんな、すでに世界で実現しはじめているテクノロジーをくみ合わせれば、お客様のスマホがPOSレジに置き換わることは時間の問題でしょう。

 もっとも、客数が圧倒的に多いところは、スピード、客捌き重視でセルフレジの方が効率的かも知れませんが、そうでないところは、スマホアプリのPOS化への取り組みは検討の価値は十分ありそうです。

 流通業の人手不足の深刻化、一方で、ストレスフリーなショッピングに対応するためのテクノロジーの進化からも目が離せませんね。

 関連エントリー-ジーユー・ユニクロはレジ待ち時間の短縮に、ZARAは欲しい商品を店頭で顧客の手に届けるためにICタグを活用する

 【おススメ】

 世界一のZARAのインディテックスの背中を追う、ユニクロのファーストリテイリング。それぞれの強み、将来性を多角的に考察しました。

 2014年冬に出版されたものですが、現在、両社が未来に向けて進めている施策もこちらの書籍の内容の延長線上で説明ができます。
 
 「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)

  

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