しまむらが2018年からネット通販を開始 独自の物流網をどう活かせるか?
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9月23日の日経新聞に しまむらが展開する「ファッションセンターしまむら」が2018年からネット通販を始めることに関する記事が掲載されていました。
記事によれば、
同社は専用倉庫に用意した一部商品をオンラインで販売し、顧客からスマホなどから注文された商品は全国2000店舗の店頭で受け渡す(=クリック&コレクト)ことからスタートし、
次にメーカー在庫を販売対象とした店舗での受け取り、更に宅配を検討する模様です。
当初は注文された商品は1-2週で店舗に届き、連絡を受けた消費者は店舗に出向いて受け取るという流れで、
これまでファッション衣料の多くの商品が各店各色各サイズ1点投入で売り切れ御免が特徴だったしまむらが、
・オンラインで注文した商品が確実に受け取れることを、
・ 1点あたりの平均単価 910円という安価な商品に対して、しまむらの独自の物流を活かす
ことで顧客にとってもしまむらにとっても、追加コストがかからない店舗受け取り配送
で実現しようという取り組みです。
正直 注文から受け取りまで1-2週間というのは・・・
トレンド商品を投入してから4-5週で売り切るしまむらのスピーディな在庫コントロールからすると少々遅いと思いますが、
オペレーションに磨きをかけ、注文から受け取りの日数が徐々に短縮されれば、既存の物流網と店舗網は大きなアドバンテージになることでしょう。
当初は世の中の既存の翌日配送系の通販サービスと比べられ、不満も少なくないでしょうが・・・
同社が辛抱強くオペレーションを磨き上げることで、アパレル専門チェーンのクリック&コレクトのベストプラクティスを実現できる会社であると思っています。
前々回のエントリーでご紹介した、ロンドンで急速に普及が進むクリック&コレクト(オンライン注文商品の店舗での受け取り)で感じたことは、
関連エントリー-ロンドン視察から 日本でのクリック&コレクトの普及を考える
このサービスのキーになるのは、運送会社に荷物を渡したら、終わりではなく、委託先任せにしない物流網の構築とコントロールだろうということでした。
今後、EC販路での消費が拡大して行く流通業界で、覇者となるのは、
配送は宅配便に任せておけば何とかしてくれる、と考える会社ではなく、顧客に確実に商品を届けるために、独自に強い物流網を構築した会社になると思っています。
中長期的な しまむらの取り組みに注目しておきましょう。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
【おススメ本】
ファッション消費の顧客購買心理を考えるビジネス読本
顧客心理への配慮と在庫コントロールロジックが明確な しまむら の事例もいくつか取り上げています。
『人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識』
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