ZARA(ザラ)創業者のアマンシオ・オルテガ氏がアパレル事業から引退?
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12月16日のハーバービジネスオンラインや12月18日のWWDジャパンによれば
ZARAの創業者であるアマンシオ・オルテガ氏がインディテックスグループ社関連53社の役員から外れ、アパレル事業から引退をされたという記事が掲載されていました。
これはインディテックス社の広報による報道ではなく、スペインの法務局の商業登記簿の告示によるものだそうです(WWDジャパン)
ファストファッションの巨人、ZARA創業者のアマンシオ・オルテガがアパレル事業からの引退を決意
「ザラ」創業者のオルテガ氏が引退 ファッションビジネスで最も成功した1人
拙著「ユニクロ対ZARA(ザラ)」単行本 ソフトカバー(日本経済新聞出版社)の執筆の取材を通じて、同社の歴史や社風や経営体制について、文献に触れ、関係者インタビューを重ね、深く考えれば考えるほど・・・
例え、同氏がいなくなってもZARAやインディテックスグループの他のブランドも順調に回り続けるだろうと思っておりましたので・・・
今回、同氏が役員から外れるからと言って、業績に対する影響は全くないと確信しています。
同社は、後継者に引き継ぐのが大変なカリスマワンマン経営者によるトップダウン型の経営ではなく、
ボトムアップ型の経営理念とオペレーションが企業文化にあります。
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というか、ボトムアップ型というよりも、
「店頭での顧客の需要」情報を起点とした高速サプライチェーンを実現することが「ミッション(使命感をもってやること)」であり、
そのスピード感と柔軟性を維持するために、社員全員が真摯な「聴き上手」であることを「カンパニースピリッツ(行動規範)」とし、
長年 オルテガ氏自らが行動をもってそれらを社内に示してきた会社です。
ハーバービジネスオンラインの記事の後半にあるインディテックス社 現CEOパブロ・イスラ氏が語るオルテガ氏の秀でた長所という = 「謙虚さと聞く能力」
これはまさに筆者が取材から一貫して感じたオルテガ氏像であり、同社内ではそれを見習った企業文化が熟成されていると言えます。
ですから、社員はみな、いつもイライラしていたりすぐに決定をひっくり返したりする経営トップを見ているのではなく・・・
また、保身のために情報にバイアスをかける中間管理職に悩まされることもなく・・・
常に顧客の方を向いて仕事をしている。
そして、その「顧客の需要ファースト」のスピリッツは 形骸化した標語でなく・・・
誰がやっても同じ結果が出せるように、長年、最適化されたしくみとオペレーションに支えられ、アップデートしてきたと言えます。
もともと、対外的な会社の「顔」として表にも出ずに、経営の意思決定にもほとんど口を出さなかったというオルテガ氏。
ですから 今回の退任はあくまでもペーパー上の話だけであって、同社にとっては、実質何も変わらないのです。
記事によれば、「オルテガ氏は、今後は不動産事業(おそらくインディテックス社の大株主であり、ファミリーの資産管理会社のことだと思います)と財団の経営に専念する」としているとありますが・・・
これまで経営の意思決定にはほとんど口は出さなくても・・・
長年 ZARA WOMANの商品企画が大好きで、「聴き役」として携わることを生きがいとしてこられた同氏のことですから・・・
今後、役員から外れても、これまで通り、時間さえあれば、そのチームのそばに居続けて、商品企画を一緒に楽しまれるのではないかと思われますよ(笑)
後継者問題に苦労しない会社のありかたとしても、オルテガ氏が率いたインディテックス社の企業文化から学ぶことは少なくありません。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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