ZOZOTOWN(ゾゾ)が米STITCH FIX の日本版「おまかせ定期便」のサービスをスタート ~パーソナルスタイルサブスクリプションサービスの課題と未来
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ZOZOTOWNが2月15日から 米STITCH FIX(スティッチフィックス)の日本版と言える サブスクリプション型のオンラインパーソナルスタイリングサービスである「おまかせ定期便」のサービスをスタートしましたね。
これは顧客の性別、年齢、身長、体重、テイスト、好みに関するアンケート、良く買うブランド、主要サイズ(肩幅、バスト、ウエスト上下、ヒップ、股下)などを入力することで、スタイリストが選んだ5-10点の商品が1ヵ月、2ヵ月、3か月の頻度で送られてくるもので、気に入らない商品は無料で返品できるというオンラインパーソナルスタイリングサービスです。
スタートゥデイ社のプレスリリースでは
服を選ぶのが面倒 ゆっくり服を選ぶ時間がない、似合う服がわからない などのお悩みが解消され、
多くの方々にファッションをお楽しみいただける
自分専属のスタイリストを持つような新しい体験
というようなフレーズで告知しています。
ZOZOに関連する過去のブログエントリー
いよいよ年内発売開始、ZOZOTOWNのプライベートブランド(PB)の概要が徐々に明らかに
でも触れましたが、ZOZOが、コーディネートが得意な販売員を大量募集していたので・・・米STITCH FIXの日本版を始めるのではないかと思っていましたが、早々に始めて来ましたね
これは顧客の身体ヌードサイズを正確に計測するZOZOSUITを既存ビジネスに活かす手段のひとつだと思いますので、とても興味深いです。
ご存じのない方に、米STITCH FIX(SF社)を簡単にご紹介すると
2011年に日系アメリカ人であるカトリーナ・レイク氏によって立ち上げられたサブスクリプション(定期購入)型のパーソナルスタイリストサービスで、
多くのアンケート項目に基づき、コーディネートされたアウター、トップス、ボトムス、雑貨 計5点が定期的に送られてくるもので、気に入ったモノだけを購入し、要らないものは返品できるというサービスです。全部返品すると$20のスタイリング料がチャージされる、すべて購入すると25%OFFになります。
AIがアンケートや購入後のコメントに基づき同社の在庫から5点以上のトータルコーディネートできるアイテムを選定し、人間のスタイリストがそれに補正を加えるという、「AIと人間のコラボ」というところに未来を感じ、非常に興味を持っていたビジネスモデルでした。
当初はアナログに近いオペレーションでスタートした同社も、AIに明るい共同経営者や投資家が加わり、急成長、現在 全国220万人の顧客、75人のデータサイエンティスト、3400人のスタイリストを抱え、年商1100億円を上げ、2017年11月にナスダクに上場した世界のファッションテック業界の注目株です。
アメリカではたくさんの奇抜なアイデアを持ったベンチャー企業が生まれ、メディアが過剰に騒ぎすぎるきらいがありますが・・・
正直、まだ規模が大きくないものをどう評価するべきかわからないものも、たくさんあります。
その中で、1000億円規模になった同社は立派なビジネスとして評価するに値します。
SF社のサービスを知っていただければわかるように、ZOZOのおまかせ定期便サービスは その日本版と言ってもよいでしょう。
AmazonFashionより先に始めたのは流石、前澤さんのフットワークです。
そして、ZOZOSUITが実際に配られれば更にその精度が高まりますね。
ただ、このサービスの課題として想定しなければならないのは、ネットを検索していると、この素敵に見えるSF社のサービスの課題を指摘する顧客購買行動に関するデータがあることです。
それによると、定期購入者の客単価(一回あたりの購買額)が、回数が進むにつれて下がるという傾向が指摘されていることです。ですから、いかに新規顧客をたくさん獲得するかが成長のカギだと。
これは筆者の推測ですが、当初、思いがけない商品パッケージが来てワクワクするのに対し、
その後、顧客の好みを聴けば聞くほど(AI、アルゴリズムの精度が高ければ高いほど)・・・
新鮮味がなくなり、飽きてくるという心理が働くからかも知れません。
このあたり、過去データをベースにするAIの限界かも知れませんので、ここにちょっとしたサプライズを演出できるかどうかが今後の成功のカギなんでしょうね。
筆者もリアル店舗で接客を受ける時、せっかく店舗スタッフさんが自分に似合いそうな色や柄を提案してもらっても、結局は100枚持ってそうなアイテムの色、柄を選んでしまいがちな自分がいます。
でも、自分じゃ選ばないなというアイテムや柄や色を紹介してくれるからこそ、ちょっとワクワクするのかも知れませんよね。
もし、自分の好みだけで選んでいたら、コンサバから抜け出せないし・・・
今は筆者のトレードマークのひとつになっているポケットチーフを入れ始めることもしなかっただろうし、黒を着ることもなかったかも知れないし・・・そこそこの金額を購入しているスキンケア系だってあるコスメ店の店頭でのインプットが無ければしなかったかも知れません。
そのような新しい提案はリアルの人間にしかできないことではないでしょう。
顧客の好みに合わせ続けるだけではなく、ダメだしされようが、半歩先あるいはちょっとしたチャレンジにつながる サプライズを提案してくれたら 飽きることなく、もっとファッションを楽しめるのかも知れませんね。
AIがそこまで進化してくれたら大したものです。どんな未来情報を加味するかだと思いますが、そんな未来に期待しましょう♪
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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