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April 02, 2018

人手不足が深刻な外食産業、流通業界の取り組み~すかいらーくグループのパートアルバイトシェアによる人的資源活用策

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 3月25日の日経新聞に外食大手のすかいらーくグループが取り組むパートアルバイトのグループ内シェアによる人的資源の効率活用に関する記事が掲載されていました。

 日本経済新聞 すかいらーく系列店でパート10万人シェア 即戦力確保

 外食産業や小売業界で慢性化している人手不足はホントに深刻で、

 ファッション流通業界でも、

 既存店のワークシフトの定員が埋まらず、少人数で回している時間帯があるのは日常茶飯事化しており

 例え、よい新規出店立地があっても、販売スタッフが採用できず、出店を見送らざるを得ない事例も少なくなく、

 いまや店舗の人手不足は深刻で、経営課題の筆頭に挙がるお困りごとのひとつに間違いありません。

 記事によれば、すかいらーくグループでは、同様の人手不足の環境の中

○これまでやり方が違った全ブランドの業務マニュアルを統一し、

○システムで近隣あるいは行動範囲にある店舗の人手が足りない時間帯を可視化し、

○パートアルバイトさんが所属店舗の通常シフト以外に都合が合えば他店のシフトに入って働くことができる、その場合は手当をつける

○各種業務マニュアルもオンライン動画で閲覧可能とし、即戦力として働けるようにする など

これらの一連のシステム投資に100億円を投資するとこのことです。

 外食産業の店舗業務とファッション販売のそれでは当然 違うこともたくさんあるのでそのまま見習うことは出来ないと思いますが・・・

 人手不足のご時世に、あらためて、店舗業務を見直すきっかけになるのではないかと思いご紹介させていただきました。

 例えば、

 ・大手チェーンでは比較的店舗業務は平準化され、マニュアルはしっかりしていると思いますが・・・

 年商100億円未満のところでは機器の操作マニュアル以外は店長まかせ属人的になっているケースが多いように思います。

 そのままでは、生産性(業務効率・一人あたり売上・粗利)も店長まかせ、新しいスタッフさんの即戦力への教育も時間がかかりますし・・・

 店長が異動で変わった時に 前店長とやり方が違うことでウマが合わず、戦力だったスタッフさんが退職されるという事例も少なくないのではないでしょうか?

 人手不足の時こそ、あらためて、業務の棚卸、無駄な作業の廃止、業務マニュアルの整備を検討すべきでしょうね。

 ・ワークシフトに入っているスタッフさんが突然休むという時も比較的仲のよい店長さんが連絡を取り合ってスタッフさんを融通し合って欠員を埋めるということはよく行われていると思いますが・・・

 これは店長さんだけの負担にせず、可視化することによって本部にも現実を知っていただいた方がよいと思いますね。(本部員にとっても今日の今日の対応は出来なかったとしても、実態は課題のテーブルの上に乗ると思います)

 ・あらためて、ドミナント出店の優位性を感じます。

 首都圏、関西圏など同じエリアに集中出店するドミナント出店は人的資源の効率にも役立ちます。

 日本全国出店!は志大きく、素敵なことだと思いますが、実状や実力にあったオペレーションを行うのであれば・・・

 まずは、目の行き届く、何かあったら飛んで行ける、融通の利く範囲で仕事をしながら体制を整え、「その時」に備えることも大切かと思います。

 ・早番、遅番、中番だけでなく、主婦の方や学生さんが短時間でもワークシフトに入りやすくするように業務の細分化、ルーティン化とともにシフトの考え方も柔軟にできないだろうか? などなど

 そもそも パートアルバイトとして、「働きたくなる、店舗が醸し出す魅力」

 (=ブランド力や商品だけでなく、クレンリネス、チームワークでやりがいを感じて楽しそうに働いているかどうか? その余裕をもってもらうために、店舗に極力無駄な作業をやらせない など)

 が応募者を引き寄せるベースであることも忘れてはいけませんが・・・

 上記は、在庫最適化の支援業務の傍ら、店舗作業軽減に取り組む過程で店長さんヒアリングをしていると必ず出てくる課題のいくつかでもあります。

 もちろん、すぐにできること、事情によりできないこと、成果が出やすいこと、そうでないこと・・・いろいろあると思いますが・・・

 ファッション流通業界だけでなく、視野を広げて多くの企業が悩んでいること、いろいろな企業が取り組む企業の事例を知ることは・・・

 目先の課題や業務を見直すきっかけになるはずです。
 
 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
 ※業界の発展と流通イノベーションのために・・・ファッション流通企業の経営者の方や事業スタートアップ準備中の方の応援をしています。
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