ユニクロのAI(人工知能)を活用した需要予測の取り組み
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6月18日の日経新聞にユニクロがAI(人工知能)を活用した生産改革に乗り出すことに関する記事が掲載されていました。
記事によれば、AIによって天候やトレンドなど大量のデータを解析して必要な商品枚数を予測する、
いわゆる需要予測を行うようで、
同社は、この度、今後の海外展開(出店)および、これらのデジタル投資のために社債を発行して2500億円を調達したとのことです。
AIが、勘に頼ることが多いと言われるファッションビジネスを
属人的な業務からある程度標準化した業務に転換し
ベストプラスティス(上手くやっている人のオペレーション)を短時間で実行することによって
これまで無駄だった人災的な?ロスが大幅に減ることは期待しておりますが・・・
こと需要予測となるとどうなのかなぁ?とても関心を持っております。
つまり、過去のビッグデータを集積して改善できることと
一方、過去のデータは参考しながらも、変化する環境と購買心理を予測しなければならない需要予測は
また別物だとも思えますが・・・
過去および現在にどれだけ未来に使える「生きた情報」があるのかに、
業界最大手が取り組むことにとても興味があります。
記事にあるように、天候や気温が予測できたらいいですよね。
気温によって購買行動が変わることはわかっていますから。
また、ある時期に、価格をどれだけ下げたら、どれだけ売上数量が伸びるのか?のデータも、
ユニクロさんあたりであればすでに熟練MD(マーチャンダイザー)の経験値を元にしてその係数をお持ちでしょう。
それが効率的にできればいいですね。
毎年販売されている・・・その時期が来たら・・・ある程度条件が整ったら売れるベーシックなら
それらの過去データから高い精度で予測可能な部分も多いのかも知れません。
一方、ユニクロがその背中を追いかけているZARAを展開するインディテックスグループは、
もちろんユニクロのようにベーシックの単品商品も扱いますが、
トレンド商品のコーディネート提案に力を入れているため、
過去に売れた商品のPOSデータよりも、
むしろ顧客が試着をしたにも関わらず購買に至らなかった商品を分析することで
これからシーズン中にどんな商品をつくり足すべきかを予測することで知られています。
そこには、興味を持ったのに、購入しなかったという・・・
また違う角度の顧客の潜在需要の情報が含まれていますからね。
おそらく、過去の販売実績データだけでなく、身近にあるけど体系化されていない・・・
そんな未来予測のヒントも取捨選択して入れてあげないとAIはビジネスに有益な未来予測はしてくれないことでしょう。
それから、
商業施設の期間限定10%OFFだけでなく、クーポンを乱発するECモールが多数出現し、
セール期に限らず、それ以外の時期にも商品を安く買う手だてを知っている、賢い消費者が増えている昨今、
値下げによる売上数増加予測もいままでとはちょいと勝手が違うのではないかとも思えます。
もっとも、昔から、
出来ないと決めつけず、どうすれば出来るか?にしっかり取り組んで成長してきたユニクロさんですから・・・
何らかの解を見つけ出すことに期待しています。
世界トップクラスのアパレルチェーンとトップクラスのITコンサル会社が組んだ
業界の先端のAI活用の取り組みを興味をもって見守りたいと思います。
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執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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