H&Mの日本1号店=銀座店が閉店
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日経新聞やWWDジャパンによれば H&M(へネスアンドマウリッツ)は2008年に開業した日本1号店である銀座店を契約満了に伴い、来週7月16日(祝)をもって閉店するとのこと。
WWDジャパン 「H&M」が銀座店を閉店 5000人が行列した日本1号店、ファストファッション・ブームの震源地
同店は10年前に日本のファストファッションブームが始まった場所。
オープン当日は5000人が入店待ちの行列をし、9月の残暑の中、
H&Mからの配慮で黒い折り畳み傘が配られ
銀座中央通りから晴海通りにかけて長蛇の黒薔薇の花壇のような列が出来たのを覚えています。
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今日は銀座に行く機会があったので久しぶりにH&M銀座店を覗いて来ましたが・・・
近隣のZARAが混雑だったのに対し、
H&Mは閉店をする告知もなく、商品ヴォリュームも少なく、客数もまばらだったのが対象的でした。
同社は、間口が狭く、手狭、家賃負担も大きかった銀座1号店は役割を終え、
今後も良い大型物件があれば銀座に再出店する可能性を残しながら、
むしろ日本100店舗体制に向けて未出店エリアに力を入れるとのことです。
報道が指摘しているように同社の銀座店閉店はひとつの通過点に過ぎず、
筆者はまだ同社の日本でのポジションと役割は十分残されていると思っています。
しかし 最近の業績は・・・
快進撃が続く世界一のZARAを擁すインディテックスや
中国で絶好調の3位のユニクロファーストリテイリングに比べ、
かつてインディテックスとツートップだったH&Mの近年の収益力低下は顕著です。
筆者はここ数年ZARAが世界的に低価格戦略を採り、H&Mの価格に近づき
欧州ではプライマークやローカルのウルトラファストファッション系のオンラインサイトに押され、
アメリカや中国では過剰出店感が否めず・・・
日本でもZARAとユニクロ、ジーユーに挟まれ、オンライン戦略が後手に回り、優位性が薄れていたところに
ファストファッションながら、得意なはずだったアジアでの低価格、中長期的生産が結果的に在庫過多を生んでしまったと見ています。
ZARAとH&Mの明暗には多くの低価格系のファッションチェーンが学ぶべき教訓がたくさんあると思います。
そのあたりもお話する筆者も講師を務める来週のセミナーがありますので、もしお時間あれば まだ若干席はあるようなので聴きに来て頂ければ幸いです。
シンクエージェント主催 経営革新セミナー デジタル化する小売業~ファッション企業はどう生き残るべきか?
また2018年バージョンになった 拙著「ユニクロ対ZARA」文庫版をお読みいただければ、
昨今のグローバルファッションチェーンの動向をご理解いただけるのではないかと思っております。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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