しまむらが大きいサイズの衣料専門店の出店を検討
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先月の日経新聞 日経MJになりますが、ファッションセンターしまむらが大きいサイズの衣料展開を増やし、2018年中に専門業態の開発を検討していることに関する記事が掲載されていました。
同社の東大宮店で展開していた紳士3L~5L、婦人LL~5L の大きいサイズのコーナーが好調なことから、まずは既存店での展開を15店舗に広げ、その後、新業態としての出店を考えることを検討されるようです。
この大きいサイズの需要は確実にあると思うので楽しみですね。
紳士服系では古くから「サカゼン」がメンズ&レディスを首都圏中心に30店舗規模で取扱い、
全国チェーンでは紳士服のはるやまグループが大きいサイズ専門の「フォーエル」を全国約100店舗を展開し、紳士服が中心のようですが、婦人服の取扱いも行っているようです。
また、婦人カジュアルではネット通販のニッセンのスマイルランドが一時 大きいサイズの服で話題になりましたね。
現実には、現在ネットで購入される方々が多いのかもしれません。
アメリカでは、このマーケットは「プラスサイズマーケット」と呼ばれ、
あるレポートによれば、
この市場は アメリカのレディスマーケット全体の17.5%を占め(2016年)、
マーケット全体が5年前対比8.6%成長のところ、このプラスサイズマーケットは23%成長した成長余地のあるマーケットと位置づけているようです。
同レポートではネット検索調査から、このプラスサイズマーケットは潜在的にもっと大きなマーケットと考えられているようです。
体格の違うアメリカと日本を比べるのはどうかと思いますが、
日本でそれを求める消費者に十分な買い場があるかどうかと言えば、困っている人が多いことは間違いなさそうですから
日本でしまむらなどの大手がリアル店舗のチェーン化でその需要を取り組むことは大変興味深いです。
ただ、既存業態の中で展開するのは納得行きますが・・・
単独業態がどこまで成り立つかどうかについては議論の余地がありそうです。
ひとつはしまむらが得意とする、人口が限られた郊外小商圏で少数派を狙った単独店のチェーン化が成り立つかどうかということ (そこそこの人口=商圏規模が必要なのでは?)
また、一般サイズの展開の延長線で大きいサイズや小さいサイズを扱うのであれば顧客も人目をはばかることはないと思いますが、
単独専門店になると、その店に出入りすることにお客さんが抵抗があるのではないか?と心配します。
かつて、別の経営問題もあったかも知れませんが、
クイーンサイズの婦人靴専門業態が需要が十分にあって、注目されていたにも関わらず、うまく行かず
一方、既存業態の中でサイズ展開の幅を広げ、大きいサイズの婦人靴の需要を取り込んだ
オリエンタルトラフィックが拡大しているように
ファッション消費には、市場性だけでなく、購入者への配慮も必要かも知れません。
また、外資系チェーンのH&Mやアメリカンイーグルあたりはショッピングセンター立地で大きいサイズのカジュアルウエア需要を上手く捉えているので、
そのあたりが競合になるかも知れませんね。
店舗数が1400店舗を超え、オンラインにもライバルが増え、顧客の服の買い方も変わり・・・
既存の品揃えだけでは飽和に近づいた感のあるしまむらですが、
是非、小商圏での強みを生かしてあらたなカテゴリーで顧客の需要に応えることを期待しています。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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