ZARAの2019年1月期決算は一桁台の増収増益もデジタルシフトと店舗最適化が進む
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2月28日に発表された米GAP(ギャップ)社の2019年1月期決算は
売上高は 4.6%増の1兆8065億円
営業利益は 7.9%減の 1484億円
営業利益率は 8.2%(前年は9.3%)
の増収減益でした。 US$=108.9円換算
期末店舗数は3666店舗(前比+72)です。
好調の低価格業態 OLD NAVYは出店+既存店増収と好調も・・・
リストラが進むGAPとBANANA REPUBLICが芳しくなくなかった模様です。
事業別に見ると
売上の47%を占める OLD NAVY は8.3%増(既存店3%増)
同 31%を占める GAPは3%減(同5%減)
同 15%を占める BANANAは3%増(1%増)
会社全体の既存店売上前年比はトントンです。
同じタイミングで同社は
米国中心(国内売上比率90%)に好調なOLD NAVYを別会社として切り離し
残りのブランドを展開する存続会社は向こう2年間でGAPの230店舗の閉鎖など事業リストラに入ることを発表しています。
この分社化後は単純に
9523億円規模の旧GAP社と
8542億円規模の新OLD NAVY社
の2社に別れることになりますが・・・
事業別の過去の既存店の前年比や国外売上比率をを見たところ
既存店売上前年比 3年前対比 5年前対比
OLD NAVY 110% 115%
GAP 91% 81%
BANANA 92% 82%
全体 101% 97%
国外売上比率
OLD NAVY 9%
GAP 42%
BANANA 15%
全体 20%
とのことなので、
アメリカ国内中心に低価格で成長を続けるOLD NAVYを活かし・・・
存続会社に残ったブランドは投資家のご意向で煮るなり焼くなり・・・って感じになってしまうのでしょうかね。
昨年夏にアメリカを視察した時のGAPやOLD NAVYの店舗の印象ですが
彼らよりも規模が大きくなり、販売力のあるTJMaxx(ティージェーマックス)やROSS(ロス)のようなオフプライスストアとの競合にかなり晒されている印象を受けました。
TJMaxxのプライスポイント(最多価格帯)はOFF後で$19.99、ROSSに至っては同じく$13.99くらいのトップスを
数多く品揃えして販売しているという印象です。
もともとブランドをOFFして安く販売するオフプライスストアですが、
顧客にわかりやすい、ズバリ価格設定戦略を採っていますし、アンダーウエアなどの日用品は在庫が充実しています。
きっとそれが宝物探しの楽しみだけではなく、デイリーユースとしても支持されている要因のひとつでもあるでしょう。
一方のGAPやOLD NAVYは・・・「らしさ」のあるズバリ価格を通すというよりは、日本のGAPのように従来よりも高めの当初価格をつけて・・・
しょっちゅう30%-50%OFFで販売するという悪癖が染みついてしまっているような気がして残念でした。
かつてはそこまではやっていなかったと思うのですが・・・
オフプライスストア、ディスカウントストア、Amazon含めたオンラインストアがシェアを高めるレッドオーシャンなアメリカのアパレル市場で・・・
かつて世界一に君臨したGAPがリストラを経てどのような再生が図れるのか?
やはりかつては世界一であったTHE LIMITED STOREがファンドの手に渡った後に、最終的に全店閉鎖になったような末路はあまり期待したくはないのですがね・・・
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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