世界最大のスポーツ用品チェーン、仏デカトロンが狙うのは、すべてのスポーツの民主化
3月29日に西宮ガーデンズに
日本1号店をオープンした世界最大のスポーツ用品チェーン、
フランス本社のデカトロンのお店を覗いて来ました。
デカトロンは2年前に中国上海で訪店して以来、注目してきましたが、
関連エントリー 世界最大の低価格スポーツ用品チェーン 仏DECATHLON(デカトロン)の衝撃
日本上陸が決まり、今、話題の作業服チェーンから機能性スポーツウエアを打ち出す、ワークマンとともに日経TRENDYが2019年のヒット商品番付筆頭に取り上げられて以来、更に関心をもって見守っている次第です。
関連エントリー ワークマンプラス 対 デカトロン
ちょうど、ワークマンプラスとデカトロンを徹底比較した、現在発売中の日経TRENDY6月号の特集の中にも筆者の流通業界の専門家としてのデカトロンに関するコメントが掲載さ れていますのでよろしければこちらの方もお読みになって下さい。
今回(平日夜7時くらい)、西宮ガーデンズの店舗(約550坪)を覗いて強く感じたのは・・・
ワークマンが作業服を開発するチェーンストアNO1の世界からタウンウエアとして使える服や、スポーツウエアとして使えるものを切り出して提案しているのに対し、
デカトロンはキャンプやランニングやヨガと行った大人が関心のあるスポーツのみならず、子供と共にスポーツを楽しみたい親たちにむけて、新しくスポーツを始める子供たちを突破口としたファミリースポーツライフスタイルを提案している業態であるというところでした。
同じスポーツカテゴリーの中でも、初心者向け、中級者向け、キッズ向けにフォーカスし、デカトロンに来たらギアからウエアから消耗品まで機能性の高い商品が安価で一通り揃うというワンストップな品揃えを提供しています。
現在、同社にとって中国が本国フランスに次ぐ第2のマーケットになっていますが、中国進出のタイミングは2003年。
2008年の北京オリンピック開催が決まったのが2001年だったので、明らかに中国でオリンピックを契機に盛んになることが予想される各種スポーツに関心を持つ人たちを対象に中国進出をしたことが想像できます。
そして、日本進出のタイミングも東京オリンピックの前年。
おそらく東京オリンピックを目の当たりにする子供たちは、従来の野球やサッカーのような球技だけでなく、陸上、フィールドスポーツ、マリンスポーツ、他今まで馴染みのなかった、見たこともなかったスポーツをテレビで見て、ワクワクすることでしょう。
少子高齢化の進む日本ですが、そんな子供たちが新しいスポーツを始めたいと言い出した時、もし、それほどお金を掛けず、ワンストップで一通り揃うデカトロンが身近にあれば、思わず財布のひもを緩めてしまうのが親御さんの心理ではないでしょうか?
同店訪問時、夜の時間帯にも関わらず、子供連れの家族が多かったのが印象的でした。
そして、そんなファミリー層の会話や新しいスポーツギアを手にして、やや興奮気味に話す来店客たちが発するオーラが筆者にそう語りかけてくれたものでした。
子供のころに母国でオリンピックを見る、デカトロンで買ったギア、ウエアで新しいスポーツを始める、初心者が中級者になってもデカトロンとの関係はしばらく続き、また大人になった子供たちは、そのまた子供たちとスポーツを楽しみたいと考え、子供を連れてデカトロンを訪れるようになる。
「ライフタイムバリュー」という言葉がマーケッターの中で使われることが多くなりましたが・・・デカトロンが新しいマーケットに参入する時はまさしく、そんな生涯お付き合いをする覚悟でやってくるのではないか?
たった1時間強の訪店ではありましたが、そんなことを強く想像させてくれるお店でした。
関西、そして関東でも拡大することを楽しみにしています。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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