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September 30, 2019

ロンドンで進化するクリック&コレクトと通販受け取り拠点の多様化

8月の後半に毎年恒例の夏のインスピレーショントリップで
ロンドン、ヘルシンキ、タリン(エストニア)に行って来ました。

ロンドンで気づいたことをひとつご紹介します。

拙著「アパレル・サバイバル」の中でも話題にした
「クリック&コレクト」はオンライン注文の店舗受け取りのこと。

オンラインショッピングが普及し、決して便利とは言えない英国の宅配事情を補完するために・・・
店舗をもつ小売業が顧客の都合のよい店舗で送料無料で受け取ることができるのがイギリスです。

2年前のロンドン視察では多くの百貨店、アパレルチェーンで
顧客が夜までに注文すれば、翌日の昼過ぎには指定店舗で受け取ることが出来るサービスがすでに標準化しておりました。

今回も高級百貨店のセルフリッジや受取店舗を持つ通販大手アルゴスを利用して
実際にクリック&コレクトの利便性を確認する一方で、

ショッピングのデジタルシフトの新たな展開に気がつきました。

それは通販専業会社が第三者と組んで街の中での店舗受け取りを可能にしていたことです。

Amazon UKは数年前から英国内で顧客が通販商品を
無人で受け取れる「amazonロッカー」の設置を進めて来ましたが、

ここ1年でスーパーマーケットチェーンやアパレルチェーンの店頭で注文商品が受け取れる「amazon hubカウンター」の取り組みを始めたのです。

amazon hubについて

その拠点のひとつとして手を組んだのが

国内500以上の店舗と独自の翌日物流網を敷く
売上高英国第2位の大手アパレルチェーン NEXT(ネクスト)です。

ファーストリテイリングの柳井会長もユニクロ創業時に研究したことで知られる

SPA(アパレル製造小売業)の先輩企業であるネクストは早くから通販に取り組み、

現在では売上高の40%以上をオンライン売上で稼ぎ、その過半が店舗で受け取られています。

また、その店舗網物流網の強みを活かし
自社ブランドだけではなく、他社ブランドも通販で取り扱い、

自社物流、自社店舗受け取りのクリック&コレクトと同じインフラに乗せる
プラットフォーマーになっていました。

そして今年の5月にネクストはAmazon UKと同社販売商品の受け取り拠点である
amazon hubカウンターとしての業務提携をしたのです。

ネクストは当時、来店客増と店舗の活気づくりのため

というプレスリリースをしています。

筆者も実際にAmazonショッピングアプリをUKモードに変えて
2つの商品を注文したところ、翌日の午後にネクストの店頭で受け取ることが出来ました。

Next-amazonhubcounter

このamazon hub カウンターの事例以外にもイギリスのZOZOTOWN的存在である
アパレル通販専業のASOSやBoohooも

Collect Plusというサービスと組んでイギリス全国の取次店7,000拠点で
オンライン注文の街中店舗受け取りが可能となっています。

Collect Plusについて

 

・通販専業企業に街中での受け取り拠点が増えること

・旅行者が渡航先でも、Amazonで買い物をして近隣店舗で商品が受け取れるという
 ショッピング環境

 

この2つの現象はオンラインショッピング普及をますます促しそうですし、
今後日本でも起こりそうな予感がします。

関連エントリーーロンドン視察から 日本でのクリック&コレクトの普及を考える

【オススメ本】 欧米の最新デジタルショッピング事情、日本の10年後を未来から逆算して考える視点、それらを示唆する事例を取り上げて日本のファッションショッピングの未来を考えました。



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September 27, 2019

【セミナーのお知らせ】11月22日(金)「オムニチャネル時代のファッション専門店の在庫最適化」セミナー@東京

 【このセミナーは終了しました。たくさんの参加を頂きありがとうございました!】

 本日は11月22日(金)に開催される、ブログ筆者が講師を務めるセミナーのお知らせです。

 アパレル、靴、雑貨などを直営店やオンライン販売するファッション小売業様向けに

「オムニチャネル時代のファッション専門店の在庫最適化~リアル店舗とオンライン販売の違いと共通点とは?」をテーマにしたセミナーを開催します。

 2019927-768x555 前回のセミナーの様子

 オンラインショッピングが普及して消費行動が大きく変化している昨今  多くの専門店様がECモールや自社ECでの販売を強化し

 EC事業者様においては既存販路で販売拡大を図りながら
直営店を出店・拡大するという事業者様も増えて来ました。

 積極的な販路拡大によって販売機会が増える一方で
新たな悩みも広がっているのが実情のようです。

 それは在庫効率がよく、販売管理費が低いことによって
収益性が高いと思われていたオンライン販売においても
規模や販売拠点の拡大とともに在庫が増え・・・

売上は増えても利益の最大化にはつながっていないこともひとつです。

 今回のセミナーでは

 これまで20年に渡り、30ブランド以上の専門店様に関与し
リアル店舗を中心とした在庫の最適化に取り組み、
昨今ではリアル店舗とECの在庫の最適化に取り組んでいる筆者が

 リアル店舗とオンライン販売の違いと商売の共通点を明らかにしながら
たとえ販路が変わっても「利益最大化」のために欠かせない
ファッション商品の在庫最適化の原理原則をわかりやすく解説します。

 このセミナーは次のようなファッション専門店様、EC事業者様が多くの気づきや改善のヒントを得て頂けるメリットのあるセミナーです。

■常に在庫を過剰に抱えており、値下げが多く、利益率が低いと感じている

■取扱商品数が多く管理がし切れず年々在庫回転が悪化している

■毎シーズン期末在庫がたくさん残りキャッシュフローを圧迫している

■商品計画が多店舗化した直営店において販売計画に連動せず、たくさんの売り逃しと売れ残りを引き起こしていると感じている

■そもそもファッション小売業としての商品計画、販売計画(売上・粗利・在庫・仕入)の立て方が我流であり、このままでよいのかと不安に感じている

 ショッピングのオンライン活用が増える転換期に・・・

これまでの業務を一旦整理して見直しながら、新しい着眼点を見つけて頂けるように

今回のセミナーが参加者の皆さんにとってそんな機会になれば幸いです。

─セミナー詳細─

【タイトル】 「オムニチャネル時代のファッション専門店の在庫最適化~リアル店舗とオンライン販売の違いと共通点とは?」

【開催日時】 2019年11月22日(金)15:00~18:00(14:30受付開始)

【場  所】 東京都港区青山エリア 会場はお申し込み頂いた方に追ってお知らせいたします。

【講  師】 齊藤孝浩(タカ サイトウ)ファッション専門店の在庫最適化コンサルタント

         著書 「アパレル・サバイバル」(日本経済新聞出版社)
          「ユニクロ対ZARA」(日本経済新聞出版社)
          「人気店はバーゲンセールに頼らない」(中央公論新社)

【主な内容】〇ファッション小売業の在庫最適化とは?
        〇ファッションビジネスの特徴と顧客購買行動
        〇シーズン商品の商品管理・販売管理の原則
        〇理想的な在庫の持ちかたとは?
        〇販売計画を直営店と共有するためのポイント
        〇自社ECと直営店の活かし方      など

【参加費】 お一人 22,000円(消費税込)   事前銀行振り込み
     ※今回のセミナーは当日3時間のセミナーへの参加と後日一回分のフォローアップサービスのセット価格です。
     フォローアップサービスとは、セミナーでの気づき、学びを、持ち帰って現場で運用してみた後に経過状況をご一緒に整理しながら、次のステップの方向性を明らかにするお手伝いをするスポットサービスです。

【懇親会】 セミナー終了後 近隣飲食店において講師との個別相談を兼ねた延長戦(懇親会)があります。延長戦は任意参加です。参加希望の方はお申込み画面で「参加する」を選んでいただければお席をご用意いたします。
     約 2 時間、会費 5,000 円 こちらの参加費については、当日受付にて現金にて徴収させていただきます。

【定  員】 先着16名様(定員になり次第締め切りとさせていただきます)
     ※参加費振込をもって正式なお申込みとなります。

【参加対象】 ファッション専門チェーン、EC事業者の経営者様、経営幹部様、事業または商品仕入・管理部門の責任者の方、また、事業会社様の在庫最適化業務を外部から支援されているシステム会社や業務委託契約の方も参加いただけます。

【キャンセル】お客様のご都合により、参加費お振込み後にキャンセルされる場合、参加費のご返金はできませんのでご了承ください。但し、その場合、セミナー終了後に当日配付する資料を一式ご提供させていただきます。

このセミナーは、講師の人気コンテンツ「ファッション専門店の在庫コントロールの実践」をオムニチャネル時代のファッション流通向けに講師のコンサル現場でよく課題になるテーマを補完して体系づけたものです。

講義の合間にグループワーク(気づきの共有)を交え他の参加者の方々とも意見交換ができる環境を設けて進めます。

同じお悩みを持つ他社の参加者の方々と交流することでセミナーの価値を 倍以上に吸収いただけます。

更に、セミナーでの学びを、しばらく現場で実践された後に・・・
あらためて講師と対話ができるフォローアップサービスの機会を活かすことによって、業務改善のレベルをステップアップいただければ幸いです。

■申し込みはこちらのフォームから
→ 申し込み画面へ 

【以前の専門店向けセミナーに参加された受講者の声】
  今回のセミナーで気づいたこと、学んだこと、仕事に活かしてみたいと思ったことは何ですか?
・現場ではいかに感覚で行っているのかを改めて知りました。
 具体的な数値目標を共有する事が重要と感じた。
・仕組の作製の上で非常に参考になりました。
 特にピークの設定と消化目標、週数のすり合わせはすぐにでも実践したいと思います。
・毎シーズンの計画をちゃんと立てているつもりでしたが、定義や設定があいまい、不十分だと気づきました。
 改善して行きたいと思います。(抜粋)

【オススメ本】 欧米の最新デジタルショッピング事情、日本の10年後を未来から逆算して考える視点、それらを示唆する事例を取り上げて日本のファッションショッピングの未来を考えました。



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