ナラティブ(顧客を主人公にした物語)から考える
4月7日火曜日の繊研新聞6面、繊研教室の中の「知見・知恵・知行」に、寄稿させて頂いたコラムが掲載されました。
見出しは「ナラティブから考える」。ナラティブって聞きなれない言葉かも知れませんが、「物語」という意味の英語です。ストーリーとの違いは後述します。
プラットフォーマー、特にアマゾンの考え方を理解するために、何冊か本を読みましたが、彼らが新しいサービスを検討する際に、必ず行っていることがあり、とても感心したので、そのことについて書かせて頂いたものです。
書籍によれば、アマゾン社はジェフ・ベゾスさんが出席する役員会で新規サービスプロジェクトを検討する際には必ず、
①ナラティブ(顧客の未来体験の様子をストーリー化した物語)
②未来のプレスリリース(サービスがスタートする時に対外的に発表するであろう文章)
③FAQ(サービスに対する顧客からの想定質問と回答集)
を用意することを提案者に義務付けているそうです。
この話を知った時に、アマゾンという会社がどうして顧客の未来から逆算する発想ができるのかがとても腹落ちしました。
拙著「アパレル・サバイバル」の取材中に、これからの10年は過去の延長線上ではなく、未来の理想からの逆算発想からでないと、今、革新を起こしているデジタル企業やプラットフォーマーたちに太刀打ちどころか、共存も出来ないだろうと感じたものでした。
まさしく、この発想の違いがアマゾンらがアドバンテージを持っている所以でしょう。
「アパレル・サバイバル」の冒頭にある短編小説仕立ての「Her Story~10年後のファッション消費の未来」をお読みになった方はお判りかと思いますが・・・これからは、まず、顧客の未来の理想のショッピング体験(ナラティブと呼んでもカスタマージャーニーと呼んでもでもいいですが)を言語化して、チームで共有した上で…
これからそれを実現するために、ゴールに向けて、どんなことから取り組むのかを考える、そんな「ナラティブから考える」アプローチが必要かと思っています。
ちなみに、ストーリーマーケティングの主役は「企業またはブランド」、ナラティブの主人公は「顧客」という違いもあるようです。視点の中心誰を置くかですね♪
参考文献は共に、アメリカ、日本のそれぞれアマゾンの幹部として在籍経験がある方々が書かれた以下の2冊です。
「アマゾンのように考える 仕事を無敵にする思考と行動50のアイデア」
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
次のステージに向けての在庫最適化と人財育成を切り口にした業務再構築支援~ZOOMを使ったオンラインアドバイザーサービスも実施中。詳しくはこちら
【オススメ本】10年後の未来のファッション消費行動を想像しながら、そのビジョンに向けてこれから取り組むべきことを考えるビジネス書です
| Permalink | 0