ファッション流通企業の決算書から学ぶ(後編)
2019年4月からWWDジャパンの紙面で月イチ連載している
ファッション流通企業の決算書からビジネスのヒントを読み解く
「ファッション業界のミカタ」
オンライン公開のまとめページの後編です。
筆者はこれまで、長年にわたり、各社のプレスリリース、決算報告、各種メディア記事、店頭定点観測、
関係者インタビューなど様々な角度から企業分析を行い、クライアント企業さんはじめ、業界の多く方々が、お客様のために、明日のビジネスを切り開くための、実務のヒントを整理して言語化することを続けて来ました。
本連載は特に、経営者様や経営企画系や新規事業開発系のスタッフの方々のヒントになれば、という思いで続けているものです。
ご興味のあるところをお読みいただければ幸いです。
尚、WWDジャパンを定期購読していらっしゃる方は、ログインすれば、無料でお読みいただけますが、そうでない方は1記事100円の有料になっていますので、その点はご理解のほどよろしくお願いいたします。
第6回
ファッションECの雄 ZOZOの決算書から学べること
テーマ:EC時代のKPI(重要業績評価指標)
ZOZOはIT系企業ですが、商品取り扱い高を売上高と見なせば、小売業と同じような評価ができます。
そして、デジタルシフトが進む時代は、売上高は客数x客単価から、会員数x年間購買額に変わることもZOZOの決算書が教えてくれます。しかしながら、出荷単価が下がれば、単位あたり粗利額は下がり、昨今上昇中の物流費によって利益は下がりつつあります。手放しに儲かるとは言えない、ECの採算について解説しました。
第7回
「トップショップ」や「H&M」をしのぐ勢い 英「プライマーク」の脅威
テーマ:競合店定点観測
昨年の夏にロンドン視察に行った際の、まだ見ぬ競合、プライマークのレポートです。
H&Mの店舗より大きく、安い・・・そんな店舗が現れたら、レッドオーシャンも最終戦争ですね。筆者が、いずれ日本にも影響を及ぼす企業を海外視察でどう見ているのかの参考にしていただければと思います。
第8回
秋で稼ぎ、夏に儲からない「ユニクロ」の国内事業
テーマ: 季節損益 秋冬依存脱却
ユニクロの課題のひとつは秋冬で利益を稼ぎ、冬で儲からないところ。地球温暖化が進み、暖冬に苦しむ日本のアパレル業界の同じ課題を抱えています。今後、人口増加で優良市場になるのは、熱帯の国々。ZARAやH&Mがどうしているかも比較解説しています。
第9回
EC化率アップだけでは儲からない「ユニクロ」
テーマ: EC損益 出荷単価とコストと物流対策
第6回目で取り上げたZOZOよりも、更に単価の安い商品を扱うチェーンが果たしてECをどんどん伸ばして採算が合うのであろうか?という課題にユニクロが真正面から取り組んでいる様子を解説しました。筆者はユニクロあたりの単価がひとつの分岐点で、彼らの取り組みが低単価品のECの未来を占うような気がして注目しています。
第10回
ワークマンの勝利の方程式とは?
テーマ: ローコストオペレーションとキャッシュフロー経営
機能性商品やコスパばかりが注目されるワークマンですが、本当の強みは決算書にありました。FCによる人件費の変動費化、店舗の自社物件化による家賃の軽減によって実現する低販売管理費によって実現できる商品バリューであることに気づくことができます。
第11回
「無印」の今後の課題と本来の強み
テーマ: 購買(来店)頻度と四半期決算のバランス
グローバルでも唯一無二のライフスタイルストアから学ぶのは、品揃えの多様化ではなく、MDミックスの中のカテゴリー別の役割分担の理解です。MUJIはしっかり、購買頻度と高粗利率カテゴリーへ注力しているようです。
第12回
インディテックスとワークマン 王道2社の見るべきポイント
テーマ: 脱前年対比 未来への投資 リスク分散
1年間でお伝えしたかったのは、前年比よりも中長期時系列評価をすべきこと、そして、稼いだ営業利益を何に投資するのか?というところでした。記事の中では、インディテックスの売上と営業利益を20年分並べて、5年に1回迎えた踊り場で次の飛躍の準備をする同社のセンスについて語っています。
今週のWWDジャパン5月11日号から2年目を迎えました。
今、壁にぶつかっている、H&Mの成長戦略と過大出店の落とし穴について解説しています。記事は こちら
チェーンストアの拡大戦略にあたり、参考にしていただければと思います。2年目からはPLだけでなく、BSやCFについても絡めて行きたいと思います。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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