この夏のバーゲン期にニューノーマルを考えよう
緊急事態宣言が解けてから1か月
6月の第2週くらいに西東京の駅ビルをいくつか覗く機会があった時、
赤いPOPを多用して思い切った春物の処分に売場を割いているショップもあれば、
これから着ることができる正価商品を前面に打ち出し、
後方で赤、黄色以外のスペシャルプライスPOPを使って春や初夏の値下げ販売をしているショップもあり、
各ブランドそれぞれの事情がある、それが店頭に表れているのが普通の姿
だよね、と思ったのを思い出しました。
毎年、夏のバーゲンの時期は館(商業施設)ごとのスタート時期が話題になりますが、
今年は
混雑を避けるために、商業施設としてセール期間を設けず
7月の1ヶ月は売り方をテナントに任せるという駅ビル
ブランド(テナント)の在庫消化協力のために、
バーゲンを大々的に告知するという百貨店
などなど
考え方はいろいろですが、館(商業施設)の事情ではない、
お客様の安全と入居テナントの在庫事情を鑑みているという点では共通しているようです。
(画像はロンドンオックスフォードストリート2019夏)
筆者は
適品を
気温にあわせて(適時)、
値下げを前提にしない顧客が求めるプライス(適価)で店頭提案する
不人気商品は早期に消化を図って換金(ECでもよし)、売場から一掃し、
できるだけ早く人気商品、新しい商品に入れ換え店頭鮮度を高める
正価のままで売り切り可能な人気商品はバーゲンになっても値下げしない
のが正常で
イベントとしてのバーゲン期間はあってもよいですが、
そんな時にも前面はセール品でも、奥には今からしばらく着ることができるサイズの揃った新作がある
バーゲン以外のいわゆるプロパー期も
旬な新作が前面を飾り、(売場面積に寄りますが)奥には処分コーナーもある
という状態が普通でよいのではないかと思っています。
まあ、百貨店はプロパー期とバーゲン期で掛け率が違うので同じ時期に混在すると面倒なのかも知れませんが、
そんな事情がなければ、
いつ行っても、店頭にいろんなショッピングの楽しみ方があるのがお客様にとっても
ブランド側にとっても自然体かなと思えてなりません。
特に地球温暖化の影響もあって、年間5か月もある夏シーズン(最高気温25度以上の日々)の在り方は
しっかり考え直さなければますます利益が出なくなることに危機感を感じます。
この夏のバーゲンやセールの在り方がイレギュラーではなく
顧客側もブランド側もWINWINとなる
あるべき姿(ニューノーマル)を考える機会になればいいなと思う今日この頃です。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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【参考書籍】
2013年の本ですが、長年の顧客購買行動分析と在庫コントロールの経験とノウハウを有名企業事例を用いてわかりやすくまとめました書籍です。
人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識 (中公新書ラクレ)
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