トレンドファッションに合わせるベーシック、ベーシックに取り入れるトレンドファッション
コロナウィルスによる外出自粛で顧客の購買行動が変わることに対応しなければならないと思っています。
近隣以外への外出を控え、在宅時間が増え、自分のクローゼットのワードローブの見直しや、断捨離も行われたことでしょう。
業界は一旦、そこを起点に考える必要があると思っています。
オンラインセミナーへの登壇の準備をしていて、
ユニクロとZARAの強みをあらためて整理する機会がありました。
一般に、ユニクロはベーシック、ZARAはトレンドファッションに強みがある、と語られますが、
両者を長年ウォッチしてきた筆者なりの解釈で書き換えると
ユニクロはトレンドファッションに合わやすいベーシックを、
ZARAは多くの顧客が持っていそうなベーシック服に今シーズン取り入れるべきトレンドファッションを、
それぞれわかりやすく提案している。その取り入れやすさ提案が多くの顧客に支持をされる理由なんじゃないかな、と思います。
つまり、両者とも切り口は真逆ですが、自分の持ちものに取り入れやすい、ということが共通点です。
書いていて、気がついたのですが、と同時に、ユニクロとZARAの両者の服も相性がいい、ということになりますね(笑)
これまで、業界企業の多くは
・業界のシーズントレンドと言われるものを自社なりに解釈して売り込む
・前年売れた実績のあるものを焼き直してつくる
を繰り返して来ました。
しかし、しばらくは、「業界トレンド押し」よりも、顧客の「新しい生活様式」のシーンを想定して、
・リモートワーク対応
・マスク着用を想定したファッション
・カジュアル、リラックス
などが売れ筋のキーワードになるかも知れません。
業界では、正直、これまで、「顧客のクローゼットの中にあるワードローブ」という視点は不在の商品企画が圧倒的に多かったのではなかったかと。
今後も、もちろん、持っていないものを買う、新しいものを買う、という需要はなくなりませんが、
これを機会に顧客が今、持っていそうなものとの相性のよい(=着回しが利く)(=長く付き合える)
取り入れたら今シーズンらしく着こなせる服の提案をしたいところです。
「タンス在庫に無いもの」が売れる、とは、長年の業界の経験則
そう言うのであれば・・・まずは顧客のタンス在庫に何があるかをラックにかけて可視化して、
そこから新しい提案を考えるという発想が、今、大切なのではないかと思えてなりません。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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