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September 29, 2020

11月19日(木)開催 ZOOMオンラインセミナー「ファッション専門店の在庫最適化の実践2020」のお知らせ

【11月3日時点 まだ残席ございます。】

今回はセミナーのお知らせです。191122

毎回好評を頂いております、ファッション業界専門セミナー「ファッション専門店の在庫最適化の実践 2020年版」を今年は初のオンライン開催致します。

今回のセミナーでは、アフターコロナ時代を見据えた業務再構築のヒントになる

・商品計画と販売計画の基本
・社内計画共有の流れ
・販売計画と店舗への在庫配分
・帳票の着眼点とアクション
・シーズン商品を売り切るための鉄則 など

ファッション商品を店舗およびECで販売する事業者様向けに、
シーズン中に利益を高め、過剰在庫を持ち越さないために知っておきたい10の原則を解説します。

ショッピングのオンライン活用が増え、販売のデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する転換期
これまでの業務を一旦整理して見直し、新しい着眼点を見つけて頂けるように・・・今回のセミナーが参加者の皆さんにとってそんな機会になれば幸いです。

-セミナー詳細-

【タイトル】 

「ファッション専門店の在庫最適化の実践 2020」
シーズン中に利益を高め、過剰在庫を持ち越さないために知っておきたい10の原則

【開催日時】 

2020年11月19日(木)15:00~18:00(14:45受付開始)

【場  所】 

オンライン(ZOOM)での開催となります

【講  師】 

齊藤孝浩(タカ サイトウ) ファッション専門店の在庫最適化コンサルタント ディマンドワークス代表
「アパレル・サバイバル」(日本経済新聞出版社)
「ユニクロ対ZARA」(日本経済新聞出版社)
「人気店はバーゲンセールに頼らない」(中央公論新社)の著者

【主な内容】
〇ファッション小売業の在庫最適化とは?
〇シーズン商品の商品管理・販売管理の原則
〇販売計画を直営店やEC担当と共有するためのポイント
〇販売計画に基づく店舗への在庫配分
〇理想的な在庫の持ち方の見極めとアクション
〇直営店と自社ECの在庫の活かし方
〇シーズン商品を売り切るための鉄則 など

【参 加 費】 

お一人 22,000円(消費税込)
事前 銀行振り込み あるいは クレジットカード支払い
※参加された方限定で、後日、1社様1回1時間程度の無料オンラインフォローアップサービスをご提供いたします。フォローアップとは、セミナーでの気づき、学びを、持ち帰って現場で運用してみた後に経過状況をご一緒に整理し、次のステップの方向性を明らかにするお手伝いをさせて頂くスポットサービスです。是非この機会も有効にご活用下さい。

【延 長 戦】 

セミナー終了後、30分のオンライン延長戦(質疑応答、・意見交換会)あり

【定  員】 

先着25名様(定員になり次第締め切りとさせていただきます)
参加費振込またはクレジットカード決済をもって正式なお申込みとなります。

【参加対象の方】 

ファッション専門チェーン、EC事業者の経営者様、経営幹部様、事業または商品仕入・管理部門の責任者の方など、業務の再構築をご検討の方にメリットのある内容です。

また、事業会社様の在庫最適化業務を外部から支援されているシステム会社さんや業務委託契約の方も参加いただけます。

【セミナー形式】

講義の合間にブレイクアウトセッションを使いグループワークを交え他の参加者の方々とも意見交換ができる環境を設けて進めます。同じお悩みを持つ他社の参加者の方々と交流することでセミナーの価値を 倍以上に吸収いただけます。

※更に、セミナーでの学びを、しばらく現場で実践された後に、あらためて講師と対話ができるオンラインフォローアップサービスの機会を活かすことによって、業務改善をスピードアップいただければと思います。

■申し込みはこちらのフォームから
お申込みページへ

 

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

次のステージに向けての在庫最適化と人財育成を切り口にした業務再構築支援~ZOOMを使ったオンラインアドバイザーサービスも実施中。詳しくはこちら

【参考書籍】

顧客購買行動と品揃え計画および在庫最適化を考えるビジネス読本

人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識 (中公新書ラクレ)

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September 28, 2020

ZARAのインディテックスグループがコロナ禍で行った決算対応

先ごろ発表された、ZARAのインディテックスグループの2020年上半期決算(2-7月)に目を通しました。41cimg0394_20200928173001

コロナショックの影響により売上高前年比44.3%の減収、同社上場以来初の赤字となった第1四半期に続き、
第2四半期は売上高前年比は31.4%減ながら、営業黒字化(営業利益率6.6%)を果たしました。

まずは、売上が31%減でも損益分岐点を上回っている、営業黒字を出せるなんて、すごい会社だな、と素直に感心します。

結果、上半期の累計売上高は前年比37.3%の減収、半期では依然として営業赤字のままです。

一方、足元の8月以降は売上高前年比11%減まで回復して来ているようなので、このまま回復に向かえば、第3四半期累計で黒字化は果たせることでしょう。

この間の4連休に新宿店を覗きましたが・・・来店客でムチャ混みで、フィッティングルーム前は長蛇の列でビックリするくらいでした。

半期決算の結果だけ見ると、「世界一のインディテックスもコロナショックには勝てず、赤字に陥った」となりますが、
この間、同社は表面的な売上大幅減と営業赤字の裏で、いくつかの「先手」を打っていることが、決算書を見るとわかります。

ひとつは、以前もブログで紹介しましたが、前期末(20年1月末)にコロナショックの影響を見越して、春夏在庫を評価減したことです。

コロナショックの影響を受けなかった2019年度(2020年1月期末)は

売上高  3兆4,028億円(前年比8%増)、
営業利益高 5,749億円 (同9.5%増)

の過去最高益となる増収増益でしたが、

この期は

1)コロナ前から長年進めて来た店舗のスクラップ&ビルドを加速し、前年の2.5倍、売上高対比で言うと10%にも上る減価償却費を計上して今後の大量閉店に備え、なおかつ、

2)1月末から世界各国で表れ始めた新型コロナウィルス影響に備えて、1月末時点の春夏在庫に対して、約355億円の在庫評価減のための引当金を計上しています。

もし、この在庫評価減がなければ、同期の営業利益は前年比16%増の大幅増益となっていたところでした。

ふたつめは、21年第1四半期がコロナショックの直撃で赤字になると見るや、引き続き前年の1.4倍の減価償却費を経費計上し、あえて大赤字を出したことがわかります。

償却前の利益(EBITDA)はしっかり黒字だったところを見ると、上半期の業績を犠牲にしてでも、下半期以降の負担を軽くするために、ある意味「膿出し」をしたように思えます。

インディテックスという会社は、

消費者の購買行動の変化を見据え、2010年にオンラインビジネスを始め、2013年に「店舗とオンラインの完全統合プラットフォーム(=OMO)」宣言をして以来、店舗のスクラップ&ビルドを進め、オンラインで買って店舗で受け取る、店舗で見てオンラインで買うことができるデジタルトランスフォーメーションインフラを整え続けて来た会社。

現在、出店国は世界96店舗になり、オンライン販売実施国は66か国ながら、世界の202の国と地域にオンライン販売できる体制を整え、宣言から10年後となる2022年にグループ全体でその体制が整うとのことです。

これは、RFIDを含め、10年がかりのIT投資によって店舗、EC倉庫、本社倉庫の在庫情報がリアルタイムに一元化されたことで・・・

オンラインで注文した顧客に店舗在庫からも出荷ができるようになったことの「たまもの」です。

この体制が整えば・・・

今後、コロナショックのような外出自粛があっても、オンライン活用で全店の店舗在庫を近隣の顧客に届けたり、密を避けて店頭で手渡したりできるようになり、被害もこれまでとは違い、最小限に抑えられるようになるでしょうね。

そんな10年単位の長期的ビジョンを持ち、危機があるごとに、企業体質を見直し、単年度ではなく3年平均の売上と利益の成長率を考えて来た同社だからこそ成せる業であって・・・上記で述べたような、同社の決算期ごとの調整は、決して短期的な財務テクニックの話ではなく、中長期ビジョンに基づく余裕から来るものであることもわかります。

同社の直近のプレスリリースによれば、

2000年代は製造小売業と業務の内製化に磨きをかけ、ファッションビジネスのリスクに対する「柔軟性」(=flexibility)を構築した10年。

2010年代は店舗とオンラインの完全統合(=integrated store and online platform)に磨きをかけた10年。この体制はあと2年で完成するようです。

そして、ここからの10年、彼らの視線はこれからのサステナブル経営(=sustainability)、特に※サーキュラー・エコノミー(=circular economy; 循環型経済)に向かっているとのことです。

世界のトップランナーである同社からは、引き続き目が離せませんね。

※「サーキュラー・エコノミー」については、今年から来年以降の、サステナブル経営関連の重要キーワードになりそうなので、また、あたらためて、ブログでご紹介したいと思います。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

【おススメ本】 ベーシックのユニクロとトレンドファッションのZARAの共通点とアプローチの違いを体系的にまとめ、多くのファッション専門店のブランディング、マーケティング、商品開発、販売戦略、ひいては経営理念の参考にしていただける内容に仕上げました。ユニクロが売上規模も世界2位になるのは時間の問題。ますます、両社の比較分析は世界のアパレルビジネスにとって参考になるでしょう。

 「ユニクロ対ZARA」 2018年アップデート文庫本

いつもお読み頂きありがとうございます。

 

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September 21, 2020

ZOZOの決算書から学ぶECビジネスの損益

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WWDジャパンさん向けの連載記事のためにZOZOTOWNを運営するZOZO社の決算書20年3月期および21年第1四半期に目を通しました。

Paypayモール出店によって40代、50代の新しい客層が順調に獲得され、
ZOZOTOWNもコロナ禍で商品取扱高が増え、同社のECの売上は好調、社としては増収増益のまずまずの決算だったようです。

気になったことを3つほど挙げると

ひとつは単価の下落です。
 
20年3月期通期の
平均単価は 3,946円 (前年度は4,201円)
出荷単価は 8,292円 セット率 2.10 (前年度は8,774円;同 2.09)
と下落しています。

コロナ禍の出店ブランドの在庫処分もあり、21年3月期第1四半期に至っては
3,443円まで下落(前年同期は3,903円)しています。

ファッション性が売りのZOZOTOWNですら、
平均単価がファッション市場マスマーケットの価格帯である3900円にまで低下していることに驚きました。

次に、出荷1件あたりの収益性です。

ZOZOの損益計算書や開示データを時系列で見ていると、
ECビジネスの販売管理費の構造やマクロトレンドがよくわかります。

ECビジネスの販売管理費の上位を占める荷造運賃、物流関連費、広告宣伝費について、

グロス金額(費用総額)ではなく、出荷1件あたりで割り出してみると

・荷造運賃は高止まり、
・物流関連費は人件費の見直しで増加傾向
・以前より広告宣伝費やポイントの出費を抑えて・・・

「利益率」こそ底を打って、回復中ではありますが、

そもそも、出荷単価が下落しているため、
出荷1件あたりの利益額(単価)は下落傾向というのが実態です。

要は、単価は下がるので、1件あたりの粗利額(同社にとっては販売受託手数料)は下がる、

一方、1件あたりにかかる荷造運賃やその他物流関連費(人件費がメイン)は高止まり、

歩留まり利益は店舗運営型小売業よりも多額にかかる広告宣伝費を調整弁として、どれだけ使うか次第という構造に見えます。

「ECは家賃がかからないので、店舗販売の小売業より儲かる」と豪語される方は少なくありませんが
ECは店舗販売と根本的に経費構造が違う、と言うのが正しい言い方ですよね。

むしろ、販売単価、粗利率によって、物流経費や広告宣伝費の使い方では薄利になってしまう可能性もはらんでいると見るべきでしょう。

みっつめは、今後の収益バランスのとり方です。

通販受託事業のこの傾向に対して、
ZOZO社はトップラインである売上高に関しては全体の商品取扱高を増やしながら、受託手数料収入額を増やす。
その一方で、通販事業の利益率の低下傾向を、モノを動かさない広告事業や新しいサービス事業を増やして利益貢献するように、目下、強化中というわけです。

アマゾンの通販事業は薄利で、AWSで利益を稼ぐという構造に近づいていきますね。
これはプラットフォーマーの必然なのかも知れません。

ZOZO社自体はそれでいいかも知れませんが・・・出店ブランド(事業者)はその傾向を理解してECビジネスに取り組まなければなりません。

ファッションECマーケットは、
単価は下落傾向、競争が激しくなると、以前よりも広告宣伝費が余計にかかる、
販売管理費の主要費目である送料や物流関連費用は下がらない。

この構造やビジネストレンドを理解した上で、
販売単価、粗利の確保、送料無料のハードルをどこに設けるか、値下げやクーポンやポイント付与などの販促施策の加減も考えるべきでしょう。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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【オススメ本】顧客の新しい購買行動、オンライン・オフラインが融合する時代の顧客心理と在庫コントロールがテーマです。

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September 14, 2020

お客様目線の商品名を使って商売する

筆者も講師のひとりを務めさせていただきましたDsc_6436 繊研新聞社主催のオンライン連続講座「通販サイトのはじめ方」 の全3回が先週で終了しました。

講師陣は3年前から一緒に(ファッション業界の)「オムニチャネル時代のバックヤード勉強会」を運営して来た5人の専門家メンバーで、筆者は2回目のECの損益構造を担当しました。

先週の3回目、ファナティックの野田大介さんフレイヴァ・プロジェクツの髙木勝さんが担当されたECの集客方法とお買い上げアップの内容を聞いていて一番納得した内容のひとつが・・・野田さんがお話しされた 「商品名をお客様目線で変更する」という話でした。

要は、業界で仕事をしていると、どうしても、業界内で通用する業界用語を多用してしまいがち。そんな業界用語が販売管理システムに登録されているから、と言って、そのままECサイトの商品名にしても、一般のお客様にはモール内やサイト内でも見つけてもらえない、という話です。

例えば、売り手はデニムパンツという商品名をつけがちですが、多くのお客様はジーンズというキーワードで探す(検索する)可能性が高いです。

野田さんは、デニムパンツの商品をお客様目線の「ジーンズ」で検索できるようにすれば、確実に売上は上がる。それを妨げているのは、業界特有の「かっこいいか?かっこ悪いか?」の感覚だと言います。

ちょっと前に、筆者もあるブランドのEC公式サイトを見ていて、具体的に何かを探してみようとして、検索ウィンドウに「シャツ」と入れてみました。

すると、「お探しのものは見つかりません」と出ます。トップページにかっこいいシャツが出ていたので、他にどんなシャツがあるのかを探すために行った行為でした。「ジャケット」や「セーター」も同様。

どうやら、このブランドのサイトでは、(日本のブランドですが)すべての商品名およびカテゴリー表示すらも英語表記、そのため、SHIRTでは検索結果が出ますが、シャツでは出なかったという話のようでした。
確かに、シャツよりSHIRTの方がかっこいいかも知れませんが、お客さんは、日本のサイトでわざわざ英語では検索しない、と思います。

せっかく、ひとつひとつのモデル着用の画像はかっこいいですし、デザインの詳細紹介も丁寧なんですがね。

顧客がとるであろう、購買行動(検索行動)に引っかからなければ、その努力も十分に生かせないというわけです。

雑誌や店舗では見たままですが、EC時代になると、より顧客目線で商売することの大切さを思い知らされます。

一般のお客さんがどんなキーワードで検索するか、顧客目線の商品名は大いに意識して商売すべきですね。それを知るところから商売は始まるかも知れません。

あたりまえを、あたりまえに。

そんなマインドチェンジができるかできないか、だけでも、結構な差が出そうな気がしています。

【お知らせ】繊研新聞オンラインセミナー「通販サイトのはじめ方」オンデマンド公開中。この記事でご紹介した講師陣が解説するECビジネスを始めるなら知っておきたい基本の基(キ)を計270分のオンライン講座に凝縮。今年12月末まで何度でも視聴、観返しができますので、これから通販を始める方、始めたもののどう売上を伸ばそうかと試行錯誤中の方におススメです。>>>こちら

執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

次のステージに向けての在庫最適化と人財育成を切り口にした業務再構築支援~ZOOMを使ったオンラインアドバイザーサービスも実施中。詳しくはこちら

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顧客購買行動と品揃え計画および在庫最適化を考えるビジネス読本

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September 07, 2020

国内ユニクロ事業2020年8月度 既存店売上前年比129.8%の驚異

コロナショックの4月を底に回復途上のファッション流通業界ですが、

Uq-harajyuku

6月以降の国内ユニクロ事業の売上には目を見張るものがあります。

6月は開業の反動と給付金の支給のおかげで多くのファッション専門店は一旦、前年を上回りましたが、7月、8月は8掛けくらいが平均でしょうか。

それに対し国内ユニクロ事業の既存店+Eコマースの前年比実績は


   売上高 客数  客単価
6月 126.2% 113.9% 110.8%
7月 104.4% 102.5% 101.9%
8月 129.8% 126.0% 103.0%

特に、各社が天候を理由に苦戦した8月の実績は、
前年同月が決して落ち込んでいたわけでもなく(前年比109.9%と二けた増)、
コロナがなかった夏、しかも二桁増だった前年よりも飛躍的に売れているわけで・・・

確かに、巣ごもり需要は実用衣料、ベーシック、リラックスが得意なユニクロにとって追い風ではありますが、
年商8000億円規模のチェーンストアがたたき出す数字としては脅威と言わざるを得ません。

ところで、ここ数年、国内ユニクロ事業の8月と2月という半期末の月の既存店売上前年比、特に8月は軒並み伸びている傾向があります。

          2月   8月
2018年8月期  105.1% 108.8%
2019年8月期  103.0% 109.9%
2020年8月期  100.8% 129.8% 

これは、

・2月や8月は「ニッパチは売れない」言われるように需要が低く(一般的に年間月平均売上の6-7掛け程度)、売上分母が小さいこと

・競合各社はシーズン末、期末ということで、在庫を売り減らして、絞り込んでいる状態であること

そんな条件、環境の中で、在庫を十分に持っていたら・・・顧客の需要はユニクロに集中し、
売上高は大きく跳ねる可能性が高くなることが考えられます。

つまり、シーズン末でも売り逃しをしないことを前提に冬ものや夏ものを仕込んでいて
なおかつ、大量生産のため、次シーズンの春ものや秋もの在庫の頭出しが早期に出来上がって、スタンバっていれば、
気温がどっちに転んでも、2月、8月は確実に売上が浮上することになるわけで・・・

トレンド商品はともかく、ユニクロのようなベーシックであれば、ある程度在庫を残したとしても、
翌年にも十分売れる、あるいは、南半球に持っていけばよい?と考えるのかも知れません。

そんな、在庫が膨らんででも、需要を最後までしっかり刈り取る方針にあるのか、FR社の期末在庫は年々、重くなる傾向にあるように感じます。

さて、コロナショックによる売上高のマイナスに対して、下半期(3-8月)を3カ月で力業で9掛けまで戻した国内ユニクロ事業。

例年ですと、夏に利益を出しづらい、同社の第4四半期(6-8月)について、売上高に対して、どのような利益で着地するのか?公式発表を待ちたいと思います。

そして、年間利益の多くを稼ぐ同社の第1四半期(9-11月)が始まりましたが・・・

引き続き、ユニクロには追い風となるであろう、「巣ごもり需要」や「新しい生活様式」が、今期の業績にどう影響を及ぼすのかを、ウォッチして行きたいと思います。

関連エントリー‐世界アパレル専門店売上ランキング2019 トップ10

【お知らせ】WWDジャパン主催オンラインセミナー「『ユニクロ対ZARA』進化するSPAの研究」に登壇します。
お申込みはこちらから https://wwdjapan-business-seminar.peatix.com/

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

次のステージに向けての在庫最適化と人財育成を切り口にした業務再構築支援~ZOOMを使ったオンラインアドバイザー・勉強会支援サービスも実施中。詳しくはこちら

【おススメ本】 ベーシックのユニクロとトレンドファッションのZARAの共通点とアプローチの違いを体系的にまとめ、多くのファッション専門店のブランディング、マーケティング、商品開発、販売戦略、ひいては経営理念の参考にしていただける内容に仕上げました。ユニクロが売上規模も世界2位になるのは時間の問題。ますます、両社の比較分析は世界のアパレルビジネスにとって参考になるでしょう。

 「ユニクロ対ZARA」 2018年アップデート文庫本

いつもお読み頂きありがとうございます。


 

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