お客様目線の商品名を使って商売する
筆者も講師のひとりを務めさせていただきました 繊研新聞社主催のオンライン連続講座「通販サイトのはじめ方」 の全3回が先週で終了しました。
講師陣は3年前から一緒に(ファッション業界の)「オムニチャネル時代のバックヤード勉強会」を運営して来た5人の専門家メンバーで、筆者は2回目のECの損益構造を担当しました。
先週の3回目、ファナティックの野田大介さんとフレイヴァ・プロジェクツの髙木勝さんが担当されたECの集客方法とお買い上げアップの内容を聞いていて一番納得した内容のひとつが・・・野田さんがお話しされた 「商品名をお客様目線で変更する」という話でした。
要は、業界で仕事をしていると、どうしても、業界内で通用する業界用語を多用してしまいがち。そんな業界用語が販売管理システムに登録されているから、と言って、そのままECサイトの商品名にしても、一般のお客様にはモール内やサイト内でも見つけてもらえない、という話です。
例えば、売り手はデニムパンツという商品名をつけがちですが、多くのお客様はジーンズというキーワードで探す(検索する)可能性が高いです。
野田さんは、デニムパンツの商品をお客様目線の「ジーンズ」で検索できるようにすれば、確実に売上は上がる。それを妨げているのは、業界特有の「かっこいいか?かっこ悪いか?」の感覚だと言います。
ちょっと前に、筆者もあるブランドのEC公式サイトを見ていて、具体的に何かを探してみようとして、検索ウィンドウに「シャツ」と入れてみました。
すると、「お探しのものは見つかりません」と出ます。トップページにかっこいいシャツが出ていたので、他にどんなシャツがあるのかを探すために行った行為でした。「ジャケット」や「セーター」も同様。
どうやら、このブランドのサイトでは、(日本のブランドですが)すべての商品名およびカテゴリー表示すらも英語表記、そのため、SHIRTでは検索結果が出ますが、シャツでは出なかったという話のようでした。
確かに、シャツよりSHIRTの方がかっこいいかも知れませんが、お客さんは、日本のサイトでわざわざ英語では検索しない、と思います。
せっかく、ひとつひとつのモデル着用の画像はかっこいいですし、デザインの詳細紹介も丁寧なんですがね。
顧客がとるであろう、購買行動(検索行動)に引っかからなければ、その努力も十分に生かせないというわけです。
雑誌や店舗では見たままですが、EC時代になると、より顧客目線で商売することの大切さを思い知らされます。
一般のお客さんがどんなキーワードで検索するか、顧客目線の商品名は大いに意識して商売すべきですね。それを知るところから商売は始まるかも知れません。
あたりまえを、あたりまえに。
そんなマインドチェンジができるかできないか、だけでも、結構な差が出そうな気がしています。
【お知らせ】繊研新聞オンラインセミナー「通販サイトのはじめ方」オンデマンド公開中。この記事でご紹介した講師陣が解説するECビジネスを始めるなら知っておきたい基本の基(キ)を計270分のオンライン講座に凝縮。今年12月末まで何度でも視聴、観返しができますので、これから通販を始める方、始めたもののどう売上を伸ばそうかと試行錯誤中の方におススメです。>>>こちら
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
次のステージに向けての在庫最適化と人財育成を切り口にした業務再構築支援~ZOOMを使ったオンラインアドバイザーサービスも実施中。詳しくはこちら
【参考書籍】
顧客購買行動と品揃え計画および在庫最適化を考えるビジネス読本
人気店はバーゲンセールに頼らない 勝ち組ファッション企業の新常識 (中公新書ラクレ)
電子書籍 Kindle版 紙の本の在庫が少なくなりました。ご希望の方は弊社までメールでお問合せください。
| Permalink | 0