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November 30, 2020

ヤマト運輸がイギリスのクリック&コレクトシステムを導入して、オンライン通販の店舗受取サービスをスタート

Amazon-hub-counter-next11月26日の日経新聞、27日の日経MJなどによれば宅配大手のヤマト運輸はイギリスでオンライン通販注文商品の店舗受取サービス=クリック&コレクトのプラットフォームシステムを提供する英Doddle Parcel 社(以下ドドル)と業務提携を行い、

顧客がZOZOTOWNやYahoo!ショッピングなどで注文した商品を、顧客が指定する近隣の商業施設や店舗に届け、顧客の都合で受け取ることができる、いわゆる「クリック&コレクト」サービスをスタートしたとのこと。

25日から始まった当サービスで受け取り可能な拠点は現段階では丸井、スーツのはるやま、天満屋(百貨店)など全国 約600店舗で、ヤマト運輸は年内に2,000店舗、将来は10,000店舗まで増やす、としています。

通販で注文した後に、ヤマトから届くメールに対して、顧客は選択肢の中から受け取り場所を指定することができるというしくみのようで、その際、生成されるQRコードを指定店舗で提示すれば顧客は商品を受け取れるというものです。(専用端末を貸し出すそうで、零細小売店でも導入可能の模様)

受け取り拠点側の店舗にとってのメリットは
・手数料収入と
・来店によるついで買いの促進
です。

受け取り拠点によっては、来店時にその日から使えるクーポンを付与するところもあるようです。

同様の通販サイトの「クリック&コレクト」サービスはドドルの本拠地であるイギリスですでに普及済みですが・・・

筆者が2017年と2019年にロンドン視察をした時には・・・

アマゾンがチェーンストアと提携した「アマゾン・ハブ・カウンター」(アパレルチェーン大手のNextなどと提携)を独自に展開していたり(右上画像)、宅配ベンチャーが手掛ける「collect plus(コレクトプラス)」(全英の零細から中小小売店を中心に7000拠点と提携)などのサービスが先行し、ドドルは出遅れていた印象を受けましたが・・・

日本においては宅配最大手のヤマト運輸と組んで、システムだけを提供する側に回れば一気にシェア獲得が出来そうですね。

ECの急増にあたり、宅配キャパシティは今後も深刻な状態、再配達問題もアマゾンの置き配やヤマトが手掛ける「EAZY」などで緩和されているようですが、取扱い量はどんどん増えるでしょう。

その際、顧客の受け取り手段の多様化と利便性向上を考えた対策は待ったなしです。

コンビニ受取りは便利ですが、キャパシティはすでにいっぱいだと思いますので、比較的、閑散時間もある、クリーニング店など、駅前の第三者店舗がその役割を果たすことは悪くないことだと思いますね。

今後の広がりに注目したいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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