H&Mとインディテックス(ZARA)の決算進捗に見る パンデミックの欧州グローバルチェーンの業績への影響
先週、12月15日にH&Mの2020年11月期の年間売上高が発表されました。
前年比80.4%の187,025百万SEKとなり、日本円換算(SEK=12.44円)で2兆3265億円となります。
粗利高以下の利益の発表は1月29日のFull year reportを待つ必要がありますが、第3四半期までの9か月は、営業赤字。
これに対し、仮に第4四半期が第3四半期並みの黒字が出たとしたら(例年3Qと4Qの売上は同じくらい、利益率は4Qの方が若干よい)、年間ベースでは辛くも1%-2%程度の黒字で着地をしそうな感じです。
一方、ZARAのインディテックスは
2021年1月期の第3四半期9か月(20年2月-10月)が終了していますが、業績は前年比71%の売上高14,085百万ユーロ、営業利益率は6.7%の黒字です。
20年10月は一旦、前年比94%まで戻りましたが・・・
最終四半期の第2波の11月は81%、12月は10日までで87%ですが、これからの第3波がどうなるか・・・
というところですね。
仮に第4四半期が、売上高前年比80%、第3四半期並みの収益率だとすると・・・
通年ですと、前年比74%の20,858百万円ユーロ、日本円換算(€=126.1円)で2兆6303億円の予想、3Qを参考にすると、営業利益率は通年で10%前後出るかも知れません、という感じです。
欧州で約6割を売り上げる両社へのパンデミックの影響は
第2四半期から第4四半期まで影響を受けたH&Mは売上高20%減
通年、影響を受けているインディテックス(ZARA)は同26%減というところでしょうか。
上記の予測に基づき、
ユニクロのファーストリテイリングを含むグローバルチェーントップ3の2020年度売上高ランキング予想をしてみると
売上高
インディテックス (21.1予測) 2兆6303億円(前比74%)
H&M (20.11実績) 2兆3265億円(同80%)
ファーストリテイリング(20.8実績) 2兆0088億円(同87%)
というところでしょうか。
アジア中心のビジネスで、パンデミックの影響が期間、地域共に比較的少なく、
前年比87%で収まったファーストリテイリングとツートップの売上規模の差は少し縮まりそうな感じです。
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最後までお読み頂きありがとうございます。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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