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執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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5月21日の日経MJの1面に
DtoCブランド fou fou フーフーが代々木上原に開設した
完全無人試着室が紹介されていました。
オンラインで商品を見て、試着を希望するユーザーは、ネット予約を行い、
マンションの1室に設けられたショールームに、事前に伝えられた暗証番号で入室し
一組あたり約1時間内にユーザーは自由に試着をし、
気に入った商品があれば、オンライン注文を行うというもの。
試着した写真を撮って、後で、家に帰ってゆっくり検討し、
オンライン注文することも可能です。
デザイナーのコウサカさんの noteによれば、
週3回、1日あたり3つの時間帯(45分)が予約できるようなので
月に約36組が試着可能ということ。
記事によれば、もともと、この試みは、店舗を持たずにオンライン販売にこだわる同ブランドが行っていた、全国を回る「試着イベント」での気づきから始まったそうです。
・お子さんがいらっしゃる方が、落ち着いて試着ができない、とか
・店舗スタッフのお声がけや周りで試着している人が気になって、自分のペースで試着ができないとか
・店舗スタッフがいると、試着したのに、買わないと申し訳ないとか、
そんなユーザーさんの「心の声」に気づいて、
では、誰もいないところで思う存分、試着をしてもらおう、という発想から生まれたようです。
実際利用された方は、
「試着したら買わなきゃというプレッシャーがなく、納得が行くまでアイテムやサイズを試せた」
「人目を気にせずたくさん写真をとって家でゆっくり検討できるのも嬉しい」
店舗スタッフが好意で行っている、背中を押す接客もプレッシャーに感じる人もいますから・・・
これまで、店舗でのショッピングで、試着がストレスに感じて来た人には受けるサービスではないか、と思いました。
その一方で、想定客単価と稼働率と家賃から、採算はどうなのか?と、つい計算してしまう筆者がおりますが(笑)
ショッピングのデジタルシフトが進み、
更に、この1年はコロナ禍で外出自粛、来店客数減で、店舗の役割を考え直す企業が増えています。
「店舗は体験の場」と言われて久しいですが、体験とは、一体、何でしょうか?
きめ細かい接客による、おもてなしでしょうか?
それもひとつだとは思いますが・・・
サイズがあり、コーディネートをして着用することが前提のファッションアイテムにおいては、
商品の現物を手に取って確認する場、そして、
自分に合うかを確かめるフィッティング(試着)の場であることは揺るぎありません。
先日、外出自粛で、来客が少なくなったいくつかの商業施設を視察している最中、
いくつかの店舗で、気になった服を試着していて感じたことがあります。
相変わらず、フィッティングルームって狭くて窮屈なところが多いな
そんな狭い中で着替えて、着替えが終わったか、どうかというタイミングで
店舗スタッフから「いかがですか」と声がけされて、自分のペースで試着が出来ていないことを、あらためて痛感しました。
その際、思い出したのが、
2018年に拙著「アパレル・サバイバル」(日本経済新聞出版社)の取材でアメリカに行った時に訪れた、オンライン通販出身のメンズウエア「BONOBOS(ボノボス)」のショールーム店舗での店舗体験でした。
同社は、オンライン販売が出自で、試着をしてから買いたいという顧客のために、ガイドショップというショールーム店舗を全米に展開しています。(当時全米約50店舗)
顧客は店頭にならぶ商品の中から、気にいた商品を試着をし、
購入を決めた商品は、店舗スタッフに手伝ってもらって、タブレットからオンライン注文をし、
購入商品は倉庫から自宅に宅配されるというしくみです。
このお店が、通常のファッション専門店と違うのは、
◆タブレット決済なので、レジスペースがない
◆バックストック在庫がないので、店内が広い
その分
◆フィッティングルームが通常の専門店より広い
◆一緒に来た人がくつろげる、大きなソファーがある
というものでした。
これは、これから、オンライン販売比率30%台が常態化する、と予測される
リアル店舗を中心に展開するファッション専門店の未来の店舗の姿のひとつを示唆しているように思いました。
筆者は、店舗のすべてがショールームになるべきとは思っていません。
なぜなら、買ったものを持って帰りたい、あるいは、そのまま着て帰りたい、という需要は確実にあるからです。
しかし、坪効率を上げるために、店舗に、ストック在庫含めてぎゅうぎゅうに店舗に商品を詰め込むために、
契約面積に対して、商品の陳列スペースを最大限に取る、という考え方は時代遅れになって行くと思っています。
では、その時、何を起点に考え直すべきか?
常に、顧客購買行動起点で考えたいです。
店舗は、商品を確認する場、フィッティングを体験する場
そう考えると、これまで、狭く設計せざるを得なかったフィッティングルームのありかたから見直すべきではないだろうか、と
オンラインで情報を取り、店舗で商品を確かめ、試着し、自分のペースで店舗で買うか、オンラインで買うかの選択をする時代に
顧客体験としてのショッピングをデザインし直す際、
顧客が最も大切にする、フィッティングの場である「試着室」の見直しに
まずは取り組んで行くべきではないか、と痛切に感ます。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
【オススメ本】 10年後のアパレル業界でのサバイバルのカギは、服のライフサイクルを意識し、顧客の持続可能なクローゼットのワードローブの循環をお手伝いすること。大量生産、過剰供給時代を超えて、新しい時代のお客様との関係構築がテーマです。
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5月17日の日経MJ紙面にファーストリテイリングのユニクロの外部デザイナーとのコラボの立役者 勝田R&D統括責任者インタビュー記事が掲載されており、大変興味深く読ませていただきました。
ジル・サンダーさんとの+J(プラスジェー)を筆頭に、クリストファー・ルメールとのUNIQLO U(ユー)など、ここ数年は、こういったプロジェクトが、実にうまくユニクロのイメージアップ、ステージアップに貢献しているなと思っています。
記事の中から、気になった箇所を少し、引用、紹介させていただきますね。
まず、勝田氏は、今回の+Jの取り組みを
09年から11年の1回目の取り組みと比べ
「より良いものを分かりやすく」
「チョイスが増えるとお客様が迷ってしまうので」
「(ジルさんの抵抗と闘いながら?かなり)商品を絞り込んだ」
とのこと。
「今回は絞ってメッセージ性を明確にしたことが
ビジネス的に成功した結構大きな要因だと思います。」
と全体を振り返っておられます。
これは、筆者の印象ですが、
09年~11年のころは・・・
+J(プラスジェー)に限らず、他の東京コレクションのデザイナーさんたちとの取り組みもそうでしたが、
それまでデザイナーコラボの連発で世界的に成果を上げていたH&Mに負けじ、と
後追いみたいに焦ってやっている感じがして・・・
デザイナーとの付き合い方が、
定まっていなかった、活かせていなかった、もったいない、
と思うことも少なくありませんでした。
当時の+Jは、
当然、オリジナルのジルサンダーのラインよりは価格は安かったのですが、
(セレクトショップのセカンドライン並み)
ユニクロよりも高い価格帯であり、
「わかる人には、わかる」域を超えておらず、
なおかつ、その割に、作り過ぎていたため、
計画通りに売れずに、過剰在庫を抱えてしまい、
販売間もなく、値下げとなり・・・
実にもったいないな、と値下げされた店頭在庫の山を眺めていたものでした。
今回は、その時のその反省も活かし、
商品を絞って、
オンライン販売と一部店舗限定販売にして、
無理に作り過ぎなかったのが
よかったのでしょうね。
また、10年前とも環境が全く違います。
ユニクロのブランドステージは高まり、
SNS時代にもなったことで、
発売までのストーリーづくりも伝え方も上手く、功を奏し、
また、期待するファンがSNSで盛り上げてくれたのも大きいでしょう。
発売と同時に、ほとんどの商品が値下げをせずに即完売だったようです。
やはり、ファッションビジネスは、何ごとも、適量、腹八分目以下の方が
お後がよろしいようで、ということですね (笑)
記事では、マーケティングや販売の側面だけでなく、
「一流のデザイナーたちとの協業の中で当社の人材も彼らと直接ガチで仕事をしてきました。これは財産です。知識としても能力としても、個人としても組織としても力が蓄えられました。」
と、ものづくりをする現場でも、デザイナーたちから、多くを得たとおっしゃっています。
確かに、プロジェクトにかかわった方々の、それぞれのデザイナーからの学び体験は、
今後のユニクロのレギュラーラインのプロダクトの質の向上にもつながって行く、貴重な未来への投資の役割も果たしていたに違いありません。
最後に、
勝田氏が一流デザイナーと交渉する時の口説き文句が紹介されていたので
引用させていただきます。
「あなたがやっているものの安物バージョンは死んでもやらんよ」
「あなたの才能をユニクロというインフラで発揮して欲しい」
と創造意欲に訴えかけるようにしている。
とのこと。
それだけ、ユニクロという「インフラ」が、グローバルでも説得力をもつようになった、自信あふれる言葉ですね。
今回の+Jの成功もきっと、これから取り組みを行おうとするデザイナーたちに対して、説得力を高めることにつながるでしょう。
今後も、ユニクロには、双方のステージアップにつながるデザイナーコラボを楽しみにしています。
ちょっと蛇足的な話ですが・・・
ファッションビジネスの「適量」在庫の話をすると、
筆者の在庫コントロールセミナーに参加された方に
「売れ筋商品と死に筋商品の違いは何ですか?」
という質問をさせて頂くことがあるのですが・・・
答えは、多くの方々がお答になる、
たくさん売れている商品が売れ筋で、あまり売れない商品が死に筋
ではありません。
期末に残った在庫を見て、反省すればよくわかりますが、
答えは、
どんなに数がよく売れる商品、売上ランキング上位の商品でも・・・
販売力を超えて、つくり過ぎて、大量値下げをせざるを得なくなり、損をもたらす過剰在庫分は
死に筋商品です、とお答えすることにしています。
さまざまな制約のあるアパレルビジネスでは、適量管理を肝に銘じたいところです。
最後までお読み頂きありがとうございます。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
【おススメ本】 ユニクロはZARAを超え、世界一になれるのか?両者の過去から未来への、経営者の経営信念、ビジネスモデルとその変遷を理解すれば、見えて来ます。
「ユニクロ対ZARA」 2018年アップデート文庫本
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5月9日の日経新聞のサイエンス面に「現代人は『引き算』が苦手」という見出しで、米バージニア大学のチームが英科学誌ネイチャーに発表した「人間は引き算の決断が苦手で、足し算にこだわる」とする説を紹介する記事が掲載されており、興味深く読ませて頂きました。
要は、
チームがいくつかの実験で、調査対象者に、問題解決のためのいろいろな問いかけをしたところ、
多くの人が、「引く(減らす)」ことよりも「追加(増やす)」するで物事を解決する傾向があることに気づいた、という話です。
本文で紹介されていた例をいくつか抜粋して紹介させていただくと、
〇エッセーを改善するように頼まれると、多くの人は文章を長くした
〇レシピを改善するように言われると、人々は多くの材料を投入した
〇旅程を整えれるように頼まれると、多くの人は立ち寄る場所を追加した
など、足し算をする(増やす)行動をとる人が多かったとのこと。
一方、別の質問で、
改善にあたり、追加することも取り除くこともOKであることを伝えると
引き算のアイデアが増えたそうです。
記事の後半では、専門家の方々が
「引き算の発想があっても、引く決断は葛藤を生む」
「引き算は過去の労力が無駄になる負い目もある。」
ことを指摘しながら、
ウォークマンやiPhoneの例を挙げて
「勇気をもって引き算を」と推奨する一方、
「注意すべきは大切なものを引き去らないことだ。重要な何かを見極められたら引き算もしやすいが、それができないから苦労する。」
と結んでいます。
社長さんや上司に「改善しろ」、と言われると、
多くの人が、今のままでは物足りないのでは?と忖度し、
どうしても、選択肢や仕事を増やすこと=足し算中心に考えてしまうのは、
企業現場でもよくある話ではないでしょうか?
この話を、日頃、業務改善に当たる仕事の現場で感じていることに照らし合わせて
考えてみたいと思います。
1)在庫の中身の改善
在庫は金額や数量ではなく、中身(鮮度)が大事な時代。
多くの現場では、
過去から現在の売れ筋商品の仕入を増やそうと考えがちですが(足し算)、
同時に、期限までに売り切れない死に筋商品を換金して(引き算)、
未来に売れる、鮮度のよい在庫の中身に入れ替えるアクションが大事。
2)利益体質づくり
販促費の手を尽くして、伸びしろがあり、純増となる、新販路であるECの売上増に躍起ですが(足し算)、
その一方で、既存店の利益額が増える方策や不採算店舗を整理するなど、
引き算による利益体質づくりが求められています。
3)未来への投資のための現預金増
先行き不透明なご時勢に、借入を増やして、しばらくの運転資金は確保されたと思いますが(足し算)
在庫や資産などお金に換わるもの(埋蔵金)を換金(引き算)、回転させて、現預金を増やしたい時です。
増えた現預金は、未来に利益を稼ぐ新鮮な商品仕入や生産性向上のためのソフトウエア投資に使いたいです。
4)無駄な仕事をなくして生産性向上
人員減らして(リストラ)1人あたりの仕事を増やす(足し算)ようなことが行われていますが、
人件費は下がっても、生産性は上がらず、モチベーションが下がるばかり。
業務棚卸で無駄な仕事を見つけて、勇気をもって止めて(引き算)、利益向上のために優先度の高い仕事に集中させる環境をつくり、1人あたりの生産性(利益)を増やしたいところです。
などなど、アイデア出ししていると、いろいろ出て来そうです。
是非、皆さんも、足し算だけでなく、引き算も選択肢に入れて、
身の回りの仕事を見直してみてはいかがでしょうか?
右肩上がりでない市況においては、引き算が利益確保の決め手になることも少なくないと思っています。
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
【お知らせ】5月20日(木)15:00~
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