理想的な営業利益率は何%?
先週金曜日からスタートしたWWDJAPAN連載中「ファッション業界のミカタ」のオンライン連続セミナー。
1回目は、世界アパレル専門店売上ランキングの概要とファッション流通企業の代表的な3つのビジネスモデル(P/Lとそれを支えるB/S構造)について解説しました。
質問タイムに、
損益計算書P/Lの営業利益率は何%が理想でしょうか?
というご質問がありました。とても、いい質問です。
一般的には、小売業は営業利益率10%あれば、優秀と言われます。
損益分岐点も低くなり、不測の売上減のような危機にも比較的耐えやすい体質、周りからの評価も申し分ないでしょう。
しかし、筆者はそのご質問に対し、
まず、その企業が目指すビジョンがあって、それを実現するのに毎年、営業利益額(厳密には繰越利益)がいくら必要か?
が正解であって、率を目指すべきではないのでは?
とお答えさせて頂きました。
つまり、ビジョンの実現に必要な額がはじき出ことが出来れば、20%でも、5%でも、極論それ以下でも、その企業にとっては正解でしょう。
例えば、何年後かに、
無借金経営にしたい、
新しいマーケットに進出したい、
これからの顧客購買行動の変化にあわせて物流やシステムの設備投資をしたい、
などなど。
ビジョンに必要な金額が明確になれば、
毎年の販売管理費、粗利高、売上高も根拠のある予算を設定することができる、という訳です。
ある会社の経営者さんは、わずかな営業黒字でいい、その分、従業員の成長にお金(販売管理費)を使いたいとおっしゃいます。
これも立派なビジョンのひとつかと思います。
ビジョンを決め、それにあわせて稼ぐ金額を決める
これは筆者も学んだキャッシュフローコーチの和仁達也先生に教えて頂いたことのひとつでした。
まずは、どんぶり経営から抜け出すために・・・
ビジョンを決め、P/Lを設計し直すことから始めたい、
そう感じている方には、こちらの書籍がオススメです。
超★ドンブリ経営のすすめ
財務諸表はあくまでも結果を表したもので、税理士や会計士がつくるもの?
いやいや、経営者さん自身が、3年後、5年後にどんな形にしたいか?から逆算して考えるのもありですよね。
もしそんな機会があったら、経営者の皆さんはどんな財務諸表の形を描かれるでしょうか?
身動き取れない訳じゃない、新興企業さんには、是非そんなアプローチで経営を行って頂きたいものです。
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執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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