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July 26, 2021

顧客を理想のショッピングの世界へと連れて行こう

20210713_185918-1先週、クラウドで在庫管理システムを提供するロジザードさんが主催する
ショッピングのデジタルシフト、オムニチャネルをテーマにしたオンライン対談にパネラーの一人として出席させて頂きました。

コロナ禍のこの1年を振り返って、というお題に対して、

筆者からは、
この間、日本で体験した小売業のデジタルシフトの事例として、
マクドナルドのモバイルオーダーとユニクロのショッピングアプリを紹介させていただきました。

前者は事前に、あるいは店頭でアプリを使ってオンライン注文すれば、レジに並ばずに注文、受け取りができるもので、
既に多くの方が利用されていることでしょう。

後者は、同アプリがポイント加算、オンラインショッピングサイトへの入口という多くの専門店が実装している機能だけでなく、

・購入したい商品の店舗在庫の確認
・店頭で値札のバーコードをスキャンすることで
 -店内在庫確認
 -オンライン在庫確認
 -購入者のレビュー
 -スタイルサイトからのコーディネート案
 が閲覧でき
・更にアプリにクレジットカードを紐付けておけば、
 レジで財布を出さず、会員証を提示した後にそのままお会計ができる
 という機能を持っているものです。

実際、筆者は、これらの機能を使って、

〇試着した服のサイズが自分に合わなかったので、
その場でアプリで値札をスキャンして店内在庫がないことを確認した上で
オンライン通販サイトに注文したり、

〇レジで財布を出さずにUNIQLO PAYでQRコード決済をしたりしたものでした。

 

これまで、ショッピングのデジタルシフトというと、

・EC売上を増やすことであったり、
・ポイントカードとプッシュ通知をして通販サイトに誘導する機能が中心のアプリのダウンロードを促したり・・・

どちらかというと、売りたい企業側の都合のものが中心だったと思います。

これに対して、マックやユニクロの事例は
スマホアプリを活用した、顧客の店頭でのお困りごとの解決や店頭に居ながらにしての、オンラインを活用した拡張体験の提供であって、次のステージに進んでいる取り組みと言えましょう。

そんな話をしていたら、ロジザードの金澤社長が、いろいろな業種で、店頭でアプリを上手く使ったら、既存顧客さんに対して、リピート購入、買い増しや消耗品購入など、わざわざ来店せずとも、いろいろな便利なサービスが提供できるのでないか、
という話が出て、

こんなことも、あんなことも・・・

アプリはただのポイントカードや割引のためのプッシュ通知の道具じゃないよね、
と、その後、想像力が掻き立てられる話が展開し、とても有意義な時間になりました。

みなさんも自社の店舗に照らし合わせて、関係者でいろいろなアイデア出しが出来れば、
顧客の問題解決になる、いいアイデアが沢山出てくるのではないでしょうか?

そう、アプリをポイントカードや通販サイトの入口として使っているだけではもったいない。

これからは、店頭での顧客体験拡張のためのステージにもっと活かしたいものです。

そして、アプリなら中小企業にとっても、手の届く投資で実現できることもいろいろあるのでは?

そのアイデアは、システムに明るい人ではなく、想像力の豊かな商売人こそが持っていると確信しています。

まずは、先行している小売業のアプリを使ってみて、何を感じるか、からスタートしてみてもよいのではないでしょうか?

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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July 19, 2021

「デジタルとリアルの融合」は手段を目的にせず、まずは、顧客のストレスを特定し、それを解消することから考えよ

20200714_1508107月16日日経MJに、「私のマーケティング論」という見出しで、ナイキ、アウディ、グーグルなどのデジタル戦略やクリエイティブを手掛け、ユニクロのスタイルヒント原宿店の指揮を執った I&CO共同創業者でクリエイティブディレクターである、レイ・イナモト氏のインタビュー記事が掲載されており、大変興味深く読ませていただきました。

「スタイルヒント」の開発背景について聞かれ、同氏は、

(以下引用)

「出発点はアプリの開発。買いたい服の情報を調べようとしてもグーグルなど特定のサイトはなく、(顧客が)自分でキュレーションする必要がありました。ならば服の検索エンジンをつくろうと思ったのです。皆が写真を投稿すると服が情報になり、さらに共有するとプラットフォームになる。」 

(以上「  」内記事の同氏の発言からの引用)

ファッション企業各社が「単品」を売ろうと発信している通販サイトはあっても、用途、着こなしかた(コーディネート)のアイデアを企業目線ではなく、顧客目線で集大成するには、ワンブランドではなく、ブランドミックスで消費する顧客投稿型のSNSのデータベース発想には敵いません。

服のコーディネートに関する、その発想の先駆者は、日本においてはZOZOが提供する「WEAR」だと思いますが、1000万件以上のコーディネートがアップされているWEAR上でもコーディネートに使われる、登場件数が断トツ1位で、一方、ZOZOTOWNで販売されていない「ユニクロ」が自らユーザー投稿型データベース型アプリの開発に行きついたのは至極自然な流れだったと思います。ユニクロのミッションは、どんなトレンドファッションに合うベーシックですからね。

続いて、今、が躍起になっている、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」や「デジタルとリアルの融合」というキーワードについて、

(以下引用)

「よくデジタルとリアルの融合に取り組むと聞きますが、僕には融合との発想が全くありません。
消費者がどこにストレスを感じ、その摩擦をどう減らすのかを常に考えています。
たとえば米国のウーバーはタクシーを呼んでも来ないというストレスをなくそうという発想から生まれました。
リアルとデジタルの融合はその結果に過ぎません。形式に取らわれず、常に本質を見る必要があります」

(以上「  」内 記事からの同氏の発言を引用)

この部分は強く共感しました。

その理由は、筆者が、日本のファッション流通が本格的にオムニチャネル時代に入ることを視野に入れて、2018年に「アパレル・サバイバル」の取材も兼ねて訪れたアメリカ西海岸、LA、シアトル、ポートランドでのこと。

当地で、流通各社の先進的なDX事例を実体験しながら、
筆者が共通点として感じたことは、まさしく同氏が語っていることだったからです。

amazon goではコンビニにおける顧客のストレスを

amazon booksでは書店における顧客のストレスを、

ナイキは シューズ購入の際に誰もがかかえる顧客のストレスを、

ウォルマートは・・・

ZARAは・・・

それぞれの企業が先進的に行っていたことは、

〇ショッピングのプロセスにおいて、顧客のストレスがどんなところにあるかがわかっていて、

〇それをどう解決すれば顧客が喜ぶかの「理想的なビジョン(シーン)」を描いた上で・・・

〇そのストレス解消にあたり、顧客が持つスマホ内の自社アプリを活用することが最適と考え、

〇リアルにおける新しい顧客体験をデジタルを活用して実現した

わけです。

それは、まさしく、イナモト氏が言うように、顧客のストレスの解消が目的であり、
「デジタルとリアルの融合」という言葉はその手段や結果でしかなかったのです。

(上記 アメリカでの事例の詳細は是非、拙著「アパレル・サバイバル」をお読みください)

日本では、デジタル化という手段が先にあって最新技術に飛びついたり、
企業の業務効率の都合でデジタル化が図られ、そのしわ寄せとして、顧客に面倒を強いることが多いようですが・・・

欧米では、逆に、顧客のショッピングのストレスを特定し、それをデジタルで解消すると同時に
企業の業務効率も考える、という流れが多いように感じるのは、筆者だけでしょうか?

デジタル化が進まずに焦る前に・・・

まずは、目の前のお客様のストレスを特定し、それをどうしたら、デジタルで解決できるかを考えたいものです。

よく、資金がないから、デジタル化が図れない、と言われますが・・・

本当に必要なのは、お金ではなく・・・
顧客のストレスを解消し、理想のお買い物を体験してもらいたい、というビジョンを描けるかどうか、の顧客への愛と創造力に他なりません。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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July 15, 2021

【お申込み終了しました。】7月22日(木)開催 オンライン経営セミナー~たった3つの視点を共有すれば、過剰在庫が粗利とキャッシュに換わる!ファッションストアの組織づくりの秘訣

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7月22日(木)15:00~18:00 オンライン開催、アパレル・靴・服飾雑貨などシーズン商品を販売するファッションストアやEC事業を運営されている経営者様向けのオンライン経営セミナーの参加申し込み、残席わずかです。
年商30億円で迎える過剰在庫の壁。事業全体で、仕入れた商品を最大限の粗利とキャッシュに換え、営業利益を倍増させる。シーズン商品の在庫コントロール実践のための組織づくりと業務連携の秘訣を、業界の在庫運用に最も詳しい講師(ブログ筆者)が、実際に取り組んだ企業の成果事例も踏まえて、特に、再現性と効果の高い3つのポイントにフォーカスしてお伝えします。少人数の有料セミナー、今回のお申込みは終了しましたが、次回開催のお知らせをご希望の方は こちらにご登録下さい

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July 12, 2021

企業決算書からヒントを得るためのコツ~まずは自社の課題の特定から始めよう

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先週の金曜日、WWDJAPANに月イチ連載中の上場ファッション流通企業の決算書から業界の動向や業務のヒントを読み解く「ファッション業界のミカタ」のオンライン連続セミナー(全4回)が終了しました。

第1回 世界アパレルチェーン売上トップ10企業の最新動向から学ぶこと

第2回 ZARAのインディテックスの最新決算から学ぶ、アパレルチェーンが向かうべきビジョン

第3回 ユニクロ(ファーストリテイリング)世界一への道と課題克服へのチャレンジ

第4回 ZOZO の決算データに見る、ファッションEC ビジネスの損益と未来

おかげ様で、各回定員いっぱいの方々に視聴頂き、感謝を申し上げます。

時折、公開企業の決算書のどんなところを見ればよいのですか?とご質問を頂きますが、

もちろん、読む方が投資家なのか、実務にかかわっている方なのか、によって見るポイントは当然、変わって来ます。

筆者の場合、小売経営に携わっていたことから始まり、その後、コンサルとして、企業向けに業務改善のアドバイスをする立場なので、読む対象となる企業の決算の良し悪しを評価するというより、

その企業さんがどのようなビジネスモデルを確立し、継続的に儲けている秘訣は何なのか?

特に、強みとする経営効率のヒントを読み取ることにしています。

その際、大事なのは・・・

まずは、自社あるいは、クライアント企業の課題の中から、

今回、改善のヒントを得たい項目を具体的に絞り込んで、特定することです。

・営業利益を高めるためには?

・当社の販売効率や生産性は改善余地があるのか?

・在庫日数はどれくらいで回すべきなのか?

などなど

つまり、

・他人事ではなく、自分事にすること

そして、あれもこれもではなく

・今回、好奇心をもって、知りたい、解決のヒントを得たい特定の項目にアンテナを立てること

です。

最初にそれを行った上で始めるか、どうかで、得られるものは全く違うものになって来ます。

そして、

その課題について、上手くやっていると言われる上場企業を特定して、その企業のIRページを訪れます。

一般的に決算関連資料は有価証券報告書、決算短信、決算説明会資料などがありますが、

その他にあるDataBookやFactBookや決算概要などにその企業が長年大切にしている経営効率が載っているケースが多いので要チェックです。

小売業であれば、

●販売効率 1店舗あたりの売上高、売場面積、面積あたりの売上高

●生産性 従業員一人当たりの売上高、人時売上高

●在庫効率(在庫日数、在庫回転率) など

経営の最小単位で比べると、

同業他社との比較もしやすくなるものです。

また、ズバリの数字は載っていなくても、
それぞれ別の場所に掲載されている数字どうしを割り算をすることによってわかる時もあります。

そして、それらを時系列で並べることで、その会社の企業努力も見て取れます。

 

実は、このアプローチって、店舗視察を行う場合も同様だと思っています。

店頭VMDはいつ変更しているのか?

混雑時のレジ対応は?

アイドルタイムをどう使っているのか?などなど

自社のオペレーション上の課題を具体的に特定した上で、

あの企業は、その課題にいったい、どう対処しているのか?と関心を持つことから始まります。

自身の頭の中に、そんなアンテナが立っているのかいないのか?で

ヒントの吸収力は数倍も変わってくることは皆さんも経験したことがあるはずです。

公開企業の決算書も店舗もビジネスの活きた教科書です。

情報の宝庫から、学び、未来を切り開きましょう。

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

 

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July 05, 2021

ユニクロの製造業へのチャレンジ~東雲イノベーションファクトリーの全貌が明らかに

20210705_075525ユニクロを展開するファーストリテイリングが先週の始めにメディア関係者に公開した、

「有明プロジェクト」のひとつ、東雲(しののめ)のイノベーションファクトリーに関する記事が
6月30日の日経MJと7月1日の繊研新聞のそれぞれ本紙と6月30日のWWDJAPANオンラインに掲載されていました。

WWDJAPANの記事が結構、詳細で現場の様子がよくわかります。

ユニクロが東京に自社工場 製造業進出で「すぐに作って売る」
(注:こちらは有料記事になります。)

このイノベーションファクトリーはもともと島精機(和歌山)が開発した無縫製ニット編み機=ホールガーメント機を活用して、
地産地消のニット製品の生産販売を行うべく島精機とファーストリテイリング(以下FR社)が和歌山に合弁で設立した製造子会社で

FR社が主導権を取って本腰入れるために、
出資比率を当初のFR:島精機 49%:51%から 51%:49%として、
3カ月前に和歌山から、お膝元の東京有明近くの東雲(しののめ)に移転したものです。

場所は有明本部から10分ほどの3階建て4700㎡(1424坪)の印刷工場跡地
そこに40台のホールガーメント機を置き、65人の従業員がいるそうで
1日1000枚(単純計算1台あたり25枚)の生産が可能だそうです。
将来的には100台にまで持って行く計画もあるそうです。

それぞれの記事を読んだところ

これまで、工場を持たずに協力工場に生産委託するスタイル(ファブレス)を強みとしていた
ユニクロが、初の自前工場で製造業へ進出、というのは少々大げさな話で・・・

実際のところは、本社の身近なところに、

量産工場と連動したサンプル工場あるいはテスト生産工場が出来たと見るべきだろうと思いました。
(FR社は「3Dニット生産の世界のマザー工場」と言っています)

まず、FR社の有明本部の5階にホールガーメント機4台を置いたサンプル作成用のアトリエがあるそうで、
そちらで試作用にプログラミングしたデータを東雲工場に転送し、
実際に販売できる商品化を行いながら、量産に対応できるように調整しているようです。

WWDJAPANや繊研新聞の記事に寄れば、

東雲で、行っているのは、

・糸の巻替え(糸の中にあるゴミなどのまぎれ込みを取り除くための行為)
・編み立て
・糸切れ直し
・稼働点検
・製品補修
・洗濯と乾燥
・アイロンがけ
・タグ付け

要は、糸から製品の形になる、編み立て自体(パーツを組み立てるリンキング工程は不要)は
ホールガーメント機が24時間自動で行ってくれますが、

準備工程である

●編み立てのプログラミング(ここが時間がかかるといわれています)
●ホールガーメント機にかけるまでの糸の品質確認とセッティング や

編み立中の

●稼働中の点検、
●糸の切り替え、

編み立て後の

●製品補修、
●洗濯、乾燥、
●アイロンがけ、
●タグ付け

などは、やはり、人がやらないといけないようなので・・・

東京の人件費を考えた場合、

ユニクロ価格のニットのプライスレンジの上限で販売したとしても、
試験販売用の商品原価では儲けはあまり出ないのではないかと思われます。

ここからは、記事を読んだ上での、筆者の解釈ですが、

この東雲イノベーションファクトリーの目的と役割は

まず、第一には

◆サンプルづくりから量産までの工程研究および時間短縮

ホールガーメント機の海外での大量生産前に
海外量産工場で起こりうるトラブル解消や作業の効率化の研究を行い
生産のボトルネックや起こりうるトラブルを事前につぶしておくことで
生産のスピードを上げ、不良品率を下げることができるのではないか。

次に、

◆的中率を高めるための試験販売用の商品づくり

商品企画者のアイデアの元、東雲でつくった少量製品を
銀座のUNIQLO TOKYO 店などで試験販売し、
売れ行きを見て、海外での量産の発注数の参考にするそうです。

また、

◆追加生産入荷までの国内QR生産による繋ぎ商品供給

量産での販売が計画に対して上振れして、
海外に追加生産をして、海外からの商品供給が間に合わない時の
一時的な売場の穴うめ、繋ぎ用商品在庫の供給を担うことができるようです。

従来であれば、

量産をする海外工場に仕様書を元にサンプル作成をして送ってもらい、
チェック、修正を繰り返していた流れから・・・

企画担当者やデザイナーが有明本社の5階のアトリエ(4台)でつくり、
東雲工場で量産向けにテスト生産を行って確かめた上で

海外の量産工場にサンプル、プログラミングデータ、工程上の注意と共に提供すれば、
生産の効率化が期待できる。

この流れの主導権を持った革新が、同社が 

「従来3ヶ月かかっていた仕事を1か月に短縮したい」

という話の背景にあるはずです。

各社の報道を読みながら、思ったのは、

アパレル生産のサプライチェーンのボトルネックのひとつである
「サンプル確認」工程をユニクロがコントロールできるようになったこと。

そして、

あくまでもホールガーメント機を使ったニット製造に限りますが
製造中に起こりうる問題点の解決策を
東京から世界の量産工場に具体的に提示できるようになったこと

この2つには大きな意義があります。

ZARA(ザラ)が本社デザインルームに布帛アイテムのためのアトリエを持ち、
自らサンプル作成を行って工程上の問題点を認識し、
量産素材の裁断を手掛け、
どこでも縫えるような形にして、
縫製工場に縫製(アッセンブル)委託をすることで
サプライチェーンのボトルネックを解消しながら、スピード生産を実現していますが、

ユニクロが、そのあくまでもホールガーメントニット版に限りますが、
踏み出したということを意味します。

次に、的中率を上げ、無駄な在庫をつくらないように・・・

店頭で顧客の反応を確かめてから量産数量を決定することができる、
試験販売用のサンプル工場を持ったこと。

これは、今はどうされているか不明ですが、

レディースカジュアルSPAのハニーズが2000年代の全盛期に
福島にサンプル作成と店頭試験販売用のサンプル工場を持っていて、
一部の店頭で試験販売をした上で中国に量産発注をしていた話を思いだしました。

また、古くは、米リミテッドストア(現Lブランズ)が
バイヤーたちが世界中で買い付けたサンプル商品にリミテッドのネームを付け替えて、
都市部の3店舗で試験販売をした上で、顧客の反応を見て
アジアに量産発注し、出来上がった商品は空輸でアメリカに持ち込み、
全店展開して的中率を上げていたという話を思い出しました。

ユニクロが自ら量産を手掛けるわけではありませんが、

大量につくって、徹底的に売り切る、というビジネスモデルから・・・

的中率を上げ、サプライチェーンのボトルネックの解消のために
製造工程に大きく足を踏み入れたという点においては、

とても意義のある、大きな前進であると感じました。

最後までお読み頂きありがとうございます。

 執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩

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 「ユニクロ対ZARA」 2018年アップデート文庫本

 

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