顧客を理想のショッピングの世界へと連れて行こう
先週、クラウドで在庫管理システムを提供するロジザードさんが主催する
ショッピングのデジタルシフト、オムニチャネルをテーマにしたオンライン対談にパネラーの一人として出席させて頂きました。
コロナ禍のこの1年を振り返って、というお題に対して、
筆者からは、
この間、日本で体験した小売業のデジタルシフトの事例として、
マクドナルドのモバイルオーダーとユニクロのショッピングアプリを紹介させていただきました。
前者は事前に、あるいは店頭でアプリを使ってオンライン注文すれば、レジに並ばずに注文、受け取りができるもので、
既に多くの方が利用されていることでしょう。
後者は、同アプリがポイント加算、オンラインショッピングサイトへの入口という多くの専門店が実装している機能だけでなく、
・購入したい商品の店舗在庫の確認
・店頭で値札のバーコードをスキャンすることで
-店内在庫確認
-オンライン在庫確認
-購入者のレビュー
-スタイルサイトからのコーディネート案
が閲覧でき
・更にアプリにクレジットカードを紐付けておけば、
レジで財布を出さず、会員証を提示した後にそのままお会計ができる
という機能を持っているものです。
実際、筆者は、これらの機能を使って、
〇試着した服のサイズが自分に合わなかったので、
その場でアプリで値札をスキャンして店内在庫がないことを確認した上で
オンライン通販サイトに注文したり、
〇レジで財布を出さずにUNIQLO PAYでQRコード決済をしたりしたものでした。
これまで、ショッピングのデジタルシフトというと、
・EC売上を増やすことであったり、
・ポイントカードとプッシュ通知をして通販サイトに誘導する機能が中心のアプリのダウンロードを促したり・・・
どちらかというと、売りたい企業側の都合のものが中心だったと思います。
これに対して、マックやユニクロの事例は
スマホアプリを活用した、顧客の店頭でのお困りごとの解決や店頭に居ながらにしての、オンラインを活用した拡張体験の提供であって、次のステージに進んでいる取り組みと言えましょう。
そんな話をしていたら、ロジザードの金澤社長が、いろいろな業種で、店頭でアプリを上手く使ったら、既存顧客さんに対して、リピート購入、買い増しや消耗品購入など、わざわざ来店せずとも、いろいろな便利なサービスが提供できるのでないか、
という話が出て、
こんなことも、あんなことも・・・
アプリはただのポイントカードや割引のためのプッシュ通知の道具じゃないよね、
と、その後、想像力が掻き立てられる話が展開し、とても有意義な時間になりました。
みなさんも自社の店舗に照らし合わせて、関係者でいろいろなアイデア出しが出来れば、
顧客の問題解決になる、いいアイデアが沢山出てくるのではないでしょうか?
そう、アプリをポイントカードや通販サイトの入口として使っているだけではもったいない。
これからは、店頭での顧客体験拡張のためのステージにもっと活かしたいものです。
そして、アプリなら中小企業にとっても、手の届く投資で実現できることもいろいろあるのでは?
そのアイデアは、システムに明るい人ではなく、想像力の豊かな商売人こそが持っていると確信しています。
まずは、先行している小売業のアプリを使ってみて、何を感じるか、からスタートしてみてもよいのではないでしょうか?
執筆: ディマンドワークス代表 齊藤孝浩
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